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県民に不明示のままアジア競技費用増額は異常[本会議  早期議決暗に反対討論]

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日本共産党しもおく奈歩です。討論に先立ちまして、一言申し上げます。本日、3月11日は東日本大震災と津波、東京電力福島第一原発事故から15年を迎えました。犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。

ただいま議題となっております第68号議案 令和7年度愛知県一般会計補正予算および、第78号議案 高等学校等教育改革推進基金条例の制定について反対の立場から討論を行います。

 まず、第68号議案 令和7年度愛知県一般会計補正予算についてです。

 反対する理由は、アジア・アジアパラ競技大会基金に例年にも増して多額の積立てを計上することに大きな問題があるからです。

 第一に、今回積み立てる344億円の根拠と必要性があいまいなことです。アジア・アジアパラ競技大会そのものがいつの間にか肥大化し、簡素な大会からかけ離れたものになっており、この予算規模で開催していいのか、県民への十分な説明と合意を得る努力がおろそかなままの基金積み立てになっています。

積み立てた基金で大会費用のどの程度をまかなうか、目安も示されていません。

今までは、ほぼ百億円ずつの積立でしたが、今回の補正予算では一気に344億円を積み立て、大会基金は759億円となります。しかし、これでも愛知県の大会負担1773億円の約4割をまかなえるだけです。

私はこの議場で毎年くりかえし、大会経費の全体像と費用増加の経緯を議会と県民の前に明らかにすることを求めてきましたが、説明が不十分なまま開催年となり、愛知県の負担は当初の見込みの3倍以上となりました。

このままの大会規模と県民負担でほんとうに良いのか、いまからでも議会で、そして県民的な議論を通して、県民が納得し合意できる大会費用負担の全体像をまず先に確認すべきです。そのためには、補正で大会費用を先取りするのではなく、当初予算で必要な費用の全体像を示して、議論するべきです。

第二に、補正予算での県税収入の増加分の使い道についての検討が不十分なまま大会基金への巨額の積立を行っていることです。物価高騰と実質賃金の低下に苦しむ県民生活への支援こそ補正予算で優先的に手を打つべきです。

アジア・アジアパラ競技大会への巨額の積立を可能にしている理由の一つは、県税収入が1201億円も増額補正できたことです。

ちなみに最近数年間の2月補正をふりかえってみましょう。昨年(2024年度2月補正)は、県税収入で1816億円もの増額補正、大会基金への積立は106億円。一昨年は668億円の増額補正で基金積み立ては105億円、その前は1356億円ありましたが基金へは104億円です。財政調整基金からの取り崩しを抑えるためにもこの増額分は活用されていますが、一過性のイベントの費用だけではなく、物価高騰対策や賃上げ支援策などにこそ有効に活用すべきです。

ここ数年通り百億円はアジア・アジアパラ競技大会に使うとしても、それ以外は県民負担増の撤回と物価高騰対策への支援などに充てることは十分に可能です。

最後に、アジア・アジアパラ競技大会を成功させるうえで、アメリカとイスラエルによる国際法を無視したイランへの攻撃を見過ごすことはできません。アジア最大の平和の祭典を台無しにしかねない許しがたい暴挙です。この無法を正すことこそ必要です。アジア・アジアパラ競技大会を成功させるうえでも、中東での無法な戦争を止めるよう愛知県、県議会の意思を示すべきです。

 次に第78号議案 高等学校等教育改革推進基金条例の制定についてです。

 これは、国の「高校教育改革に関する基本方針」に基づく基金条例です。中身は、産業イノベーションの人材育成です。高校教育改革に関する基本方針の概要で、「高校から大学、大学院に至るまでの一貫した改革により、強い経済や地域社会の基盤となる人材を育成する」とありました。また、「全ての高校生が家庭の経済状況等に左右されることなく、希望する大学等への進学や就職等をし、それが個人の幸福につながり、ひいては、我が国の経済・社会の基盤を強いものとしていくことにつながる」ということも、書かれていました。

教育は、人材育成を行う場ではなく、財界のためのものでもありません。教育は、子どもの「人格の完成」をめざし、その尊厳を尊重しながら発達を支える個性豊かな営みです。子どもの権利条約 29条では教育の目的として「児童の人格、才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること」と規定しています。高校生の人間形成全体を見据え、高校教育の自主性を保障する改革へと進んでいくことが必要です。経済界の視野で高校をふりまわすことにつながる、条例には賛成できません。

教育を政治や経済に従属させてはなりません。人格の完成を目指す教育本来の目的に立ち戻ることを求めて討論を終わります。

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