議会報告

 「豊川用水の渇水対策と佐久間導水の分水条件の改善について」         2026年6月議会 建設委員会

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【しもおく奈歩議員】  愛知県東部を流れる豊川は豊橋に住む私にとっても馴染み深い川です。その豊川を水源とする豊川用水は東三河の農業をはじめとした産業と県民の生活を支える大切な役割を果たしています。この豊川用水がこの冬から春先に渇水となり、厳しい節水が強いられる事態となりました。その要因は、地球規模の気候変動から豊川水系の流域面積の狭さまで複合的だと思いますが、愛知県として取り組むべき渇水対策についていくつかうかがいたいと思います。

 はじめに、今回の渇水の県民生活への影響についてうかがいます。住民には夜間の水道水使用の自粛が呼びかけられたほか、水不足により、キャベツが大きく育たず、小玉になるなど野菜の生育にも影響が出てました。介護施設では入浴やデイサービスを制限するところもありました。今回の豊川用水の節水により、愛知県として影響をどのように把握しているのか、まずうかがいます。

【しもおく奈歩議員】  渇水対策として、愛知県も様々な努力をしてきたと思います。その対応に問題はなかったのか、うかがいたいと思います。

 佐久間導水の使用を要請したのが遅すぎたのではないか、という点です。副知事が佐久間導水の使用を要請したのは3月27日でしたが、その10日前には既に宇連ダムの貯水率が0%となっており、用水に水を流すために初めて、宇連ダムの底から水を汲みあげることまでしていました。もっと早い決断が必要だったのではありませんか。県の認識を伺います。

【しもおく奈歩議員】 その認識では、ダムが完成するまでには渇水が繰り返されると思います。いま国の水資源に対する考え方も大きく変わってきています。国の水資源開発基本計画(いわゆるフルプラン)は抜本的に改正されています。

2017年に国土審議会答申「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について」では、「従来のフルプランを抜本的に見直し・・・需要主導型の『水資源の開発』からリスク管理型の『水の安定供給』へ」転換すると述べています。

「危機時における水の確保のための施策体系」では、「既存施設の徹底活用」をうたい、「連絡管の整備 危機時に用水事業者間で用水の相互融通」「ダム群連携 効率的な水運用により、危機的な渇水時にも長く持ち堪え、早期の回復が可能な対応力を確保」とあり「危機時における柔軟な対応」を求めています。水資源対策が水源開発中心から既存施設の連携での対応重視に変わってきたと考えますが、県は国の考え方をどう受けとめていますか。

【しもおく奈歩議員】 そこで今回、知事も使用を要請した佐久間ダム導水路についてです。もっと積極的に活用できないか、伺います。

天竜川水系の佐久間ダムから豊川への導水については1957年(昭和32年)に、「分水協定」が結ばれました。いまも有効なこの分水協定では、愛知県側が使える水量や使用期間、分水量を制限する条件などはどうなっていますか?

【しもおく奈歩議員】 この協定が結ばれてから68年が過ぎました。気候温暖化や渇水の状況、また佐久間ダムの電力需要などは大きく変わっています。年間分水総量5000万㎥の水は、今回の長期間の水不足分をカバーできる量です。また最近の宇連ダムの貯水量の変化を見ると、夏場だけでなく冬から春先にかけてもう一つ渇水のピークが来ることが増えています。

 そこで提案です。水資源開発の新しい考え方に沿って、この佐久間導水を積極的に活用する考えはありませんか。具体的には、5月から9月までの期間制限をなくして通年利用を可能にする、分水量を制限する条件も見直して、5000万㎥を有効に活用できるよう、分水協定の見直しを関係機関に働きかけてはいかがでしょうか。

【しもおく奈歩議員】 先ほど述べた国土審議会答申では、水資源開発計画について水循環政策との整合にも留意するよう指摘しています。「水利用の過程において流域を俯瞰した総合的な対応を行い。水源涵養機能といった課題に応じて、健全な水循環の維持または回復に向けた取組の計画的な推進に資するよう」にと。

具体的には、木を切ってダムをつくるよりも、流域の森林を育てて保水力を高めることにもっと目を向けなさい、ということだと思います。とくに豊川水系は、矢作川や木曽川などと比べると流域面積がはるかに狭く、急峻(きゅうしゅん)な地形とあいまって保水力が弱いと指摘されています。

農林基盤局からの説明では、宇連ダムの流域森林面積は約1万3700ヘクタールありますが、徐間伐(じょかんばつ)など森林を健全に育てるための手入れ作業は森林の3割程度とのことでした。これでは降った雨が山にもダムにも貯まらずにあっという間に流れてしまいます。きちんと森林を整備すれば水資源涵養量は降雨量の2割から3割にもなるとの林野庁の調査結果もあります。そこで最後にうかがいます。豊川の水資源確保には宇連ダム流域での徐間伐など人工林整備が有効な対策として欠かせないと考えますがいかがでしょうか。

【しもおく奈歩議員】 渇水対策は設楽ダム建設ありきではありません。いくつか提案しましたが、環境を守ることが豊川の渇水対策につながります。大型開発よりも既存の施設を有効活用すべきです。豊川水系の渇水対策に全庁あげて取り組むことを強く求めて質問を終わります。

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