議会報告

農業後継者育成は、学費を上げずに、魅力ある農業大学校で

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【しもおく奈歩議員】 第37号議案 愛知県農林業振興施設条例の一部改正について伺います。愛知県は農業産出額は3551億円で全国8位、農業は重要な産業の一つです。しかし、基幹的農業従事者は、2025年28572人で、2020年より11587人28.9%の減少です。年齢構成は、60歳以上が73.1%を占めています。担い手を育てて、引き継ぐ方を増やすことは大きな課題だと思います。

岡崎市にある、県立農業大学校は「農業後継者や農業の担い手を育てる」大事な役割を担っている学校です。現在の学生数は、1年生90人・2年生76人で定数(一学年100人)を下回っています。先月、この学校へ視察に行ってきました。卒業後の主な進路は、50%が就農となっています。38ヘクタールの広大な敷地で、果樹や露地野菜、酪農の実習施設、農業機械の研修場所も備わっている、充実した施設でした。また、毎週水曜日に、実習販売を体育館で行い近所の方が学生が育てた野菜を購入し、地域住民ともつながる場所になっています。農業従事者を増やすうえで、この学校の果たしている役割をどのように認識しているのか伺います。

【農業水産局長答弁】 農業従事者を増やすうえでの農業大学校の役割についてお答えいたします。愛知県立農業大学校は、農業後継者の育成と農業者の生涯教育等を行うことを目的として1934年に設立された教育・研修機関であり、これまでに9,000名を超える卒業生を輩出してまいりました。

近年では、卒業してすぐに就農する方と、一度企業等に就職した後に就農する方を合わせ、卒業生の約半数が就農しており、例年50名近くの卒業生が農業者の仲間に加わっております。

農業者の高齢化や担い手不足が深刻化する中、農業大学校は、非農家出身者を含む就農希望者への教育・研修機関として、重要な役割を担っていると認識しております。

【しもおく奈歩議員】 この農大の魅力は、キャンパスの広さ、充実した資格取得、完全個室の全寮制、少人数による実践指導とともに、少ない経済負担であることも掲げられています。ところが、今議会に授業料を改定し値上げを行うことが提案されました。2027年度4月から段階的に値上げを行い2030年度には、118,800円にまで引きあがります。 授業料改定の理由に、教育内容の充実する財源確保とありますが具体的にどういった財源に充てていくことを想定しているのか伺います。

【農業水産局長答弁】 授業料改定を具体的にどういった財源に充てていくのかについてお答えいたします。

現在、農業分野では、スマート農業をはじめとした技術革新が急速に進んでおり、これらに対応するための専門的・実践的教育の強化が不可欠となっております。

また、女子学生や非農家出身者の増加など、学生の多様化が進む中で、個々の状況に応じたきめ細かな支援が一層求められております。

今回、授業料を改定して財源を確保することで、外部講師の活用による最先端のカリキュラムの導入や、スクールカウンセラーの配置による学生支援の充実などを図ってまいります。

 【しもおく奈歩議員】 今回の授業料値上げについて、「とんでもない。ここから後継者が巣立ち新規就農者が育っていく学校です。農業県でもある愛知県がそこに力を入れないのはどうかと思います。もっと学生を増やす努力をしてほしい」、「農業大学校は、農業後継者育成に不可欠な教育機関です。学生が学費を気にせず学んで、最新の知見を得て現場で活躍してほしいです。担い手育成に力を入れてほしい」という声が寄せられました。

 この学校は、8割が非農家出身で3割が普通科高校出身者です。農業に挑戦しがんばる若者を支え育てるのは県の役割ではないでしょうか。学費があがれば、挑戦への大きな壁になってしまいます。減免制度はあるものの、所得制限や多子世帯など条件があります。お金の心配なく学べる環境をつくることこそ必要で、値上げは認められません。学生に負担を押し付けるのではなく、農業の担い手育成へ魅力ある学校にするための財源は、公費で賄うべきではないでしょうか。県の認識を伺います。

【農業水産局長答弁】 農業の担い手育成に係る、学校財源の公費負担についてお答えいたします。

道府県立の農業大学校は全国に42校あり、本県を含む33校が短期大学と同等の学校教育法上の専修学校に位置付けられております。

この33校のうち本県を除く32校は、高等学校授業料相当の年額11万8,800円と同等またはそれ以上の授業料となっております。

今回の改定は、本県の農業大学校における教育内容の充実を図るため、現行の年額6万円を、全国の多くの農業大学校の授業料と同等の11万8,800円へと引き上げさせて頂くものであり、改定に当たっては、負担の急増を避けるため、3年間をかけて段階的に引き上げる緩和措置を講じて理解を得てまいりたいと考えております。

また、本県の農業大学校は専修学校であり、国の高等教育の修学支援新制度による奨学金や、低所得世帯、子ども3人以上を扶養する多子世帯への授業料減免の対象となります。

こうした支援制度を学生や保護者に紹介し、丁寧に相談に応じてまいります。

農業の将来を担う担い手の確保・育成に向け、意欲の高い学生に選ばれる魅力ある学校となるよう、農業大学校の教育内容の一層の充実にしっかりと取り組んでまいります。

【しもおく奈歩議員の要望】

農業大学校の重要な役割について答弁いただきました。授業料の値上げ理由は他県にそろえるためということでしたが、魅力ある学校にするためには、学費をあげない、通いやすい学校にすることが必要です。農業後継者を育てる魅力ある学校にぜひしていただきたい。

 

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