議会報告

戦争の記憶を継承、平和には、戦争遺跡の役割がますます重要     2026年8月議会   決算特別委員会

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しもおく奈歩議員 決算報告書 31ページの戦争に関する資料館運営費負担金について伺う。2025年は戦後・被爆80年の年であった。前年(2024年)12月には日本被団協がノーベル平和賞を授与された。愛知・名古屋の戦争に関する資料館も10周年、予算規模も500万から倍近く増えた年となったが、どんな取り組みを行ってきたのか伺う。

県民総務課担当課長 戦後80年・開館10周年の節目の年となる2025年度において、戦争資料館では、従来から行っている戦争関連資料の展示や戦争体験を聞く会等に加え、次代を担う若い世代を始めとした多くの方に、戦争の残した教訓や平和の大切さについて学んでいただく機会を提供するため、「戦後80年平和シンポジウム」を8月に開催した。日本原水爆被害者団体協議会の金本弘代表理事による基調講演や、有識者のほか東邦高等学校平和実行委員会の生徒にもご出演いただき、「愛知・名古屋における戦争とこれからの平和について」をテーマにとしたパネルディスカッションを行った。

また、戦争体験談を基にした紙芝居形式の動画や、「学童疎開」をテーマとした小中学生向け映像資料を新たに作成した。

さらに、開館10周年を機に館内改装を実施し、入口周辺のリニューアルや案内表示の充実など、来館者がより利用しやすい環境整備を行った。また、資料館ウェブサイトのリニューアルを実施し、企画展示や各種イベントなどの情報をより分かりやすく発信できるよう改善を図った。

しもおく奈歩議員 シンポジウムも行ったが、大変内容も充実していた。被爆者の証言などは今後もぜひ継続していただきたい。毎年、一千万円規模の予算を確保し平和事業を拡大強化してほしい。

10年経過し、展示しきれない収蔵品も数多くあると思うが、それらの品々はどうしているか。ピース愛知など他の戦争資料館・博物館との共同利用や巡回展示とか、いろいろ工夫の仕方はある。

せっかく県民から寄贈された貴重な資料をもっと人々の目に触れる機会を増やすことが必要と考える。資料館の展示スペースの拡大も検討すべき課題だと考えるが、10周年の節目ではこうした課題について検討されなかったのか。展示スペースについて、現状どのように認識されているのか伺う。

県民総務課担当課長 戦争資料館では、県民の皆様から寄贈いただいた実物資料を、2025年度末時点で21,851点所蔵しており、県庁大津橋分室において常設展示をするほか、多くの方々に御覧いただけるよう、様々な工夫を行っている。

具体的な取組としては、「愛知・名古屋 戦争に関する資料館」において、県民の皆様から寄贈いただいた実物資料を年3回入れ替えながら展示している。また、これらの資料をデジタルアーカイブ化し、専用ウェブサイトにおいても順次公開している。

さらに、資料館内での展示に加え、収蔵資料を活用した巡回収蔵資料展を実施しており、昨年度はイオンモールNagoya Noritake Garden、名城大学、名古屋市鶴舞中央図書館において展示を行った。また、市町村等が実施する平和に関する催し物等で活用していただけるよう、資料の貸出しも行っており、昨年度は豊橋市図書館をはじめ9団体に貸し出した。

限られた展示スペースだが、引き続き展示資料の入替えや巡回展示の実施に加え、ウェブページを充実させるなど、デジタル技術も活用した情報発信に努めてまいる。

県民の皆様から寄贈いただいた貴重な資料を、他の資料館とも連携しながら、より多くの方々に御覧いただけるよう工夫しながら取り組んでいく。

しもおく奈歩議員  9団体というのはどこか教えて欲しい。

県民総務課担当課長 豊橋市図書館、名古屋市水の歴史資料館及び、大治町、豊山町、岩倉市、日進市、稲沢市、安城市、みよし市の関係施設である。

しもおく奈歩議員 引き続き増やしていってほしい。また、巡回展示も東三河において実施していただきたい。

他の戦争資料館との共同など、様々な工夫も取り入れて展示スペース確保を進めていくことを要望する。

しもおく奈歩議員 戦争遺跡報告書の作成について伺う。この報告書を読んで、豊橋や豊川、田原など東三河に名古屋より多くの戦争遺跡があること、また残念なことに多くの戦争遺跡が失われていたことに愕然とした。

