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カジノは、犯罪の発生や風俗環境の悪化、青少年育成に悪影響、誘致をやめよ

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【しもおく奈歩議員】 令和8年度県予算第2款総務企画費 第一項政策企画費について伺います。愛知県は、2017年から「国際観光都市としての機能整備に関する研究会」の検討を行ってきました。その中で、統合型リゾートの検討についても、意見が交わされてきました。

 今回、2月12日の記者会見で知事が、「中部空港とその周辺エリアにカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致することを検討している」と発表しました。報道では「新型コロナの感染拡大で中断後も事業の実現可能性についての調査や、海外のIR事業者との接触を継続していた。その結果、米国の複数事業者が愛知県での整備に強い関心を持っている状況だ。」ということも書かれていました。

また、記者会見で大村知事は、県内を訪れる外国人観光客が他都市と比べて少なく、人口減も進んでいる点を挙げ、「県の魅力を増進させて人口流出に歯止めをかけ、国内外から人を呼び込んでいく必要がある」と、誘致検討の狙いについて説明したと報道されていました。統合型リゾートIRがどのように県の魅力増進につながると考えているのか伺います。

【政策企画局長】 統合型リゾート(IR)の県の魅力増進への効果について、お答えいたします。本県は、世界有数の産業集積地であるとともに、歴史・武将、山車、発酵食文化等の魅力ある観光資源を有しております。

 また、2019年8月に愛知県国際展示場、2024年3月に「ジブリパーク」5エリア、2025年7月にアジア最大級・世界最先端のスマートアリーナ「IGアリーナ」がそれぞれ開業し、2027年4月には愛知芸術文化センターへのコンセッション方式導入など、世界に誇れるエンターテインメント性の高い多様な施設を官民連携により創出しているところであります。

 こうした中で、統合型リゾート(IR)は、我が国を代表するスケールとクオリティを有するMICE施設や、利用者の需要の高度化及び多様化に対応した宿泊施設、日本の伝統・文化・芸術等を生かした我が国の観光の魅力の増進に資する施設、家族で楽しめるエンターテインメント施設等を一体として整備して、民間の自由な発想を生かした多様なコンテンツを提供するものであり、本県の魅力の増進につながる可能性があることから、事業実現の可能性について意見を聞いているところです。

【しもおく奈歩議員】 愛知県は、統合型リゾート(IR)を整備することで、「MICEを核とした国際観光都市」を実現し、本県の経済や観光を活性化させることを目指すこととし、ひいては、若年層の東京圏への人口流出に歯止めをかける契機とするとともに、その収益を医療福祉施策の強化を図るための安定的な財源として活用できるかを改めて検討することとしました。と、述べられています。しかし、ある社説では「カジノ市場は、米国ラスベガスや中国マカオなどの海外勢や、先行する大阪との奪い合いとなる。海外でのオンラインカジノの需要拡大も考慮すれば、集客は容易とは言えず、安定財源としての過度な期待は危うい」と指摘されています。

なにより一番の問題は、ギャンブル依存症拡大です。IRとは、カジノを中核施設とし、 ホテルや商業施設、遊園地などを含む統合型リゾートです。カジノはIR総面積の3%とされていますが、IR収益の8割がカジ ノです。他の施設はあくまでカジノへの集客のための施設です。収益が増えるほど、ギャンブル依存症に陥り不幸になる人も増えていくことになります。

愛知県の「MICEを核とした国際観光都市」の実現に向けた取り組みのなかで掲載されている「ギャンブル依存症について」の資料では「IRにおけるオフラインでのカジノについては、先に示した管理運営体制と啓発活動、また最新科学を駆使することで、カジノ内の利用者の行動観察から早期にギャンブル依存症を検知し、医学的観点から有用な介入(アクセス制限、相談支援)を行うことができる。」って書いてあり、カジノでギャンブル漬けにしておいて「ギャンブル依存症の早期発見」だなんて驚きました。依存する人をつくってはいけないんです。

カジノの推進は、勤労意欲減退や犯罪増長など社会的退廃を招くことにもつながります。家族を含め、まわりを不幸にすることを土台にした、経済の活性化や医療福祉施策の強化などあってはなりません。 ギャンブル依存症を招くことにつながる、IR誘致調査をやめるべきではないでしょうか。答弁を求めます。

【政策企画局長】 統合型リゾート(IR)の事業実現の可能性の調査について、お答えいたします。ギャンブル依存症対策については、藤田医科大学において専門的知見を有する精神科医から、統合型リゾート(IR)におけるオフラインのカジノは、オンラインと比較するとリスクが低い上、適切な管理運営体制と啓発活動、また最新科学を駆使することで、カジノ内の利用者の行動観察から早期にギャンブル依存症を検知し、医学的観点から有用な介入であるアクセス制限及び相談支援を行うことができ、これにより、むしろ我が国におけるギャンブル等依存症対策の起点となり、全体のギャンブル等依存症の低減にも資することが期待されるといった見解が示されています。

