しもおく奈歩議員は、県民及び団体から県議会に提出されている請願の多くに、紹介議員となっています。「学校給食無償化補助金の創設を求める」請願に対しては、付議された教育スポーツ委員会に置いて、賛成討論を行いました。愛知県保険医協会から提出された「現行の健康保険証の存続を求める意見書の提出を求める」請願について、本会議の討論を要求しました。
10月17日に開かれた議会運営委員会で、しもおく奈歩議員の請願に対する本会議討論の取り扱いが議題になりました。議運を構成する各会派議員から「議題になっている請願(「現行の健康保険証の存続を求める意見書の提出を求める」)は、「会派、議員間で意見が二分されているような場合」に当たらないので、本会議討論は認めない」との意見が出され、本会議討論が認められませんでした。
請願に対する討論を認めない県議会は、ごくごく少数
請願権は、憲法に保障された基本的人権のひとつで、請願法5条は「この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。」とされており、大切な権利です。
この間、1人会派議員の本会議一般質問の調査と合わせて、日本共産党愛知県議員団は、「本会議で請願に対する討論」も調査しました。請願への討論が不可の議会は、愛知の他に、茨城、大阪、熊本、東京、埼玉の6議会のみ、41議会(87%)が「本議会で討論できる」となっています。愛知県議会は、議員の質問権への不当な制限だけではなく、県民の請願権も十分保障していません。
しもおく奈歩議員が通告した本会議討論案 「現行の健康保険証の存続を求める意見書採択を」
今議会に提出された、2件の請願 請願番号第18号と第19号の「『現行の健康保険証の存続を求める意見書』の提出を求める」について、の請願に賛成の立場から討論を行います。
政府は、健康保険証の廃止などを定めた改定マイナンバー法を6月2日、成立させ来年秋の保険証廃止に向けて準備を進めています。しかし、2024年秋に健康保険証を廃止しマイナンバーカードに一体化する政府方針について、撤回や延期を求める声が各種世論調査で7割を超えています。
マイナ保険証をめぐって、医療現場で様々なトラブルが続出しています。愛知県保険医協会がアンケートを行いました。その調査で、資格確認に関するトラブルが「あった」と回答した医療機関が69.6%に上りました。トラブルの内容は「資格無効・該当者なし」と表示されるなど、保険情報が正しく反映されていなかったという回答が71.3%で最多となっています。なかには、「他人の情報に紐づけられていた」という回答もあり、患者さんの命に直結する問題で事態は深刻です。
また、資格確認のトラブルにより、「保険資格が確認できないために、患者に一旦10割負担してもらった」という事例も起こっていると、65件回答が寄せられています。こうしてトラブルが起こることによって、医療機関に大きな事務負担がかかるだけでなく、本来であれば資格がある患者さんが保険をつかうことができず、一旦全額負担をすることにも繋がっています。
アンケートには、医療機関から寄せられた声に「医療機関に負担を強いるのはおかしい」「金額的にも精神的にも大変」「オンライン資格確認についての患者からの疑問や不満等へ対応することで人員を省かれてしまう」「高齢者だと、カードリーダーの取り扱いができず、右往左往することがあり、事務がかかりっきりになり受付が込み合う」など、現場が混乱している事態となっているのがよくわかります。
さらに、全国保険医団体連合会が行った、「高齢者施設への影響調査」の結果から、9割が「マイナカード管理できない」という回答が示されています。「マイナカードと暗証番号で自身のマイナポータルにアクセスされるのではないか等の不安から、本人や家族の同意が得られない」「利用者・入所者の健康保険証を管理してきた介護・高齢者福祉関係者にとって多大な負担となり、無用な混乱・トラブルをまねきかねない」と、懸念の声が寄せられています。
これらの問題を解決する一番の道は、現行の保険証を存続させることです。日本が60年培ってきた国民皆保険制度は、住んでいるところや、収入に差があっても等しく医療が受けられるようにするものです。それをマイナ保険証が崩壊させるなどあってはなりません。
安心して医療を受けることができる、命と健康を守るために、「『現行の健康保険証の存続を求める意見書』の提出を求める」請願に賛成であることを表明します。