8月17日付け中日新聞は、上記の見出しと以下のリーダー記事を付して、愛知県立・名古屋市立・豊橋市立の高等学校の校則を報道しました。「生徒の人権を脅かす「ブラック校則」の抑止などのため文部科学省が、各校の校則に定めるよう促している内容の見直し手続きについて、愛知県内の公立高校165校192課程のうち、少なくとも半数近くの86課程では依然、校則に規定されていないことが県教委などへの取材で分かった。専門家は「生徒がルールについて考えるきっかけにもなり、見直しについて規定しない理由はない」と指摘する。」
中日新聞は、その記事で 「文科省は2022年のこども基本法の成立を受け、生徒の指導方法などをまとめた「生徒指導提要」を改定。ブラック校則への批判が高まる中、校則を絶えず見直し、そのための手続きを示しておくことが望ましいとの内容が盛り込まれた。」と行政の大きな流れを紹介し、一方では「校則を巡っては、愛知県教委なども見直していくよう呼びかけているが、校則を定める権限は各校長にあり、県教委の担当者は「一律に押し付けはできない」と話す」と県教委のあいまいな姿勢を紹介しています。
下奥奈歩議員は高等学校の校則について、昨年12月議会・今年6月議会で詳しく質問しました。 質疑を通じて、「児童の権利に関する条約」における「差別の禁止」「児童の最善の利益」「生存・発達に対する権利」「意見を表明する権利」が常に保障されること、校則見直しのルールを明らかにすること、校則を高校ホームページに掲載して公開されていること、当事者である生徒の意見表明・参加が保障されていることなどを明らかにし、改善促進を求めてきました。中日新聞のこの記事は、これらに経過から把握されたものに市立高校の状況も付加されたものになっているようです。
下奥奈歩議員は6月議会の質疑の最後に、「生徒指導提要には、「安全・安心な学校づくりは、生徒指導の基本中の基本であり、子どもの権利条約の理解は、 教職員、児童生徒、保護者、地域の人々等にとって必須」と明記されました。また、愛知県の人権推進プランには「学校においては、子どもの権利条約の趣旨を認識し、児童生徒の人権に配慮し、一人一人を大切にした教育や学校運営に努めるとともに、子ども自身に人権という権利があり、守られている存在だということを認知できるように努めます」と書かれています。昨年12月議会では私の質問に対し県教委から、「校則の見直しについて、各学校が適切かつ不断に校則の見直しを進めていくことが必要であると考えております」「好事例を含め、機会をとらえて情報提供をしていくことで、校則の見直しを積極的に進めるよう促してまいります。」という、答弁をいただきました。しかし、まだまだ子どもの権利が侵害されている実態があります。「校則の見直し」と言ったときに、子どもの権利条約、人権を守る立場にたった、見直しを促していただきたい」と重ねて要望しました。この地域に大きな影響力を持つメディアの報道で、更に議論と改善が進むことを期待したいと思います。
中日新聞「愛知の高校 校則比較ナビ」(県下の公立高校の校則を閲覧できます)