議会報告

2023年12月議会 教育スポーツ委員会 議案質疑                             市民の声をきき豊橋新アリーナ建設は見直せ

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【しもおく奈歩議員】 第118号議案    令和5年度愛知県一般会計補正予算(第5号)のうち、豊橋市新アリーナの整備に向けた事業者公募・選定等への支援について質問していきます。

豊橋新アリーナをめぐっては市民の間で賛否が分かれています。住民投票を求める直接請求が、一度は議会で否決されましたが再度、1万8千筆と前回をうわまわる署名を集めて提出されました。

アリーナ本体だけでなく野球場移転、豊橋公園のあり方についても議論が続いています。市民に十分な説明したうえで、市民合意を経た計画でなければ、県として補助すべきではないと思います。

 二度目の直接請求署名が前回以上に集まるなど、市民の間には計画への大きな危惧と不安があることをどう受け止めていますか? 計画への市民合意は十分に得られた、と考えているのでしょうか?見解を伺います。

【スポーツ局・担当課長】 豊橋市において、住民投票条例の制定に向けた直接請求の動きがあり、豊橋市が計画している豊橋市新アリーナを始めとした豊橋公園の整備や野球場の移転などについて、様々な意見があることは承知している。

これに対し、豊橋市は、「適正に対応していく。引き続き丁寧な説明を心がけていく」としている。市が、市民の理解を得ながら進められるものと認識している。

【しもおく奈歩議員】 県の補助は、東三河地域のスポーツ振興及び地域振興につながるアリーナとなるように整備の方向性の策定・決定まで、愛知国際アリーナの経験を踏まえた助言を行い、支援する、ということだったと思います。ところが先日の本会議では、施設建設にとどまらず「積極的に支援をしていく」との局長答弁がありました。

そこで伺います。補助は今回で一区切りではなかったのでしょうか?そして地域振興につながる課題として、中心市街地の活性化なども例示されていたが、スポーツ局として、そういう豊橋市の課題にまで支援できるのか?スポーツ局、愛知国際アリーナ課の所管を超えるのではないでしょうか?答弁を求めます。

【スポーツ局・担当課長】 2022 年5月に豊橋市新アリーナへの支援について表明した時点で、事業者公募・選定に係る費用に対する補助金についても支援を検討することとした。その後、豊橋市を始め東三河8市町村長などから、更なる支援についての要望もいただいた。

豊橋市新アリーナは、東三河地域のスポーツ振興、地域振興に資することから、事業者公募・選定に係る費用についても補助することが適切と考え、今議会に補正予算案を提案した。

今後、豊橋市は、アリーナを核としたまちづくりに取り組んでいくと伺っているが、本県としても、スポーツ局だけでなく庁内関係局と連携し、豊橋市の取組を支援していく考えである。

【しもおく奈歩議員】 補助は今回までで一区切りでいいですか?

【スポーツ局・担当課長】現時点においては、事業者公募・選定までの財政支援としている。

【しもおく奈歩議員】 豊橋市のアリーナがいつのまにか東三河のアリーナ、県の事業に準じた扱いになりつつあると感じました。いままで以上に県が関与を強めることになってしまいます。

本会議でここまで踏み込んで答弁があった以上、もう「豊橋市の問題だから」という答弁は通用しません。そのうえで、県と市のアリーナの比較、愛知国際アリーナの経験を踏まえた助言が有効かどうか、うかがっていきます。

6月議会では、県市連絡会議が2022年7月以降4回開催された、と答弁がありました。まず6月以降、今回の事業者公募・選定のために、連絡会議がどう開かれ、どんな相談があり、県はどんな助言を行ったのか、県の助言で市の方針が修正されたところはあるのか?お示しください。

【スポーツ局・担当課長】 2023 年6月以降の県市連絡会議については、8月及び10 月に開催するとともに、12 月にも開催を予定している。

会議では、主に、事業者選定スケジュールやユニバーサルデザイン・バリアフリーへの対応などの進め方について、豊橋市から相談があり、県の愛知国際アリーナ事業における実務的な対応をもとに、適宜、県のノウハウや経験等について情報提供を行っている。

この県市連絡会議は、市からの相談に対し、県が持つノウハウを共有し、連携を図るものであるため、豊橋市が主体的に示す方針について、県から修正等の助言をしたことはない。

【しもおく奈歩議員】 建設費についてうかがいます。2025春完成予定の愛知国際アリーナは、建設費が約400億円 延床面積6万3千㎡、㎡単価は63万円ときいています。

一方、豊橋新アリーナは2年遅れて2027年度中の完成予定ですが、建設費は約150億円 延床面積2万㎡ と愛知国際アリーナの約3分の1の規模ですが、㎡単価は75万円、愛知国際アリーナより12万円、2割増しになっています。

最近の物価上昇、労務単価の上昇はあるとしても、県に比べて豊橋の単価が高すぎませんか? 適正な建設単価と確認できたのですか? 物価高騰が理由だとすれば、逆に愛知国際アリーナは以前に示されたこの単価のままでいけるのでしょうか? それぞれの事業契約(豊橋は案)では、事業者と発注者でのリスク分担、物価変動条項はどうなっているのか?あわせてうかがいます。

【スポーツ局・担当課長】 豊橋市新アリーナの平米単価は、事業者公募にあたり、昨今の物価上昇等を踏まえて設定したと聞いている。

愛知国際アリーナの平米単価63 万円は、事業者が入札に際し提案した建設費を面積で割り戻した単価であり、これに問題があるということはない。昨今の物価上昇への対応については、契約書に基づき、適切に対応する。

