トピックス

意見書「憲法の精神に反する『安定的な皇位継承の論議の推進』」は大問題          2026年6月本議会 反対討論

カテゴリー:

私は、ただいま議題となっております「国会における安定的な皇位継承の論議の推進についての意見書(案)」について反対の立場から討論します。

日本国憲法はその第一条で、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は主権の存する日本国民の総意に基づく」としています。皇位継承の議論にあたって何より大切なことは、日本国憲法の理念と条文に従って、国民の総意に基づくものにすることです。

意見書案では、「国会においては『立法府の総意』がまとめられ、皇室典範の改正が議論されている・・・」としています。6月25日に開かれた、皇族数確保策に関する全体会議では、政府から「皇室典範改正案の要綱」が示され、「立法府の総意」に基づくものだ、として衆参の正副議長が了承したとされました。しかし、この要綱には衆参13会派のうち7会派のみの賛同しか得られておらず、これで「立法府の総意」が反映されたとは到底言えません。

カッコ付きの「立法府の総意」に基づくものとして閣議決定された皇室典範改正案では、旧宮家(きゅうみやけ)の男系男子を皇族の養子に迎えることと、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持することが柱ですが、そこには憲法の理念に反する重大な人権侵害が生じる問題があります。

この養子制度で、一般国民として生まれた旧宮家の子孫を特別な身分である皇族にすることは憲法が否定する「門地(もんち)による差別」に抵触するおそれがあります。家柄による身分制度の復活は時代錯誤です。養子制度は女性天皇・女系天皇への道を閉ざす動きと一体であり容認できません。

女性皇族の結婚後の身分については、女性天皇を認めないにもかかわらず、皇族数の確保のためだけに、婚姻後も皇族にとどめ、女性皇族の自己決定権や幸福追求権を過度に制約することになり許されません。

女性だから天皇にはなれないというのは「法の下の平等」「両性の平等」をかかげる憲法の精神に反するものです。多様な性を持つ人々で構成される日本国民の統合の象徴としての天皇を男性のみに限る合理的な理由はありません。

しかも各種世論調査では、女性天皇を認めるべきであるとの意見が多数であり、男系男子での皇位継承に固執する政府の「皇室典範改正案」は、「国民の総意」とかけ離れており、日本国憲法の掲げる人権尊重の理念とも相いれないものです。

いまこそ、女性天皇の議論も正面から行うべきです。主権者である国民の総意に基づく『日本国民統合の象徴』の地位にある天皇を男性に限定する現状をただすことは、国民の中での両性の平等、ジェンダー平等を発展させるうえでも意義ある改革になると考えます。

意見書案では、「安定的な皇位継承を確保するための方策について、さらなる論議の活性化が求められる」としつつも、「国会における」論議の推進を要望するとしていますが、いま国会に求められているのは、広く国民的な議論を行い「国民の総意」を形成することです。

この意見書案では、皇位継承についての論議の推進を唱えながら、実際には、皇位継承の論議を国会だけにとどめて、女性天皇の議論を閉ざし、男系男子の皇位継承に固執する議論を推進するものとなりかねません。

皇位継承の論議については、日本国憲法の理念に沿って、女性天皇の議論もふくめて、「国民の総意」を形成する真摯な努力こそ、政府と国会に強く求めるべきです。

以上の理由により本意見書案には賛成できないことを申し上げ、討論を終わります。

  • 憲法第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
  • 憲法第2条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

▲ このページの先頭にもどる

© 2015 - 2026 日本共産党 愛知県委員会