議会報告

補正予算案(1)・特別職給与改定・豊橋アリーナなど反対討論  2023年12月議会

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日本共産党しもおく奈歩です。

 ただいま議題となっています。諸議案のうち、第118号議案 令和5年度愛知県一般会計補正予算(第5号)、及び第129号議案愛知県教育委員会教育長給与条例等の一部改正について第133号議案愛知県都市公園条例の一部改正について第139号議案名古屋高速道路公社が新設し、又は改築する指定都市高速道路の整備計画の変更について第141号議案訴えの提起(奨学金貸付金返還請求事件)について、以上5つの議案について反対の立場から討論します。

市民合意のない新アリーナ建設は、立ち止まるべき

まず、第118号議案のうち、豊橋市新アリーナの整備に向けた事業者公募・選定等への支援についてです。

県は、豊橋の新アリーナでにぎわいをつくり、東三河地域のスポーツ振興及び地域振興を促進すると位置づけ、愛知国際アリーナの経験を踏まえた助言を行い、支援するとしています。

しかし、2つのアリーナには大きく違いがあることがわかりました。愛知県の国際アリーナは、民間事業者の力で十分運営でき行政の負担も少なくて済むからと(PFI)BTコンセッション方式を採用しました。ところが豊橋の新アリーナは、維持管理や運営費を民間事業者だけではまかなえず、行政がその一部を負担し続けるということになっています。

最大の問題は、市民合意が得られていないということです。豊橋市の新アリーナ建設について、市民から交通渋滞や樹木の伐採、野球場の移転先など、様々な疑問の声が寄せられています。そういった中で、再び住民投票を求める署名運動が行われ、昨年の17293筆を上回る18732筆が集まりました。これは、市民説明会も開かず強引に進める市の姿勢に疑問や不信の声が沸き上がり、批判の声が反映されたものだと思います。

市民合意のない新アリーナ建設は、立ち止まるべきです。市民に丁寧に説明したうえで、市民合意を経た計画でなければ、県として補助すべきではありません。

豊橋市新アリーナは、東三河地域のスポーツ振興、地域振興に役立つと委員会の答弁でありました。しかし、東三河の地域振興はアリーナ頼みではなく、県としてしっかりと支援して取り組んでいってほしい大事な課題であることも指摘しておきます。

次に、第129号議案についてです。

この議案は、知事をはじめとした特別職の職員の期末手当の支給割合を、今年6月支給分まで遡及して、0.1か月引き上げ、年間3.3か月から3.4か月にするものです。

これにより、愛知県知事の期末手当は、21万4千円増えて、年間で727万7千円になります。

いま県民生活は激しい物価高騰で深刻な打撃を受けており、無為無策な政治への怒りの声が広がっています。愛知の最低賃金は41円引き上げられたものの時給1027円にとどまっています。物価上昇に賃上げが追いついていません。愛知県政には、中小企業への手厚い支援と最低賃金の引き上げなど、物価高騰から県民の生活と営業を守ることが強く求められています。

県民生活が厳しい時に特別職の期末手当はどうしてきたでしょうか。愛知県では、コロナ禍の2020年に特別職の期末手当の一部を削減したこともありました。いまの物価高騰はコロナ禍にも匹敵するような県民生活の危機です。このような状況のもとで、特別職の手当てを一般職に準じて機械的に引き上げることは認められません。

第133号議案についてです。

 この議案は、愛知県都市公園条例の一部改正を行い、ジブリパークのある愛・地球博記念公園内に整備中の「魔女の谷のみえる展望台」について、使用料を利用者が多いとされる土日休日などに中学生以上から150円を徴収するというものです。

 2024年3月に開園するジブリパークの新エリア「魔女の谷」を上から眺められ、休日に入手しにくいジブリパークの予約チケットがなくても公園に来た人が楽しめるようにする、ということです。

 しかし、土日休日は無料で楽しめるわけではありません。中学生以上が1回150円と有料にするのは、監視員を配置する人件費、樹木の剪定、点検が必要なためとしています。それらの年間の支出見込みは、約640万円です。中学生以上から使用料を徴収しなくても、愛知県として十分負担できる額ではありませんか。

