【しもおく奈歩議員】 特定利用港湾・空港について伺います。4月8日に政府は「特定利用空港・港湾」に、愛知県の中部空港と名古屋港、三河港を指定したと発表されました。まず、特定利用港湾についての認識と、指定されてことでどう変わるのかお示しください。
【港湾課担当課長】 国からは、特定利用港湾は、平素から、必要に応じて自衛 隊や海上保安庁が港湾を円滑に利用できるよう、インフラ 管理者との間で「円滑な利用に関する枠組み」を設けるもの と聞いている。 また、国からは、特定利用港湾となった後も、自衛隊や 海上保安庁による平素の利用に大きな変化はないと聞いて います。
【しもおく奈歩議員】 今回指定された、三河港は産業を支える大きな役割を果たしていると思います。その役割について、簡潔にご説明お願いします。
【港湾課担当課長】 三河港は、自動車の輸出入において国内トップクラスの 実績を有する「自動車産業の世界的な物流拠点」として、 我が国の基幹産業を支える役割を担っているものです。
【しもおく奈歩議員】 中部空港への自衛隊機の飛来はまだありませんが、商業利用や産業を支えている港には、これまでも名古屋港と三河港、衣浦港に自衛隊艦船がたびたび入港・利用するということがありました。そこで、2020年以降で名古屋港と三河港、衣浦港への自衛隊艦船の入港利用状況について、それぞれ年月日・場所・利用艦船の名称と入港目的をお示しください。
【港湾課担当課長】 *資料参照
【しもおく奈歩議員】 目的は様々ですが、特定利用港湾に指定される前から頻繁に自衛隊艦船が入港していたということです。次に、国からいつ特定利用港湾の話があったのでしょうか、関係自治体からの意見を聞いて同意は得たのでしょうか?愛知県が同意に至った経過について改めて伺います。答弁を求めます。
【港湾課担当課長】 国から本県に対して、三河港を特定利用港湾の対象に検討している旨の説明があったのは、昨年7月である。 次に、関係自治体との調整状況については、昨年9月に 関係自治体に対して国から説明が行われている。その後の 関係自治体に対する意向確認の結果としては、「特に意見 なし」とのことである。 最後に、本県が同意に至った経過についてである。昨年 10月に国から三河港における「円滑な利用に関する枠組 み」を確認するよう依頼があり、11月に国に対し、確認した旨を回答しました。
【しもおく奈歩議員】 特定利用空港・港湾とは、2022年に岸田政権が閣議決定した「安保3文書」に基づくものです。国家安全保障戦略の中で、「我が国に直接脅威が及んだ場合も念頭に、わが国国内における幅広い分野での対応能力を強化する。」「有事の際の対応も見据えた空港・港湾の平素からの利活用に関するルール作り等を行う」と書かれていました。武力攻撃が行われるような有事への対応が前提としてあると思いますが県としてどのように認識されているのか伺います。
【港湾課担当課長】 国からは、本枠組みは平素における港湾の利用を対象と したもので、武力攻撃事態のような有事の利用を対象とするものではないと聞いています。
【しもおく奈歩議員】 実際に指定された、空港・港湾では自衛隊基地が攻撃され使用不能となった事態を想定しての訓練が行われています。「特定利用空港・港湾」めぐり、自衛隊による利用が制度開始の2024年4月から今年4月までに計1万1906回に上ることが、わが党国会議員へ提出された防衛省の資料で明らかになりました。
那覇空港には、陸海空3自衛隊の基地があり、空自のF15戦闘機による離着陸訓練が行われています。熊本空港には、陸自高遊原分屯地隣接し、日米軍事共同訓練では自衛隊機と米海兵隊の整備や燃料補給を行っています。州の自衛隊基地が攻撃され使用不能になる事態を想定した訓練が増えています。港湾は、弾薬や燃料などの補給拠点として利用を狙っています。
昨年の自衛隊統合演習では、自衛隊が民間船を借り上げて、苫小牧港を出発し、パトリオットミサイルや燃料などを平良港や石垣港に輸送。鹿児島港では、イージス艦に弾薬を積み込みました。まさに、有事を想定した訓練そのものだと思います。
そこで、伺います。指定をされた愛知県の三河港も同じようにこうした利用が拡大していく可能性があると考えますが、いかがでしょうか。また、米軍艦船の利用も想定されているのか伺います。
【港湾課担当課長】 国からは、特定利用港湾になったことにより、自衛隊の利 用頻度が大きく増えることはないと伺っている。 また、米軍が本枠組みに参加することはないと聞いています。
【しもおく奈歩議員】 大きく増えることはないと国から聞いているとのことで あるが、制度開始以降、実際に利用が増加している。このような実態が防衛省の資料より明らかになっているところ である。この点どのように考えるか伺います。