また、本県では、ギャンブル等依存症対策基本法、国のギャンブル等依存症対策推進基本計画を踏まえて策定した愛知県ギャンブル等依存症対策推進計画に基づき、対策に取り組んでおり、今年度中に次期計画を策定します。

次期計画には新たに、本年4月から藤田医科大学と刈谷病院に「愛知県依存症対策センター」を開設し、藤田医科大学の専門的な知見に基づく人材育成、刈谷病院の豊富な実績を活かした専門的な医療の提供と普及啓発という2つの側面から、総合的な依存症対策を推進していくことや、動画・SNS等を活用した若年者への普及啓発の強化、オンラインカジノの違法性の周知などを盛り込み、取組を強化してまいります。なお、シンガポールでは、2010年の統合型リゾート(IR)の開業を機に、包括的なギャンブル依存症対策を実施した結果、ギャンブル依存症が疑われる者の割合は低下しました。

 こうした観点も踏まえて、本県では、現在、統合型リゾート(IR)の事業実現の可能性について、民間事業者から意見を聞いているところであり、民間事業者に意見を聞くために作成した「中部国際空港島特定複合観光施設区域整備実施方針(案)」において、ギャンブル等依存症対策に対して万全の対策を講ずることとしています。また、民間事業者からも、事業者が行う依存症対策について意見を聞いてまいります。

【しもおく奈歩議員】 経済成長の手段として観光を位置づけ、「稼ぐ」ことを第一義になっていると思います。観光は、単なる経済活動ではありません。人が国境や地域を越えて行き交い、異なった文化や価値観、暮らしに触れて、相互理解を深める営みです。だからこそ観光は、国際社会において人と人を結び、分断を乗り越える力を持っています。

また、平和と友好の国際社会をつくることも必要です。しかし、高市首相の台湾発言により中国との関係が悪化する事態となりました。中国政府による日本への渡航自粛の呼び掛けを受け、中部空港では去年12月に中国の都市と結ぶ便は週56便ありましたが、2月時点で週24便となり、半分以下に減ったと報道されていました。

国際観光都市をつくるというなら、愛知県の文化や芸術、自然の豊かさなど県の持つ本来の魅力を発信するとともに、近隣国との友好な関係をつくっていくことが大事だと思います。平和と友好を築き、相互理解を深めていく立場に立って国際観光都市をつくるべきと考えますが、県の認識を伺います。

【政策企画局長】 国際観光都市に関する県の考えについて、お答えいたします。地方自治体の国際関連施策には、相手との信頼関係を醸成し、「友人」と呼べる関係性を築いていくことが求められており、地方政府間の交流により信頼が生まれることで、民間レベルの交流の促進も期待できます。

また、幅広い地域と良好な関係を構築することが、不確実性の高い時代におけるリスクの分散にもつながると考えております。

本県はこれまで幅広い地域と提携を締結してきており、「MICEを核とした国際観光都市」の実現を目指す上で、引き続き、これらの提携を活かしながら、愛知ならではの多様な魅力を発信し、文化、教育、ビジネス、観光等の多層的な交流を展開してまいります。

【しもおく奈歩議員】 国際観光を進めるうえで、もう一つ大事なのは住民合意です。観光政策は、「どれだけ多くの人を呼び込めたか」「どれだけ消費額を伸ばしたか」という数値を過度に追い求め、地域に暮らす人々の生活や観光振興政策についての地域住民との合意を後回しにしてはいけません。「住んでよし、訪れてよし」が尊重される取り組みが必要です。この点について、県の認識を伺います。

【観光コンベンション局長】 観光政策を進める上での、地域に暮らす人々の生活や地域住民との合意を尊重した取組の必要性に対する県の認識について、お答えいたします。

本県の観光振興基本条例では、その基本理念において、観光振興に関する取組は、「地域の生活環境等を維持しつつ、これらとの調和を図ることが地域の魅力を向上させるという認識の下に行われなければならない」旨定められております。

また、同条例に基づき、本県が策定した「あいち観光戦略2024-2026」では、観光によって、「訪れる人」、「住む人」、「働く人」の三者が満たされた状態の実現を目指すこととしており、こうした方針に沿って、地域資源の観光コンテンツ化やPR・プロモーション、受入環境の整備などに取り組んでいるところであります。

県といたしましては、魅力かつ活力に満ちた地域社会の形成が図られるよう、引き続き、市町村をはじめとする地域の皆様とも連携し、観光政策を推進してまいります。

【しもおく奈歩議員の要望

 カジノを含む統合型リゾートIRについて、「ギャンブル依存症になる人をつくらないためにもカジノはやめてほしい」「カジノよりも、県民の暮らしを見てほしい」と、声が寄せられました。

カジノについて先ほども述べたようにギャンブル依存症を増やすものです。また、犯罪の発生、助長や風俗環境の悪化、青少年への健全育成への悪影響にもつながります。統合型リゾートへ家族で出かけてその先に、カジノがあります。身近に当たり前にあるものとなれば、成長過程への悪影響になると思います。

 百害あって一利なしの統合型リゾートの誘致へ向けた調査は直ちにやめることを求めて質疑を終わります。

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