議会報告

画期的な女性支援法の施策の周知と受け入れ態勢の強化を    2026年8月議会 決算特別委員会

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【しもおく奈歩議員】 生活困窮、DV被害、社会的孤立、性的搾取などで苦しむ女性たちを包括的に支援する、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が施行され2年が経過しました。 まず、女性支援法第一条の目的について、どのように書かれているのかお答えください。

【地域福祉課担当課長】 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律、いわゆる女性支援法第一条には、「この法律は、女性が日常生活又は社会生活を営むに当たり、女性であることにより様々な困難な問題に直面することが多いことに鑑み、困難な問題を抱える女性の福祉の増進を図るため、困難な問題を抱える女性への支援に関する必要な事項を定めることにより、困難な問題を抱える女性への支援のための施策を推進し、もって人権が尊重され、及び女性が安心して、かつ、自立して暮らせる社会の実現に寄与することを目的とする。」と規定されています。

【しもおく奈歩議員】  目的・基本理念に「女性の福祉」「人権尊重や擁護」「男女平等」を明記された画期的な法律です。その法律に基づいて、愛知県困難な問題を抱える女性支援及びDV防止基本計画が策定され、基本的な視点の中に「人権の擁護を図るとともに、男女平等の実現に資すること」と位置づけられ、様々な取り組みが行われていると思います。 まず、2025年度の面談、電話それぞれの相談件数と寄せられた相談の特徴についてお示しください。

【地域福祉課担当課長】 2025年度の女性相談支援センター及び県福祉事務所駐在室の相談実績は、面接相談670件、電話相談10,323件の合計10,993件です。相談の特徴ですが、面接相談では「人間関係」が603件で90.0%を占めており、その内DV相談が447件であり、夫等の暴力に関する相談が多い状況です。

 また、電話相談については、同じく「人間関係」が7,877件で76.3%を占めておりますが、その内DV相談は892件であり、面接相談に比べて、より幅広な夫婦間、親族、子ども、その他の人間関係における相談が多い状況です。この他、電話相談では精神面の悩みなどの「心身の問題」も2,051件で19.9%を占めております。

【しもおく奈歩議員】 電話では夫婦間の他、幅広い人間関係の悩みについて、面談ではより深刻なDV相談に応じていることがわかりました。このような相談窓口があることで、重篤な事態を回避することにも繋がっていると思います。

 しかしながら、2023年度の県政世論調査では、「愛知県女性相談センターやその駐在室で、女性の抱える悩みごとや心配ごとなどの相談を受け付けていること」「性犯罪・性暴力被害に関する相談窓口(性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター)があること」を知っていると答えた人の割合はいずれも1割程度となっていました。

 そこで伺います。県政世論調査の結果を踏まえて、昨年度は県の相談窓口の周知についてどのような方法で行われてきたのでしょうか。 また、改善や工夫されたことはあるのでしょうか。答弁を求めます。

【地域福祉課担当課長】 相談窓口の周知の方法につきまして、困難な問題を抱える女性の相談は多岐にわたることから、相談者の状況に応じた適切な窓口の情報や、関係機関で受けられる支援についての情報をわかりやすく提供するため、2025年3月から県独自のウェブサイト「あいち女性の悩みごと相談窓口ナビ」を運用し、周知を図っているところであります。

また、改善や工夫点としましては、このウェブサイトを紹介するポスター及びカードを作成し、市区町村役場や警察署などの公共施設のほか、スーパー等の商業施設など、多くの方の目につきやすい場所に掲示・配布するなど周知に努めております。

【しもおく奈歩議員】  女性相談支援の体制について伺います。県女性相談支援センターの職員数について女性相談支援員も含めて正規・非正規それぞれ何人配置されているのかお示しください。また、7か所の駐在室の支援員についても、正規・非正規の人数をお示しください。

【地域福祉課担当課長】 県女性相談支援センターの相談・支援課の職員数につきましては、センター長始め正規職員が6名、一般職非常勤職員の事務1名、一般職非常勤職員の女性相談支援員9名です。また、県福祉事務所の7か所の駐在室には女性相談支援員を17名配置しており、いずれも一般職非常勤職員です。

【しもおく奈歩議員】 女性相談支援員は、正規職員よりも一般職非常勤職員の方が多いのが現状です。女性支援法の第11条3項に「女性相談支援員の任用に当たっては、その職務を行うのに必要な能力及び専門的な知識経験を有する人材の登用に特に配慮しなければならない。」とあります。専門的な知識が求められる役職だと思います。

