2023年12月定例議会 補正補正予算案に反対 12月20日
議案質疑
【しもおく奈歩議員】 ただいま議題となっております第166号議案、令和5年度愛知県一般会計補正予算(第6号)について、うかがいます。
今回の追加補正予算は、二つの性格を持っています。一つは物価高騰対策です。もう一つは、景気対策とされる国の補正予算関連の具体化です。その中で最も大きな金額が計上されているのが道路事業です。道路事業費として、118億9900万円、債務負担行為93億5900万円円が計上されています。また、すべてが道路事業ではありませんが、直轄事業負担金29億3536万9千円も計上されています。
道路事業のなかでは、西知多道路が最大の事業となっています。そこで、西知多道路事業費が、それぞれにどのように計上されているか、おたずねします。また、令和5年度当初予算(現計予算)で西知多道路につけられている予算額、国土交通省施工区間を含めた西知多道路の総事業費についてもお答えください。
さらに、西知多道路建設の主な目的についてもお尋ねします。また、資材や土砂などの工事運搬作業などによる騒音、粉塵などへの苦情が届いています。施工時の環境保全対策をいかに実施しているか、答弁を求めます。
【建設局長】 西知多道路についてお尋ねのうち、まず、今回の補正予算については、58億4,740万円であり、このうち直轄事業負担金として1億6,400万円を計上しております。また、これとは別に、債務負担行為として73億1,200万円を設定しております。
次に、令和5年度当初予算につきましては、直轄事業負担金を含めて、68億4,540万円を計上しております。
また、国施行区間を含めた事業中区間の総事業費につきましては、約1,900億円であり、このほか、愛知県道路公社による有料道路事業費として222億円があります。
次に、建設の主な目的です。知多半島道路と一体となってダブルネットワークを形成することにより、中部国際空港へのアクセス向上や国土強靱化に加え、物流の効率化による国際競争力の強化を図ることであります。
最後に、施工時の環境保全対策につきましては、環境影響評価書において必要な環境保全措置を定めております。この評価書に基づき、低公害型の建設機械の使用や散水により、騒音、振動、粉じんの低減に努めるほか、濁水の適切な処理を行うなど、環境に配慮しながら施工を進めております。引き続き、沿線の皆様へ丁寧な説明を行い、ご理解を頂きながら、事業を進めてまいります。
【しもおく奈歩議員】 御答弁いただきました。 西知多道路に多額の予算が計上されています。でもいまこの道路を本当に急いで作る必要があるのでしょうか。
西知多道路のような広域道路ネットワークではなく、地域コミュニティーバスや過疎・山間地の交通対策、歩道や自転車道整備など、地域のきめ細かい交通網・生活道路の整備に力を尽くしていただくことを要望して、質疑を終わります。
本会議 補正予算についての討論
【しもおく奈歩議員】 日本共産党、下奥奈歩です。議題となっております第166号議案、令和5年度愛知県一般会計補正予算第6号について、反対の立場から討論を行います。
まず、今回の補正予算案のうち「原油対策・物価高騰対策関連予算」は、学校給食費の補助を一人一食60円から100円に引き上げることなど、幅広い分野にわたって物価高騰対策を中心とした事業となっており、評価したいと思います。事業は今年度末までとなっておりますが、現状では、その後も対策が求められることが予想されます。引き続き、来年度予算においても、物価高騰から県民生活を守るための事業を積極的に展開されることを要望しておきます。
もう一つの、「国の補正予算関連事業費」では、西知多道路事業費について、直轄事業負担金と債務負担行為などで約132億円が計上されています。これは当初予算(約68億円)の約2倍になるものです。この予算計上が、私が予算案に賛成できない最大の理由です。
西知多道路は、総事業費約1900億円、国と県により進められている大きな事業です。先ほどの質疑で建設局長は、西知多道路建設の主な目的は、「ダブルネットワーク化による空港アクセスの向上」と「国道強靭化」のためとの答弁がありました。
一方で、7月と11月に愛知県が行った「国への要請」では、「 西知多道路は、国際拠点空港である中部国際空港と高速自動車国道を直結し、リニア中央新幹線の名古屋駅とも繋がる重要な道路。中部国際空港の第二滑走路の供用を見据え、2027年度までに整備するため、事業中区間の整備を推進し、未事業化区間の早期事業化を図るとともに、南部区間の整備加速に必要となる予算の確保を行うこと。」としています。
道路の目的として、西知多道路のパンフレットでは、いの一番に「慢性的な混雑の緩和」が掲げてありますが、先ほどの答弁にはありませんでした。
すでに、中部国際空港開港時点において、知多横断道路の新設、知多半島道路と国道155号線の4車線化は完了し、空港への交通ネットワークは飛躍的に改善されています。朝夕の混雑も、コロナ禍や働き方改革でテレワークなど労働環境が大きく変わり、緩和されつつあると思われます。
西知多道路の最大の目的は、名古屋高速道路の新洲崎ジャンクション整備計画ともリンクして、中部国際空港とリニアの名古屋駅を高速でつなぐことですが、リニアの開業もいまは見通すことはできません。
西知多道路の建設は、不要不急の大型公共事業にほかならず、この事業に当初予算の約二倍もの補正予算を充当することに賛成できません。
またこの補正予算には、国直轄事業の負担金として、設楽ダム事業費も約4億8000万円計上されています。不要不急で環境破壊を伴う設楽ダム建設の推進にも賛成できません。
以上、二点、反対の理由を申し上げました。不要不急の大型事業よりも物価高騰対策にこそもっと力を入れていただくよう申し上げて討論を終わります。