私は只今議題となっております。第132号議案、令和8年度愛知県一般会計補正予算(第3号)及び第134号議案、地域未来基金条例の制定について、第135号議案、中部国際空港島特定複合観光施設設置運営事業応募者評価委員会条例の制定について、反対の立場から討論します。
はじめに第132号議案についてです。反対理由の第一は、補正予算を組んで推進する「愛知県地域産業成長プラン」が、軍事経済化と大企業支援を柱とする高市政権のいわゆる骨太の方針、「日本成長戦略」「地域未来戦略」などと事実上一体のものだからです。
8月12日に知事は、国は、本年7月21日に「地域未来戦略」を閣議決定し、強い地域経済の構築に重点を置いた新たな取組として、各地に多様な産業クラスターを戦略的に形成し、地域の産業、地域経済の持続的な成長を図っていくこととしています。この度、愛知県では、国の「地域未来戦略」の考え方を踏まえ、「地域産業クラスター計画」及び「地場産業成長プラン」で構成する「愛知県地域産業成長プラン」を策定しましたので、お知らせします。と会見で述べました。
記者発表資料には、「国の事前確認や要件確認を受けるため、プランの内容は変更が生じる可能性があります。」と記載しています。関連する補正予算約167億円のうち約163億円は「地域未来基金」を積み立てるものですが、これは全額国が交付税措置します。県が作成したプランですが、国の確認のもと、国の予算で進めるものです。
それでは7月12日に閣議決定された「地域未来戦略」「日本成長戦略」とはいかなるものなのでしょうか。高市政権初の「骨太の方針」と成長戦略は二つの点で異常極まるものです。
一つは、大企業に対する例のない直接支援です。これまでの大企業支援は減税が中心でした。今回の成長戦略では、2040年度までに総額370兆円超の官民投資を行うとしています。17の戦略分野、62項目の製品・技術が対象です。いずれも大企業が国の支援を求めている分野です。中小企業への直接支援には後ろ向きなのに、大企業には前のめりで大盤振る舞いです。しかし大企業への直接支援はいくつも失敗しています。
もう一つは、憲法も国民の暮らしも踏みにじる軍事経済化です。 「骨太の方針」には「安保3文書」を改定し「5年以内に防衛力の変革を実現する」ことを明記し、「防衛産業」が官民投資の戦略分野に挙げられました。小型無人航空機の大量生産、無人艦艇・潜水艦の開発など兵器製造のメニューが並びます。トップは「小型無人飛行機」です。兵器を生産する国有工場まで提言しました。破壊しかない戦争で経済成長などありえません。
大企業と軍事へのばらまきを実行すれば、財政悪化が避けられません。財政規律のたがを外した「骨太の方針」原案が公表されただけで、国債が売られ、長期金利が上昇し、円安がさらに進行しました。日本の財政への信頼が低下しています。
高市政権の「骨太の方針」・成長戦略は問題だらけです。軍需産業や大企業ばかり栄えても経済は成長しません。国内総生産(GDP)の5割以上を占める個人消費を中心に経済を成長させる、暮らしを温める政策こそがいま必要な成長戦略です。
高市「成長戦略」は、国が大企業支援を担い、県は中小・中堅企業を支援する分担ですが、全てが県の自由にはなりません。愛知県の地域産業や地場産業の成長プランを国が認めるか否かは、「海外輸出で外貨を稼げるか」「販路拡大が見込まれるものか」など、「勝ち筋」かどうかであり、成長が期待できる分野だけを国が選別して支援する仕組みです。
補正予算を組んで緊急に支援すべき中小企業は成長が期待できる業種だけでしょうか。とまらない物価高騰や資材高騰から県民と中小事業者を守る施策こそ打ち出すべきです。160億円あれば、中小業者から強い要望が出ている家賃やリース料、電気やガス代など固定費補助や国保の負担軽減、物価上昇を上回る賃上げを行う中小企業への新たな支援も可能です。成長分野か否かで選別するのではなく、地域経済を支える中小零細企業をしっかり支える県独自の補正予算こそ編成すべきです。
高市政権の成長戦略に追随した成長プランを推進する補正予算には賛成できません。第134号議案、地域未来基金の条例の制定についても同様の理由により賛成できません。