物価変動条項は、本県及び豊橋市ともに、契約書において、賃金水準又は物価水準の変動により、設計・建設費が不適当となったと発注者・事業者それぞれが認めた時は、設計・建設費の変更を請求することができる旨を規定している。

その他、主要な工事材料の価格に著しい変動を生じた場合や、急激なインフレーション又はデフレーションを生じた場合においても同様に、発注者・事業者ともに設計・建設費の変更を請求することができる旨を規定している。

【しもおく奈歩議員】 いまの時期に、いまの場所に建設する必要があるのか、財政面からも冷静に検討すべきだと指摘しておきます。

 さて、どちらもPFI事業として進められていますが、中身は相当ちがいます。愛知国際アリーナは、BTコンセッション方式ですが、豊橋では、BTコンセッション方式混合型となっています。

 30年間の維持管理や運営費について、民間事業者の創意工夫を活かし、利用料金収入などでまかなうことを基本とする点は共通しています。

では設計・建設費はどうか。県のアリーナでは建設・設計費は約400億円ですが、県はサービス購入料として約200億円だけ支払います。残りの200億円は「運営権対価」として事業者が負担する契約です。つまり事業者は200億円で30年間、この施設を利用して事業を行う権利を県から購入したというわけです。民間事業者の力で十分に運営でき、行政の負担も少なくて済む、という形にはなっています。

豊橋の新アリーナはどうか。設計・建設費は約150億円ですが、豊橋市が支払うサービス購入料は公園施設の維持管理もふくめて230億円。建設費よりうんと多く支払います。なぜか。新アリーナだけに着目して見ると、維持管理や運営費が事業者だけではまかなえず、行政がその一部を負担するというのです。事業者に稼いでもらいその費用で施設を運営するのがコンセッション方式ですが、それに行政負担をプラスするのが混合型です。そのためなのか、事業者には、アリーナだけでなく公園もふくめて指定管理者にして行政の負担を合理化しようとしているように見えます。

 県の新アリーナの30年間の運営権対価は200億円ですが、豊橋ではこの運営権対価は「ゼロ円、以上」となっています。つまり事業者は、30年間、公共施設の運営管理とそこを使った事業展開を行う権利をタダで購入でき、しかも事実上、赤字分は行政が負担してくれる契約条件のように見えます。

 愛知国際アリーナの経験を踏まえて助言したと言いますが、いまの豊橋市の提案では、行政負担は県のようには減りません。愛知国際アリーナと比べて、なぜこんなに違うのですか?

【スポーツ局・担当課長】 愛知国際アリーナと豊橋市新アリーナは同じBTコンセッション方式として、事業者の積極的な投資を引き出し、建物の性能や住民サービスなど、事業効果を高めることを目指している点で共通している。

豊橋市新アリーナは弓道場など、観客席を設置しない市民スポーツの振興に寄与するスペースを多く確保するなど、愛知国際アリーナとは施設の規模・機能、想定される利用状況等で違いがあるため、収支状況を前提とした行政負担は、愛知国際アリーナと異なるものと認識している。

【しもおく奈歩議員】 アリーナは大規模災害が発生した時には地域の防災拠点機能を果たすことが期待されています。

災害時にアリーナや公園を行政が使用することになった時には、運営事業者が予定していた事業が行えなくなります。その場合は行政がその損失分を保障することになるのではありませんか?愛知国際アリーナでは災害時の対応はどういう取り決めになっているか?あわせてうかがいます。

【スポーツ局・担当課長】 愛知国際アリーナにおいて、災害に伴う対応が必要となり、要求水準書等で求める維持管理・運営業務の全部又は一部を行うことができなくなった場合には、その損失分について、事業者と協議のうえ、対応を決定することとしている。 豊橋市においても、同様の考え方だと聞いている。

【しもおく奈歩議員】 災害時に、公共施設で公共的機能を果たすために、民間事業者にお願いして使わせてもらう、補償もしなければならないことも想定される。とくに防災拠点の役割が強調される豊橋では、いまのやり方は問題が多いと指摘しておきます。

最後に、どちらもプロバスケットボール、B1リーグのホームスタジアムとなる予定ですが、愛知国際アリーナでは年間約30試合とききました。豊橋は何試合の予定でしょうか? 

豊橋のチームは浜松市もホームなので試合数は少なくなるのでは?と思います。しかもチームは残念ながらリーグ転落の危機にあり、経営も厳しい、とも報じられました。B1リーグのプロバスケチームをあてにしていた状況が変わってきたのではないでしょうか?プロスポーツの位置づけも愛知国際アリーナとはかなり状況が違のではありませんか?この点についての見解を伺います。

【スポーツ局・担当課長】 B1リーグ2023-24 シーズンは年間60 試合開催され、そのうち、豊橋市総合体育館は24 試合、浜松アリーナは6試合開催される予定。

豊橋市は、豊橋市新アリーナの運営において、Bリーグの試合も見込んでいるが、Bリーグも含め、どのようなイベントを開催するかについては、愛知国際アリーナと同様で、事業者の提案によるものであると認識している。

 愛知県が、アリーナ建設の先輩として豊橋市に助言すると言いますが、豊橋の新アリーナ構想には、愛知国際アリーナとは違ういくつもの問題があるのです。

 冒頭で紹介したように、豊橋の新アリーナ建設の住民投票を求める署名が前回をうわまわる規模で集まりました。私も、街頭でシートアンケートを行い市民の声を聞いてきました。

その中で、「新アリーナ建設反対」の声が多数寄せられました。「近隣市にアリーナがあるから必要ない」「市民の負担になるからいらない」といった声もありました。

 建設ありきで進めるのではなく、市民の声をききアリーナ建設は見直すよう求めるべきと言うことを申し上げ、議案質疑を終わります。

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