私は、ただいま議題となっております。第1号議案 令和8年度愛知県一般会計予算について、及び第5号議案、第14号議案、第16号議案、第18号議案、第23号議案、第27号議案、第33号議案、第35号議案、第37号議案、第42号議案について反対討論を行います。
今回、愛知県の新年度予算案には、この間繰り返し要望してきた高校の特別教室へのエアコン設置や特別教室へのエアコン費用負担についてPTA負担を解消し公費化すること、公立小学校給食費の負担軽減補助、少人数学級が中学校2年生まで広がるといったことが盛り込まれました。前進面もありますが、物価高騰で県民の暮らしが追い詰められているのに、そこへの支援はほとんどなく、全体的には県民のくらし、教育、福祉を置き去りにするものになっています。
まず、第1号議案 令和8年度愛知県一般会計予算についてです。
反対理由の一点目は、水素を活用する燃料電池(FC)商用車の普及促進を行うため、補助の大幅な拡充を行うことです。来年度からは、タクシーに限って、1台の導入に対して100万円だった補助を350万円に拡充するとともに、燃料費支援として水素とLPガスとの販売価格の差額全額相当を補助するという、至れり尽くせりの補助となっています。タクシー事業者が恩恵を受けるとともに、一番の利益を受けるのは水素を活用する燃料電池タクシーの生産・販売事業者です。26年度に50台の導入を目指すとしています。温暖化対策の名で新たな大企業支援と言わざるを得ません。
二点目は、カジノを含む統合型リゾート(IR)の調査検討を推し進めていることです。議案質疑の答弁で「民間事業者からも、事業者が行う依存症対策について意見を聞く」と述べられましたが、ギャンブル等依存症対策について万全の対策を行えば、誘致していいという発想が間違っています。予算には、愛知県依存症対策センターの開設が盛り込まれていますが、愛知県ギャンブル等依存症対策推進協議会の場でも、依存症治療に熱心に取り組まれている医療機関の方から、「カジノは短期間で巨額の金が動くところで非常に怖い、カジノ誘致には断固反対だ」との発言がありました。ギャンブル漬けにして、不幸になる人を増やさないためには統合型リゾートを誘致しないことが、一番の対策です。
三点目は、アジア・アジアパラ競技大会へ巨額の税金が投入されることです。質疑の答弁の中で、「実施競技数の増加や物価・人件費の高騰」などと述べられましたが、二倍以上に膨れ上がる経費の積算根拠は不透明なままです。見通しが立たなかったことを理由に公表してこなかったと言いますが、県民の税金が投入されている以上、経過も含めて公表し議論しながら進めることが県の責任だと思います。大阪関西万博で下請けへの未払い問題を起こした、GLイベンツ社との契約についても問題があります。
今、アジアの情勢は緊迫しています。アジア・アジアパラ競技大会は、恒久平和に寄与するとの願いが込められてはじまった大会です。その大会成功に向けても、力による現状変更や国際法違反許さないという姿勢を示していくべきです。
四点目は、タブレット端末の自己負担についてです。この4月から入学する多くの高校生は、タブレット端末の購入が自己負担となりました。家庭にとって、大変重い負担増です。購入に対する支援が受けられるのは、高校生全体のたった24%です。一部の支援に留まるものです。 教育関係者からは、一律に購入を押し付けることへの疑問や、ICT教育について子どもの健康や発達への悪影響を心配する声が上がっています。 また、高校生からは「授業でタブレット端末はあまり使わない」「自己負担は困る」という声が寄せられました。 全額公費で負担するとともに、学校ごとの判断を尊重することも必要です。
五点目は、結婚支援の取り組みについてです。 この間、人権侵害に抵触することについてこの場で述べてきました。いくつかの県や市が、結婚支援事業から撤退しているそうです。富山大学の非常勤講師の方がその論点について、大きく4点あげています①費用にみあった効果が出ていない、②価値観の押し付け、自己決定権の侵害になること③多様な生き方を認めていない④政治力を持つ業界団体への利益誘導という点で公益性を欠くことという点です。 私が指摘しているだけでなく、社会のなかでこうした認識が広がっているということだと思います。
結婚支援は、結婚を希望する人と言いますが、自治体がそれを旗振り役として推し進めることで、社会全体で結婚の気運醸成を助長し結婚圧力になりかねません。今回、新たにライフデザイン支援の予算も入りました。全国各地で行っているライフプラン教育は、妊娠適齢期や妊娠や出産に関する情報が掲載され、結婚、妊娠・出産を織り込んだライフプラン教育が行われています。愛知県の場合、結婚支援の枠組みで、しかも対象は独身としています。早く結婚し子どもを産むことを推奨する中身になりかねません。
いつ結婚するか、しないのか、子どもを産むか産まないかは個人の自由な選択、自己決定権であり、そこに行政が介入すべきではありません。一人一人の自由な選択を尊重し、支えていく政策こそ必要です。
以上の理由により、本議案には賛成できません。
次に第5号議案 令和8年度愛知県国民健康保険事業特別会計予算についてです。
新年度、国民健康保険の市町村から愛知県への納付金は一人当たり8412円(4.97%)増の17万7502円となり、5年間で約30%増加しました。物価上昇を大きく上回る引き上げです。
