議会報告

2023年12月定例議会 教育スポーツ委員会 一般質問        校則の見なおし「子供の人権」「話し合い」の重視

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【しもおく奈歩議員】 学校校則について質問していきます。

 日本共産党国会議員団や都議団が、高校生の「人権侵害の校則を変えたい」の声と一緒にアンケートや論戦を行ってきたなかで、昨年12年ぶりに、生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書である文部科学省の「生徒指導提要」が見直されました。大変重要な前進だと思います。各地で校則見直しが進められています。

愛知県の校則についても、シールアンケートや日本共産党の校則アンケートに疑問の声が寄せられました。そこで、問題意識を共有しながら子どもの人権を大切にする立場で改善に向け、ご尽力いただきたいと思います。

 改定された、生徒指導提要には子どもの権利条約が書き込まれました。生徒指導の留意点の第一に「児童生徒の権利条約の理解」を置き、権利条約の重要性を強調しています。

 そこで伺います。生徒指導提要では、「生徒指導を実践するうえで児童の権利条約の4つの原則を理解しておくことが不可欠です」としています。その4つの原則について、確認したいと思います。答弁をお願いします。

【教委・担当課長】 「児童の権利に関する条約」における四つの原則とは、第一に、児童生徒に対するいかなる差別もしないこと(差別の禁止)、第二に、児童生徒にとって最もよいことを第一に考えること(児童の最善の利益)、第三に、児童生徒の命や生存、発達が保障されること(生命・生存・発達に対する権利)、第四に児童生徒は自由に自分の意見を表明する権利を持っていること(意見を表明する権利)でございます。

 【しもおく奈歩議員】 ありがとうございます。校則見直しに関わってもう一つ特に確認しておきたいことがあります。子どもの権利条約28条2項についても、答弁をお願いします。

【教委・担当課長】 「児童の権利に関する条約」の第28条第2項では、「締約国は、学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法で及びこの条約に従って運用されることを確保するためのすべての適当な措置をとる」とされております。

 【しもおく奈歩議員】 確認させていただきました。簡単に言えば、「学校のきまりは、こどもの尊厳が守られるという考え方からはずれるものであってはならない」ということです。校則見直しの基準として、抑えておきたい部分です。子どもの権利条約が生きる、学校の環境改善が必要です。

 しかし、私たち日本共産党愛知県委員会が行った校則アンケートには、尊厳が守られていない、人権侵害や表現の自由が侵害されている実態がいまだに存在していることが明らかになりました。校則について、愛知県弁護士会も調査を行っています。

生徒指導提要には、「校則によって、教育的意義に照らしても不要に行動が制限されるなど、マイナスの影響を受けている児童生徒がいないか、いる場合にはどのような点に配慮が必要であるか、検証・見直しを図ることも重要」と明記されています。

党がとりくんだアンケートでは、校則があることによる心理的状態について「とても疲れる」、「監視されているようで窮屈(きゅうくつ)」が合わせて67%にのぼりました。検討・見直しが必要です。

そこで伺います。人権侵害など問題がある校則の存在が子どもたちを苦しめています。中には、「意味のわからない校則のせいで他の校則の緩い学校と比べてしまい、電車で毎朝病んでしまうので早く変えてほしい」という声もありました。こういう状況を放置してはいけないと思いますがいかがでしょうか。校則の見直しの必要性について認識を伺います。

【教委・担当課長】 県教育委員会では、校則が社会的関心の的となっていることもあり、生徒や保護者が厳しすぎると感じるものや、現在の社会通念に照らしてそぐわないもの、子供の人権を侵害する可能性のあるもの、個別の事情のある生徒への配慮に欠けるものなどがないかを点検し、見直しを行うよう各県立学校を指導してまいりました。その結果、多くの県立高校では、そうした観点に立った見直しが進んでおり、今年度末までに全ての県立高校において、見直しが行われる予定です。

  昨年12月に改訂された「生徒指導提要」では、学校や地域の状況、社会の変化等を踏まえて、その意義を適切に説明できないような校則については、改めて学校の教育目的に照らして適切な内容か、現状に合う内容に変更する必要がないか、また、本当に必要なものか、絶えず見直しを行うことが求められております。

  今後も、こうした考え方に沿って、各学校が適切かつ不断に校則の見直しを進めていくことが必要であると考えております。

【しもおく奈歩議員】 校則は各学校が決めていくものではありますが、子どもたちへの影響を考え校則見直しを人権やジェンダーの視点から引き続き促し助言していくことが県の役割だと思います。

 具体的に校則について、触れていきたいと思います。日本共産党の校則アンケートで多くあったのは、ツーブロックなど特定の髪型の禁止です。これは、愛知県弁護士会のアンケートにもありました。「ツーブロック・刈り上げはダメ」「普通のまとめ髪はいいけど、三つ編みしてお団子にするとだめ」などです。

実際に私も、いくつかの学校の校則を確認してみると、「奇抜な髪形、部分的に著しく刈り上げる等、髪留めは、黒紺茶などの華美でないものとする。シュシュは禁止。パーマ、カール、エクステ 等の加工は認めない。」など、指定されていました。

