議会報告

カジノも軍需産業も人の不幸を前提、人の不幸で稼ぐ愛知にするな      2026年8月議会 早期議案討論

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最後に、第135号議案、中部国際空港島 特定複合観光施設 設置運営事業応募者評価委員会条例の制定についてです。この条例案は、常滑市の中部国際空港島にカジノをふくむIRをつくる民間事業者を選定する手続きの一環としての応募者評価委員会を設置するものですが、カジノの誘致そのものが問題です。

 カジノ誘致にはいくつもの問題点があります。第一に、どう考えてもカジノは賭博の一種であり、そもそも日本の法律では禁止されています。刑法では「偶然の勝負に関し財産上の利益を賭けてその得失を争う」行為を犯罪としています。安倍政権下の2018年、IRが日本の国際観光業の競争力強化と地域振興を通じた経済成長の要としてカジノも合法化されましたが、本質的に違法性は免れません。

 第二に、カジノでは経済は成長しません。カジノ問題に詳しい静岡大学名誉教授の鳥畑与一名誉教授は、「カジノの収益は、ギャンブル行為による資金の移動でしかなく、誰かの勝ちは誰かの負けであり、その結果、誰かの消費力の増大は誰かの消費力の喪失をもたらす。米国では『カニバリゼーション』(共食い)と呼ばれる」「カジノ企業の儲けは地域社会から消費力を奪った結果である。ギャンブル行為は新たな経済的価値を生み出さないゼロサム行為である」と述べています。カジノは新たな価値を生み出しません。

外国人VIPをあてにしたカジノ戦略は始まる前から破綻しています。高市政権の日本成長戦略の重点戦略分野17項目には、新たに「防衛」が加わりましたが、「観光」は消えてしまいました。呼びこもうとしていたはずのインバウンド客、中国からの観光客は首相の台湾発言で激減したままです。また急速にオンラインカジノが広がり、莫大な投資をして巨大なIRをつくりカジノに客を集める、というビジネスモデルは崩れてきています。

 第三に、成長どころかギャンブル依存症を増やし、社会的費用を増大させます。カジノによる収益以上にギャンブル依存症による社会的損失が大きいことに目を向けるべきです。ギャンブル依存症は個人の問題にとどまりません。仕事をしない。借金をする。犯罪をする。身体的精神的に不健康になる。家族崩壊、友人との人間関係も壊す。依存症は「隠す病気」「巻きこむ病気」です。依存状態を隠しながら借金等で家族や友人をまきこんでいきます。

 依存症対策にとりくむクリニックの院長は、患者がギャンブル依存症から抜けだすためにどれだけの時間とケアの人手がかかるか、家族の苦しみがあるか、進学を諦めるなど家族の人生設計がどれだけ狂わされたか、愛知県はわかっているのか。マニュアルに沿って簡単に治療できるようなものではない、と切々と訴えていました。

愛知県の「第3期愛知県ギャンブル等依存症対策推進計画」では、県内のギャンブル依存症の疑いがある人を男性2.8%約7万5千人、女性0.5%約1万3千人と推計しています。競馬、競輪、ボートレースにパチンコと、オートレース以外みんな揃っている愛知県はいまでもギャンブル大県です。カジノをつくったお金で依存症対策を進めるという逆立ちした発想をあらためるべきです。カジノをつくらないことこそ一番の依存症対策です。

またこの条例案では、わざわざ中部国際空港島と誘致先を限定しています。愛知県は、MICEに必要な施設である国際展示場をカジノ事業者に売却します。大阪市は夢洲の土地改良をカジノ事業者の代わりに行っています。愛知では土地改良を行う場合は事業者負担ですが、必要なMICE施設のうち展示場は既存施設を使えますよ、とアピールしています。国際展示場=あいちスカイエキスポは、GLイベンツと前田建設工業株式会社が設立した愛知国際会議展示場株式会社(AICEC)が運営しています。空港島はカジノのために埋め立てた土地ではなかったはずです。ここにも公費で造成した貴重な土地を民間企業の儲けのために差し出す構図があります。以上の理由により賛成出来ません。

 愛知は産業首都と自負するように、ものづくり産業で栄えてきました。いろいろ批判することはありますが、少なくとも人々の役に立つものをつくる、という誇りがありました。ところがいまや愛知は軍需産業の一大拠点となり、今度はカジノです。カジノも軍需産業も人の不幸を前提にした商売です。他人の不幸で稼ぐ愛知にするべきではないということを申し上げ、私の討論を終わります。

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