そこで伺う。戦争遺跡報告書は何冊作成され、どのように活用されたのか、答弁を求める。また、戦争遺跡の保全・活用についてはいくら予算を組んでどのように取り組んできたのか伺う。

文化財室長 遺跡調査報告書は、県内における戦争遺跡の適切な保存と継承に向けた取組のための基礎資料として、全部で800部作成した。

県内の全市町村、国の関係機関、46都道府県、全国の政令都市に配布するとともに、特に若い世代を含め、幅広く県民の皆様に御覧いただき、戦争遺跡に関して理解を深めていただくため、県内に所在する全ての国公立・私立の高等学校、公立図書館及び大学図書館などに配布するとともに、県の公式Webページでも公開している。

戦争遺跡の文化財としての保存・活用については、令和6年度及び7年度に、合計で1,415万6千円の予算を計上した。

これは、戦後80年を迎え、開発による撤去や風化による消滅が加速していくことが危惧される戦争遺跡について、現状を調査し、報告書等にとりまとめることにより、戦争の記憶を継承し、戦争の残した教訓や平和の大切さを学ぶための資料とすることを目指したものである。

文化財として指定・登録されている戦争遺跡については、補助制度を活用することにより、適切な保存・活用に取り組むとともに、それ以外の戦争遺跡についても、市町村と保存・継承に向けて協議していきたいと考えている。

県民総務課担当課長 戦争遺跡の活用について、戦争資料館における取組についてお答えする。

戦争資料館では、県内に残る戦争遺跡を紹介するパネルを常設展示しているほか、名古屋城周辺に残る戦争遺跡を巡るウォーキングイベントを2018年度から毎年実施している。

また、今年度は、12月に戦争遺跡調査報告書に掲載された遺跡を実際に訪ねるバスツアーを新たに実施し、東三河地域に所在する戦争遺跡のうち、砥鹿神社西参道被災石鳥居、豊川海軍工廠平和公園、歩兵第十八連隊兵営、豊橋陸軍墓地、向山トーチカ、豊橋海軍航空隊基地の6か所を巡ることとしている。

しもおく奈歩議員 この報告書の作成については大変意味や価値があり、重要な取組だと思うが、800部ということで、もちろんネットには掲載されているとのことではあるが、それではなかなか知られていないのではないかと思う。

愛知県戦争遺跡調査報告書の、「はじめに」というところで、知事が述べているが、愛知県では1963年に県議会において平和県宣言が決議され、愛知県は全世界の人々と手を携え、人類永遠の平和と幸福実現のために努力する平和県であることを宣言したとある。また、2025年に我が国は戦後80年を迎えた。戦争体験者の高齢化により、戦争体験の証言を得ることが難しくなっていることから、戦争の記憶を継承し、戦争の残した教訓や、平和の大切さを学ぶためには、戦争遺跡の役割がますます重要となっているとある。報告書が、県内における戦争遺跡の基礎資料として、適切な保存と継承に向けた取組みのための一助となれば幸いと述べられている。

これは、非常に私も共感するところである。こうしたものは、平和教育にも大変役立つ内容にもなっているし、自分たちが住んでいた地域で何が起きたのか知るというのは、非常に重要なことだと思うので、例えば、完成報告会を兼ねたシンポジウムを県下各地で開催することや、報告書を800部とは言わずに、もっと増刷するなど、この内容を多くの人に広げる取組を、是非、積極的に行っていただきたいということを求め、この質問を終わる。

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