また、「高校生らしい」「常識の範囲内」など、抽象的な表現で規制する傾向もありました。先生によって指導の内容に違いが生まれる要因のひとつであり、「明確になぜだめなのか」説明できません。高校生から「ルールだから」としか言われないと声が寄せられています。

髪型は、アイデンティティに関わるものです。自分らしくいられないことは、人によっては日々苦痛を強いられてしまうものです。

そこで、伺います。髪型は、自己表現のひとつです、自己決定権が保障されるものです。多様性への配慮が必要な部分です。髪型は、学校以外の場における自由にも影響が及んでしまいます。髪色が黒であることを前提としていることも多様性の観点から問題があります。

自己決定権が脅かされ、尊厳が守られていないと思いますがいかがでしょうか。認識を伺います。

【教委・担当課長】 校則は、生徒が健全な学校生活を送り、よりよく成長・発達していくために、学習上、生活上の「規律」として設けられるものでございます。校則の在り方は、法令上は特に規定されていませんが、これまでの判例では、社会通念上、合理的と認められる範囲において、教育的意義を有するものとされております。

  したがいまして、髪型などの自己表現は、個人の自己決定権に属するものではあっても、校則により、社会通念上の合理的範囲において一定の制限を行うことはあり得ると考えております。ただし、生まれつきの髪の色や髪の質などを校則に合うように変えさせることは、適切ではないと考えております。

【しもおく奈歩議員】 弁護士会からも「ルールは人を縛るものではなく、守るためのものです」との指摘があります。

 私は、毎週シールアンケートを行いそこでも「ツーブロックなくしてほしい」という声をよく聞きます。なかには、「女子は、ツーブロック禁止」と言われた高校生もいました。ジェンダーの視点がそこには全く反映されていない実態もあり問題です。自己決定権が保障されるように、見直しを求めてほしいところです。

 次に、違反した場合の指導についてです。

党が行ったアンケートの中で頭髪や服装、持ち物検査があると答えた方が28人いました。検査について、「どちらかといえばいや」「とてもいや」が多数でした。検査が行われることで「監視」されているように子どもたちが感じています。酷いのは、下着の色をチェックされたという実態もアンケートにありました。愛知県弁護士会の調査にも「制服からはみ出したインナー類等の着用は禁止。不適切な着用を認めた場合は預かり指導する」というものもありました。他にも、髪型のことで違反した場合カードをもらい、カード4枚で反省文、20枚で謹慎という声もありました。

そこで、伺います。一人一人の子どもが安心して安全に学ぶ権利を守るという観点から、登校を制限する「謹慎」の指導は学ぶ権利の侵害です。下着のチェック・下着の預かりは尊厳を奪うものです。反省文も過度な指導だと思います。この間よせられた中で、「スマホを没収された」という声もありました。こうした行き過ぎた指導は、適切ではないと思います。県の認識を伺います。

【教委・担当課長】 校則に基づく指導を行うに当たっては、校則を守らせることばかりにこだわらず、制定された背景や理由を踏まえて、生徒が自分事として校則の意義を理解し、自主的に校則を守るように指導していくことが重要であると考えています。

 その上で、校則に違反した場合には、行為を正すための指導にとどまるのではなく、違反に至る背景など生徒の個別の事情や状況を把握しながら、内省を促すような指導となるよう留意する必要がございます。各県立高校に対しては、こうした考え方に立って適切に校則に基づく指導を行うよう、引き続き促してまいります。

 なお、県教育委員会として不適切な指導と考えておりますのは、大声で怒鳴る、ものを叩く・投げる等の威圧的、感情的な言動で行う指導や、生徒の言い分を聞かず、事実確認が不十分なまま思い込みで行う指導、他の生徒の面前で叱責するなど生徒の尊厳やプライバシーを損なうような指導、指導後に適切なフォローを行わないことなどであると考えております。

【しもおく奈歩議員】  具体的な問題にはっきり答えていません。もういちどうかがいますが、下着の預かり指導などあってはならないと思いますが、いかがですか?

【教委・担当課長】 校則は、各高等学校の校長が教育目標等を踏まえて制定しているものです。ただし、現在の社会通念に照らしてそぐわないもの、子供の人権を侵害する可能性のあるもの、個別の事情のある生徒への配慮に欠けるものなどがあれば、見直しを行うよう各県立学校を指導してまいりたいと考えています。

【しもおく奈歩議員】 人権侵害の校則とともに、子どもに罰を与えてしまう指導、不快な検査や尊厳を奪うような指導も見直しなくしていくことが必要です。

 校則見直しの動きと同時に、各学校の校則がいま学校の公式ホームページに掲載されてきています。すでに岐阜県や三重県では、全ての学校が公開されました。愛知県内の状況について、どうなっているか、すでに公開している学校数・年度内に公開予定の学校数それぞれ示してください。

【教委・担当課長】 校則をホームページで公開している学校数は、今月11日の時点で県立高校150校のうち49.3%にあたる74校です。残りの学校も年度内に公開する予定です。