【港湾課担当課長】 本県としては、国からは特定利用港湾になったことによって自衛隊利用頻度が増えることはないと伺っています。
【しもおく奈歩議員】 今回指定された空港・港湾について、有事に攻撃目標になることへの不安、懸念が上がっています。
政府は、内閣官房がホームページ上で公開しているQ&Aで「攻撃目標とみなされる可能性が高まるとはいえない」としています。しかし、沖縄の新聞琉球新報の2024年の報道では1944年10月の南西諸島への米軍の空襲で飛行場や港が激しい攻撃にさらされたことに触れ、「自衛隊や海保の訓練などに使用される施設は当然、有事の際は攻撃の標的となり得る」と指摘しています。安全性の担保について国との話し合いの中でどのように確認されているのか伺います。
【港湾課担当課長】 自衛隊や海上保安庁は、これまでも三河港を利用してきており、特定利用港湾となった後も自衛隊や海上保安庁による平素の利用に大きな変化はなく、特定利用港湾となったことのみによって、攻撃目標とみなされる可能性が高まるとは言えないと聞いています。
県回答・・・・「『存立危機事態』事態が本枠組みとなるかは、国の判断によるものと考える」
【しもおく奈歩議員】 高知県知事が政府に、「存立危機事態」や「重要影響事態」いわゆるグレーゾーンが含まれると考えてよいか、との質問をした際政府の回答は「相違ありません」というものだったそうです。つまり、日本と密接な関係にある他国が攻撃され、その結果、日本の存立が脅かされる事態と認定された場合に米軍支援のために武力行使を行うとき、また、日本が攻撃を受けていない中で米軍などが海外で戦争を引き起こし、それが日本の平和と安全にとって重要な影響を与える事態と認定された場合日本の自衛隊が後方支援を行うときにも、特定利用空港・港湾を利用するということです。そこで、伺います。愛知県は、この点国から説明を受けていますか?「存立危機事態」や「重要影響事態」いわゆるグレーゾーンにも特定利用空港・港湾の枠組が及ぶ可能性について、どのように認識していますか?答弁を求めます。
【港湾課担当課長】 国からの説明では、武力攻撃事態等における港湾の利用調整について、特定公共施設利用法等に基づき行われるも のであり、当該枠組みによるものではないと聞いている。 「存立危機事態」や「重要影響事態」といった事態が本枠組みとなるかは、国の判断によるものと考えています。
【しもおく奈歩議員】 特定利用港湾には、三河港が指定されました。この間、三河港の中では蒲郡港に集中して自衛隊の艦船が寄港しています。それはなぜでしょうか?護衛艦が接岸する水深-11mの11号岸壁の稼働状況が低く、民生利用に影響がないということでしょうか?自衛隊艦船にとって使い勝手がいい場所なのでしょうか?答弁を求めます。
【港湾課担当課長】 自衛隊や海上保安庁の11号岸壁の利用は、利用者の意思で利用許可申請がなされ、「民生利用」への影響が生じないことを確認した上で、港湾管理者が許可をしているものであり、理由については港湾管理者では承知していません。
【しもおく奈歩議員】 今週末、27日、28日と蒲郡港に護衛艦「さみだれ」掃海艇「ちちじま」が寄港します。蒲郡市などが開く防災フェスタの一環として、なぜか護衛艦の一般公開や掃海艇の体験航海が予定されています。蒲郡市の6月1日報道発表資料によりますと、「がまごおり防災フェスタは、二隻の寄港に伴い開催するもの」とあります。防災の企画に自衛隊を招いたのではなく、自衛隊の寄港予定に合わせて自治体の防災企画が計画されたということです。住民が主役の防災ではなく、自衛隊の都合に合わせた防災フェスタというのは、防災の趣旨と相容れないもので問題だと思います。
特定利用港湾の指定が進む中で、自治体が管理する港湾なのに、自衛隊の都合が平時でも優先する、自衛隊の予定に自治体の行事を合わせる事態が生じています。愛知の空港や港湾は、アジアをはじめ世界の国々との交易を通して地域の産業を支えています。民生利用・商業利用がベースの空港・港湾を軍事利用につなげていく「特定利用空港・港湾」への指定は容認できないことを申し上げ、質問を終わります。
※日本共産党愛知県県議団が追録
(参考)特定公共施設利用法 (防衛白書)6
特定公共施設利用法は、自衛隊の行動や米軍の行動、国民の保護のための措置などを的確かつ迅速に行うため、武力攻撃事態等における特定公共施設等(港湾施設、飛行場施設、道路、海域、空域及び電波)の利用に関し、その総合的な調整が図られるための措置などについて規定している。先般の法改正では、武力攻撃事態等における米軍以外の外国軍隊の行動についても特定公共施設等の利用調整の対象に追加した。