 愛知県の基本計画でも「愛知県女性相談センターに寄せられる相談内容は、DVの他、人間関係、生活困窮、心身の健康、住まいの問題など多様化・複雑化しており、相談支援にあたっては、幅広い分野の知識や相談支援技術が求められています。」と記載されています。女性相談支援員の研修事業に249万9,970円支出していますが、この研修内容、受講者からの評価はどうであったのかお示しください。

【地域福祉課担当課長】 研修は1回約6時間 全5回の日程で実施しており、女性相談支援、生活困窮者自立支援制度、児童相談と児童虐待、ひとり親家庭等支援、外国人支援についての基礎知識、警察の取組と対応など、座学を中心とした講義と、ロールプレイやグループワーク等の演習を中心とした、実際の現場での様々な相談者の方への対応等、実践的な技術を身に着けるための研修を実施しました。

なお、研修は行政職員や女性相談支援員、民間支援団体職員等の延べ430人に受講していただき、受講後のアンケートでは「業務に活かせる内容がたくさんあった。」「自分自身の支援の振り返りに役立った。」などのご意見をいただいており、評価として96%の方が、良かった又はとてもよかったと回答しております。

【しもおく奈歩議員】 信頼関係をつくり伴走型の支援・専門性が求められる業務だからこそ、無期雇用への転換や賃上げが急務だと思います。研修事業も進めて充実させていきながら、体制強化へ力を尽くしていただきたいと思います。

最後に、民間支援団体への助成事業について伺います。愛知県でも、一時保護や自立支援の施設があります。配偶者からの追跡や秘匿が必要ということで、スマホを預かるという対応が取られる場合もあると聞きました。

そういう施設も、「保護する」という点でもちろん必要なことだと思います。一方で、配偶者からの追跡により暴力を受ける恐れが無く、居場所の秘匿の必要がない女性たちは、スマホの所持が可能という運用に愛知県も昨年度から変えたと伺いました。

さらに、電話やネットを自由に使える宿泊施設や、家に居場所がない子ども、女性が安心して過ごせる居場所を増やすことも必要です。愛知県が行っている助成事業の対象は、アウトリーチ・居場所づくり事業、民間シェルター入所者自立支援等推進事業があります。

 各事業の団体数と2024年度、2025年度の交付実績と支援内容についてお示しください。また、民間支援団体との連携強化について、どのように認識されているのか伺います。

【地域福祉課担当課長】 まずアウトリーチ・居場所づくり事業について、2024年度は4団体で300万円、2025年度は2団体で200万円の助成をしております。支援の内容は、街頭での声かけや居場所の提供を通じて、支援を必要とする対象者の早期把握や公的支援へのつなぎ等を行うものです。

次に民間シェルター入所者自立支援等推進事業について、2024年度は5団体で300万円、2025年度は5団体で400万円の助成となっております。 

支援の内容は、民間シェルターで保護した女性に対して、退所後も支援の切れ目が生じないよう、自立に向けた伴走型の支援を行うものです。また、民間団体との連携強化につきましては、機動的で柔軟な支援を行うことができる民間団体と連携することで、支援を必要とする方の早期発見やきめ細かな支援にもつながることから大変重要であると考えており、定期的な情報交換、意見交換を行うなど、顔の見える関係づくりを図ることで支援の充実に努めているところでございます。

【しもおく奈歩議員】 今回は、決算委員会の場なので2025年度までの実績を出していただきました。ちなみに、2026年度は、新規の対象事業を含めて交付実績の合計は900万円で少し増えていると伺いました。

 東京都が行っている、官民協働等女性支援事業補助金交付事業ではアウトリーチ支援、相談支援及び自立支援に2,440万8,000円。居場所の提供に関する支援、ステップハウスの提供及びアフターケアに2,559万円、となっています。

 女性支援は民間の力も欠かせません。愛知県も、民間支援団体との連携強化へ積極的な支援を行っていただきたいと思います。神奈川県では、県独自の事業として自立支援施設を横浜市内に6戸設置し、居場所の秘匿のない女性たちは、通勤・通学やスマホの保持が可能となったそうです。また、通所型の自立支援事業を新規で3か所設置しています。

こうした進んだ取り組みに学んで、困難な問題を抱える女性への支援に力を尽くしていただくことを要望し質問を終わります。

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