【しもおく奈歩議員】 県立高校については、年度内に全ての学校が公開されます。私立高校も気になり私は、私学振興室に問い合わせて状況を確認したところ、校則が公式ホームページに掲載されている学校は、1校だけということがわかりました。年度内の公開予定は55中20校です。改訂された生徒指導提要は、私立も同じように基準となるものです。公開を求めたいと思います。

 校則見直しの生徒参加について伺います。 学校の校則について、生徒も参加して一緒に考える機会をつくる、子どもの権利条約にもある「意見表明権」の保障が大事だと思います。

 しかし、日本共産党が取り組んだアンケートでは「校則のなかにルールを変える方法が記載されているか」という問いに「書かれていないし、教えられてもいない」と答えた高校生が53%いました。

また、愛知県弁護士会の調査でも校則見直しに関わったことがない74.4%となっていました。実際に、県教育委員会の調査でも、校則改定を明文化している学校は、県立高校150校のうち41校(27.3%)と僅かです。

そこで伺います。多様な生徒の意見をしっかり反映させるために、校則改定の生徒の参加方法をわかりやすく明記する必要があると考えますが、見解を伺います。

 【教委・担当課長】 「生徒指導提要」では、校則は、生徒や保護者等の学校関係者からの意見を聞いた上で見直していくことが望ましいとされております。また、その見直しにあたって、どのような手続きを踏むことになるのか、その過程についても示しておくことが望ましいとされております。

 県教育委員会といたしましては、この方針に沿って対応するよう各県立高校を指導しております。

【しもおく奈歩議員】 私たちが行ったアンケートで「校則を生徒が主体として決められるようにしてほしい」「生徒の意見を取り入れてほしい」という声が寄せられました。ぜひ、全ての学校で校則を変える方法や参加の仕方などわかりやすく明文化するように促進してください。

 愛知県内でも、校則見直しに生徒も参加するなど、学校で努力が始まったところがあると思います。把握しているところがあれば、どんな工夫や努力をしているのか、教えてください。

【教委・担当課長】 今年5月に、県立高校に対して校則の見直しにおける生徒や保護者などの参加状況を確認いたしました。その結果、校則を「昨年度までに見直した」あるいは「現在見直し中」の学校あわせて123校のうち、「生徒の意見を聞いた学校」が67.5%の83校、「保護者の意見を聞いた学校」が53.7%の66校、これらの中で「生徒と保護者の両方に意見を聞いた学校」は45.5%の56校ありました。また、「地域の方に意見を聞いた学校」も17.9%の22校ありました。

 代表的な事例として、足助高校では、昨年度から今年度にかけて、生徒が主体となって校則を考える「ルールメイキングプロジェクト」を実施しております。制服やスマートフォンの取り扱いなど、生徒が問題意識をもった校則について、生徒同士がクラスや委員会での話合いを重ねて校則案を練り上げ、生徒が職員会議でプレゼンテーションを行い、教員と意見交換を行いながら、校則の見直しに取り組んでいます。

 また、一宮工科高校では、生徒や教員にアンケートを実施し、生徒と保護者、教員で意見交換会を行った上で、頭髪の染色や化粧を一定程度認めるといった新しい校則の案をつくり、それを3、4ヶ月程度の期間を区切って試行的に運用しています。試行的な運用の後に、あらためてアンケートや意見交換を行い、新しい校則をブラッシュアップするといった取組を行っております。

【しもおく奈歩議員】 進んだ経験を全ての学校で共有できるようにして、他の学校でも校則見直しの動きを作れるようにすることが必要です。

東京都が、「校則等の自己点検及び見直しの実施について」の通知を出しました。最初に、校則等の点検の視点について、例も示して記載があります。二つ目には、自己点検及び見直しの実施、三つ目は、校則等の周知という項目になっています。東京都が、見直しの視点を踏まえた自己点検の実施と校則見直しに取り組むことをお願いしているものです。通知には、教職員や生徒、保護者が話しあう機会をつくることも工夫を、と求めています。

 そこで伺います。愛知県でも先進的な事例など情報提供していただき、校則見直しを積極的に進めるよう促していただきたいのですがいかがでしょうか。答弁を求めます。

【教委・担当課長】 県教育委員会といたしましては、これまでも生徒指導を担当する教員が集まる会議や研修会において、校則見直しの好事例について情報提供を行ってまいりましたが、今後も新たな好事例を含め、機会をとらえて情報提供をしていくことで、校則の見直しを積極的に進めるよう促してまいります。

【しもおく奈歩議員】 12月6日に、日本共産党が発行するしんぶん赤旗に「30万人に迫る不登校 過剰ストレスで心に傷」という記事が掲載されました。深刻な事態です。不登校の子どもをもつ親などが参加する会の代表の方は「主要なストレス要因は、学力向上という競争圧力と規範意識という同調圧力」と分析されています。「また、子どものストレスを減らすために、学校については少人数学級や正規教員の増員を進め、競争や管理教育から子ども主体のゆとりある教育への改革が必要」と述べています。

 子どもたちの人権が大切にされて、安心して通える学校に。生徒も教職員も過ごしやすい学校へ、豊かな教育が進められることを求めて質問を終わります。

 

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