【しもおく奈歩議員】 愛知県は先月21~27日の期間中、いずれか1日を公立学校の休校日とする「県民の日学校ホリデー」を創設しました。しかし、県民からは少なくない疑問や不満の声が寄せられました。そのことを踏まえ、いくつか質問していきます。
教育委員会のホームページには、「県民の日学校ホリデー」の趣旨が掲載されています。どういう趣旨で学校を休みにしたのでしょうか?まず確認させていただきたいと思います。
【教委・担当課長】 「県民の日学校ホリデー」は、11月27日の「あいち県民の日」の制定を機に、子供たちが、地域の自然や歴史、文化、産業などに関する体験的な学習活動に、家族と一緒に参加することで、地域への愛着と県民としての誇りをもつ契機となるよう、11月21日から27日までの「あいちウィーク」期間中の平日1日を学校休業日とするものでございます。
【しもおく奈歩議員】 学校ホリデーの実施で、その趣旨が実現されたのか、教育委員会はどのように検証し、評価するのか、伺います。
【教委・担当課長】 小中学校については、現在、県内全ての市町村教育委員会を対象に、今年度の「県民の日学校ホリデー」に関する各市町村における取組や成果・課題を調査しているところです。今後、その調査結果を基に、検証を行う予定です。
県立高校と特別支援学校については、1月に各学校に調査を行う予定です。また、今月下旬に、県民文化局において実施する「あいち県民の日」と「あいちウィーク」に関する意識調査の中で、「県民の日学校ホリデー」に関する調査を行いますので、その調査結果を教育委員会において検証してまいります。
【しもおく奈歩議員】 「県民の日学校ホリデー」で何が良かった部分で、改善が必要だった点はどこなのか、今後に向けての課題を知るために、すべての学校を調査して検証していただきたい。
学校ホリデー実施日について、小中学校については47市町村が24日、5市が27日、2市が学校ごととなりました。特別支援学校では24日が25校、27日が4校ですが、県立高校では、21日火曜日が9校、22日水曜が39校、24日が57校、27日が44校とかなりバラバラです。
兄弟姉妹で休みがずれて困った、という声もありました。高校で月曜や火曜を休みにしたところは何か特別な理由があったのでしょうか?実施日の設定については想定通りだったのか、どう評価していますか?
【教委・担当課長】 県立高校と特別支援学校においては、11月21日から27日までの「あいちウィーク」期間中の1日を、各学校が実情に応じて「県民の日学校ホリデー」としております。よって、ある程度分散することは想定しておりました。実施日の設定については、各学校が実情に応じて判断することですので、その日に設定した理由までは把握しておりません。
【しもおく奈歩議員】 ある家庭では、「高校生の長女は22日、小学生の次女は24日休みがズレてる。結局親は休めず、朝も起きなきゃいけない」という声もありました。こういう事態も想定し、考慮すべきだったのではないかと思います。
簡単には休めず、学校ホリデーで困ったという声も聞いています。保育や介護など福祉職場の労働組合が行ったアンケートでは、休校で困っているか?の質問に6割の方が困っている、と答えています。「有休取得、と言われても、三人の子どもの体調不良の時に有休を使う、のでわざわざ有休をとる余裕がない」「障害児を預かってくれるデイサービスは空きが少なく希望通りに預けられない」「すべての保護者が休める環境を整えてから実施してほしい」などの切実な声が届いています。
学校ホリデーにより生じる課題について、教育委員会はどのように把握し、問題解決のために何か対策を講じてきましたか?答弁を求めます。
【教委・担当課長】 「県民の日学校ホリデー」と「ラーケーションの日」の実施にあたっては、今年の2月以降、市町村教育委員会の代表、小中学校の校長会、PTA、教員の代表の方々から意見を伺う「愛知県『休み方改革』プロジェクト意見交換会」を開催し、課題の把握と解決に努めてまいりました。
意見交換会の中では、「保護者が休みを取得できない場合の対応をどうするか」が大きな課題であると指摘されておりましたので、県教育委員会では、関係部局と連携し、子供の居場所づくりに取り組みました。
福祉局を通じて、各市町村に放課後児童クラブの臨時開所を呼びかけましたところ、「県民の日学校ホリデー」当日に、午前中から終日の対応をいただいた施設もございました。
また、各市町村教育委員会においては、所管する月曜休館の図書館、美術館等を臨時開館するだけでなく、有料の科学館、資料館を無料開放したり、「県民の日」にちなんだ特別イベントを開催したりしていただくなど、子供たちの居場所が増えるよう、県全体で、関係局と連携した取組をすることができました。
【しもおく奈歩議員】 学校が休みになることによる、子どもたちと保護者への影響は少なくないのです。一定の対応が対応がとられたことは承知していますが、とくにケア労働など休みにくい職場で働く保護者の声をしっかり受け止めてほしいです。
障害児の対応についても配慮が足りなかったのではないでしょうか。特別支援学校は教育の場であるとともに、専門的ケアのもとで安心して過ごせる居場所です。
一日家で一緒に過ごすこと自体がたいへんなこともあります。仕事を休めず、児童デイサービスなどに預かってもらおうとしても、朝から開所するか否かは事業所ごとの判断に委ねられていました。普段でも空きを探すのもたいへんな状況があり、ほんとに苦労した、との声を聴いています。
保育所や学童保育所には、県からも開所要請があり、それなりの支援もあったと聞いていますが、障害児の居場所についての配慮はなかったのではありませんか?なかなか声をあげづらい子どもたちや保護者の思いに寄り添った対応が特に必要な分野です。
特別支援学校・学級の児童生徒に関して、教員や保護者からの危惧する声を教育委員会はどう把握し、十分な対策を講じたのか? 現時点でふりかえってみてどうだったのか?あわせてお答えください。
【教委・担当課長】 障害のある子供については、「県民の日学校ホリデー」に、保護者が仕事を休めない場合の子供の受け入れ先として、放課後等デイサービスの利用を想定しておりました。実際の状況については、1月に行う調査を通して、把握してまいります。
【しもおく奈歩議員】 特別な支援が必要な子どもたちと保護者には、特にきめ細かいていねいな対応が必要です。障害児への配慮は不十分だったのではありませんか?再度うかがいます。
【教委・担当課長】 県としての要請はしておらず、保護者にお願いをしておりました。(配慮が足りなかったということ)は、1月の調査で把握していきます。
【しもおく奈歩議員】 県民の日学校ホリデーに関するアンケートには、たくさんの切実な声が寄せられました。突然の休校で困っているやどちらかといえば困っている方が6割もいました。SNS上でも、「子どもは休みだけど、親は仕事」という声がいくつもありました。何のための休みだったのでしょうか。
部局が連携して、今回寄せられた声と合わせて、アンケートで県民の声を丁寧に聞き取り、実態を把握したうえで、休みの設定についてはそれらの声を反映し、さらに検討していただくことを要望し、質問を終わります。