議会報告

2023年12月定例議会 教育スポーツ委員会「議案質疑」               給付奨学金の拡充で、平等に学ぶ権利の保障を

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【しもおく奈歩議員】第141号議案 訴えの提起について(奨学金貸付金返還請求事件)について質問していきます。

 私たち日本共産党は、給付奨学金の拡充・返済支援を繰り返し求めてきています。格差と貧困は、歯止めがかからず、ますます若者が置かれた状況は深刻な事態となっています。県には、丁寧で慎重な対応が求められます。訴訟は、返済に苦しんでいる人にますます不安を与えてしまうものです。

まず、お伺いします。議案では39人が提訴の対象ですが、事案の件数としては何件になりますか?請求する金額の総額と一件当たりの平均は?いくらですか?答弁を求めます。

【教委・担当課長】 今回の提訴における返還請求件数は、22件でございます。また、返還請求金額の総額は、13,260,185円で、平均金額は、602,736円でございます。

【しもおく奈歩議員】 22件、総額 132万円の返還が滞っているので裁判に訴えるということですが、裁判に訴えることで全額を返還できるのでしょうか?

そこで、これまで裁判に訴えて返還された実績についてうかがいます。昨年2022年度は7月52人、12月32人を起訴していますが、それぞれ、請求額と提訴後回収額、その割合をお示しください。

【教委・担当課長】 2022年7月の返還請求金額は、19,558,300円、提訴後の回収額は、2,548,500円、回収率は、13.0%でございます。同年12月の返還請求金額は、9,808,950円、提訴後の回収額は、468,000円、回収率は、4.8%でございます。

【しもおく奈歩議員】7月分は13%、12月分は4.7%の回収にとどまっています。提訴したからと言って回収が劇的に進むわけではありません。数年来、訴訟対象者は20人から50人ぐらいですが、回収状況は同じような状態が続いているのですか?

【教委・担当課長】 判決後の返還については、全額を一括返還することが難しい場合には、分割による返還を認めております。多くの者が、分割して返還をしており、直ちに返還率が上がることはありませんが、着実に返還されており、返還率は徐々に上がっております。

【しもおく奈歩議員】裁判に訴えたからといって問題は解決しません。裁判に訴える前の段階で、返還に苦しむ若者は少なくないのではないか、と危惧します。そこでうかがいますが、貸与した奨学金の返還状況はいかがですか?

【教委・担当課長】 直近5年間でみますと、その年に、新たに発生した債権の約8割が返還されております。一方、その年に、新たに発生した債権と暦年で積み上がってきた債権(いわゆる滞納額)を合計した場合は、その返還率が約5割となります。

【しもおく奈歩議員】  奨学金の返還はなかなか困難な状況にあります。

いまや滞納者を裁判に訴えることよりも、抜本的な解決策を考える時だと思います。借りたら返さなければならない、借金のようになっていることは問題ですが、経済的に困っている家庭にとって、高校生向けの奨学金は大きな役割を果たしていると思います。

貸与実績の推移をお示しください。また、利用する方は増えているのか、減っているのか、その理由についてどう考えているのか?についてもうかがいます。

【教委・担当課長】 提訴することにより、民法の債権の消滅時効がいったん停止し、勝訴判決を受けた場合は、その債権の消滅時効がリセットされ、新たに開始されることから、債権回収を進めるうえで、提訴には一定の意義があると考えております。

貸与実績の推移については、過去5年間で、貸与額、貸与人数ともに減少傾向となっております。貸与額は、2018年度は、646,027千円、2022年度は、375,556千円でございます。貸与人数は、2018年度は、2,071人、2022年度は、1,194人でございます。2023年度は、現時点では確定しておりませんが、前年と同程度で推移しております。

 減少している理由については、就学支援金による授業料の実質無償化や低所得世帯を対象とする奨学給付金の導入が影響したものと推測しております。

【しもおく奈歩議員】奨学給付金制度=高校授業料の実質無料化が進み、低所得世帯向けの給付型の奨学金も始まりました。それでも奨学金が必要な世帯が少なくないのです。

9月議会で、エアコン代の保護者負担が高校3年間で約3万円にもなると指摘しましたが、制服代や通学費など、いまだに高校生に多くの負担があります。この負担を軽減することが必要です。加えて大学の学費は依然として高く、大学生の約半分が利用している奨学金は卒業時の返還額が数百万円になり、働く若者には非正規と低賃金で、奨学金を返すの苦労している厳しい現実があります。

先日は本会議で大村知事も、奨学金返還支援制度の必要性に言及しました。若者に重くのしかかる奨学金返還の負担軽減こそ、いま必要になっているのです。

いまの制度では返還が免除されるケースは、本人が重い障害を負った場合などに限られ、低所得者にも免除はなく、返還が猶予されるだけです。

奨学金返還の減免措置を拡大し、知事の答弁も受けて、奨学金返還の負担を軽減するもしくはおもいきって給付型の奨学金を拡充する考えはありませんか?答弁を求めます。

【教委・担当課長】 現在の高等学校等奨学金は、国の交付金を原資として運営しており、過去に貸し付けた奨学金の返還金が次の世代の貸付の原資となっております。

仮に、奨学金制度を「貸付型」から「給付型」に変更した場合、原資がやがて枯渇してしまい、制度が維持できなくなりますので、「給付型」にすることは、困難であると考えております。

なお、非課税世帯及び生活保護世帯に対しては、「奨学給付金」を支給しております。給付型については、奨学給付金が支給されておりますので、そちらをご活用ください。

【しもおく奈歩議員】子どもたちの学びに、返済を求める借金になってしまう奨学金の仕組みは問題です。経済格差が学びの格差になってはいけません。平等に学ぶ権利が保障されています。

中学を卒業したら多くの場合、高等学校に進学します。その学びは、いずれ広く社会に還元されるものとなっています。そうした現状を踏まえ、高等学校教育に係る費用負担について、これまでの家庭による負担から社会全体で負担するよう政策へと転換することが必要です。引き続き、給付奨学金の拡充の実現、教育費の負担軽減を求めて議案への質疑を終わります。

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