値上げとなる約半分は、新たに国が始める医療給付とは無関係な「子ども・子育て支援納付金」です。国保の納付金が引き上げられる仕組みです。賃上げの恩恵が及びにくい国保加入者にとって大きな負担増です。 国の新制度による国保の負担増は容認できないと国に強く迫るべきです。そして愛知県独自に納付金を引き下げる手立てをとるべきです。
国保の財政安定化基金のうち、特別会計の剰余金など納付金引き下げに使える金額は109億円あります。すでに納付金の引き下げに26億円一人当たり2300円活用されていますが、全額を使えば一人当たり9400円引き下げも可能です。
また愛知県は国に対して、地方独自の福祉医療の実施に伴う国保への減額措置を廃止するよう求めています。県下の市町村国保では約32億円国から補助が減額されていると委員会で答弁がありました。まずこの減額分32億円は愛知県が一般会計から国保に繰り入れ、市町村国保の負担を軽減すべきです。
市町村の国保料(税)値上げにつながる、納付金を引き上げる国民健康保険事業特別会計と関連する、第35号議案 国民健康保険事業費納付金の徴収に関する条例の一部改正について賛成できません。
次に第14号議案 令和8年度愛知県水道事業会計予算についてです。 県営水道料金も4月から1㎥あたり4円値上げされ、市町村水道の経営を直撃します。水は私たちの生活に欠かせない公共インフラであり、生活が苦しいからと利用しないわけにはいきません。いま国の臨時交付金も使って水道基本料金の減免を行う市町村が増えています。東栄町は1年間、豊田市、豊橋市、岡崎市、犬山市は6か月間、その他4か月や2か月など様々ですが、少なくとも16自治体が基本料金を減免します。物価高騰対策として市町村が水道料金を引き下げる努力をしているのに県営水道料金を2024年10月に続き値上げする予算には賛成できません。
次に第16号議案 令和8年度愛知県用地造成事業会計予算についてです。 トヨタ自動車の新工場のために「豊田貞宝次世代産業地区」約142haを用地造成する費用227億円の予算が盛り込まれています。大村知事は、トヨタ自動車の新工場は、世界一の、世界最先端の未来工場をつくるという日本の命運をかけたプロジェクトだ。それを最速のスピードで取り組んでいきたい、と述べています。愛知県が最速で取り組むべきことは、県民の生活を行政として支援し、暮らしと生業を支えることです。県民生活支援を後回しにして、トヨタ自動車を支援することには賛成できません。 これに関連して、「豊田貞宝次世代産業地区の用地造成に関する業務」を行う企業庁の職員定数を増員する、第27号議案、愛知県職員定数条例の一部改正についても賛成できません。
次に第18号議案 公の施設の使用料の改定に関する条例の制定について、第23号議案 愛知県奥三河総合センター条例の一部改正について、第42号議案、愛知県スポーツ施設及び社会教育施設条例の一部改正についてです。
これらは、公の施設の使用料値上げに関するものです。
中には、アイススケートや野球場使用料などのスポーツに関わる施設の値上げもあります。アジア・アジアパラ競技大会でスポーツ参加を推進するときに、値上げを推進してしまえばスポーツ参加のハードルをあげることになります。スポーツ基本法では、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利とあります。権利保障の点からもスポーツの参加の機会を遠ざけるようなことはすべきではありません。
また、奥三河総合センターはレジャーの拠点としての役割を果たす施設です。宿泊料値上げや新たな料金設定は、観光の足を遠ざける要因になりかねません。
公の施設は、県民が誰でもが気軽に使えるように負担を抑えるべきです。 物価高騰で暮らしが大変なときに、軒並み公共施設の値上げを行い負担増となる本議案に賛成できません。
次に第33号議案 愛知県児童厚生施設条例の一部改正についてです。児童福祉法にもとづく施設である、海南こどもの国のプールを子どもの最善の利益も意見表明も無視して廃止するというものです。プール廃止後の跡地利用についてはアンケートなどを行う、としていますが、そもそも、プールをどうするか、子どもたちが意見表明する機会を設けていないことが大問題です。廃止の理由は、老朽化をあげています。子ども施策として位置付けるのなら、子どもを真ん中に考えていくことが必要であり、行政都合での廃止、コストカットに賛成できません。
最後に、第37号議案 愛知県農林業振興施設条例の一部改正についてです。 農業大学校の授業料値上げを行うことは、あってはならないことです。スクールカウンセラーなど費用にあてると、答弁されましたが本来はしっかり公費で負担すべきことです。
愛知県は、農業豊かな地域です。私の住んでいる豊橋も、農業が盛んな地域です。しかし、議案質疑でも述べたように、基幹的農業従事者は、2025年28572人で、2020年より11587人28.9%の減少です。年齢構成は、60歳以上が73.1%を占めている、という深刻な実態です。農業を引き継ぐ次の世代を育成することは重要です。そのハードルをあげるような授業料値上げは止めるべきであり、賛成できません。
以上、反対する理由を述べてまいりました。くらし、平和、人権をつらぬく県政へと物価高騰から、県民の暮らしを守る県政にしていくとともに、アジア・アジアパラ競技大会の成功にむけて平和の祭典となるよう、主催地として戦争反対を掲げて、イランへの先制攻撃は国際法違反であり許されないことを示していただくことを求めて討論を終わります。