安全管理は県の責任で万全を期すのが当然です。中学生からも使用料金を徴収する条例改正には賛成できません。

リニア開業を前提とし、県民負担増の名古屋高速の整備に反対

 次に、第139号議案についてです。

 この議案は、名古屋高速道路の整備計画のうち新洲崎ジャンクションに新たな出入り口を設ける事業について、2点の変更の承認を求めるものです。変更点の第一は、事業費が当初示した428億円からなんと1098億円に、2.56倍、約670億円もふくれあがります。第二に、事業期間も4年延長して、完成予定を2031年度に変更する、というものです。

事業費増額の最大の要因は、実施設計段階での耐震診断の結果、地震時の安全のためには大幅な構造変更が必要になったことです。

どうしてこのような大幅なズレが生じたのか。

もともとこの計画は、リニア開業に向け、都心環状線の渋滞解消、名古屋駅へのアクセス向上を図るためのものでした。ところが、JR東海は12月14日に静岡工区の着工のめどが立たないことを理由に、工事完了予定時期を「2027年」から「2027年以降」へと正式に変更しました。いつ開業できるのか、見通しが示せない状態です。リニア開業という整備計画の前提が揺らいでいます。リニア開業に間に合わせるために急いで基本計画を作ったことが、大幅な事業費のズレにつながったのではないか、との指摘もあります。

名古屋高速道路の整備は、新洲崎に加え、丸田(まるた)(まち)ジャンクションと栄や黄金(こがね)出入口の整備も計画されています。いずれも現在の計画よりもさらに費用が膨らむことが懸念されます。そのツケが高速道路利用料金として、長期にわたる利用者の負担にもつながりかねません。

リニア開業を前提とし、県民の負担増になりかねない、名古屋高速の整備計画変更は認められません。

高等学校等奨学金貸付金の拡充や返済支援を

 最後に、第141号議案についてです。この議案は、愛知県から貸与を受けた高等学校等奨学金貸付金の返還を延滞している方に、貸付金の返還金の支払いを求めるものです。

 私たち日本共産党は、給付奨学金の拡充・返済支援を繰り返し求めてきています。格差と貧困は、歯止めがかからず、若者が置かれた状況はますます深刻な事態となっています。県には、丁寧で慎重な対応が求められます。訴訟は、返済に苦しんでいる人にさらに不安を与えてしまうものです。

 委員会での議案質疑の中で、昨年の請求額と提訴後回収額の割合を示していただき、7月分は13%、12月分は4.8%と提訴したからといって劇的に回収が進むわけじゃないことが明らかになりました。

また、修学支援金制度=高校授業料の実質無料化が進み、低所得世帯向けの奨学給付金も始まったことで、貸与実績の推移をみるとこの5年で約半年減している実態もわかりました。しかし、それでも奨学金が必要な世帯が少なくないのです。

 今、高校生が置かれている状況は深刻です。「親が非正規雇用で収入が少なく、高校生の子どもがバイトをしている」「父親が病気になり、無職で子どもがバイトをしているがきつい」など、実態を伺いました。

 子どもたちの学びに、返済を求める借金になってしまう奨学金の仕組みは問題です。経済格差が学びの格差になってはいけません。

今議会では本会議で大村知事も、学生時代に奨学金を受給している若者も多く、「4割が奨学金返還を負担に感じている」調査結果もしめして、「中小企業が奨学金返還の支援を行う場合、一定部分を県が補助する仕組みの創設」について言及しました。若者に重くのしかかる奨学金返還の負担軽減こそ、いま必要になっているのです。返済支援や給付制度など改善も行われず、若者たちを訴えることに賛成出来ません。

中学を卒業したら多くの場合、高等学校に進学します。その学びは、いずれ広く社会に還元されるものとなっています。そうした現状を踏まえ、高等学校教育に係る費用負担について、これまでの家庭による負担から社会全体で負担する政策へ転換することが必要です。愛知県として、子どもたちの学ぶ権利が平等に保障されるようご尽力いただくことを求めます。

以上で5つの議案についての討論を終わります。

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