議会報告

「愛知県は、学校給食費の負担軽減を恒常的支援に踏み込め」          2025年6月本会議質疑

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【しもおく奈歩議員】 第131号議案 一般会計補正予算のうち、県立学校給食費等軽減対策支援金について伺います。

 この補正予算は、物価高騰対策の一つとして、提案がされております。「買い物に行くのがこわい」という声が出てくるほど、様々なものが値上がり、家計に打撃を与えています。昨年、認定NPO法人キッズドアが行った「子育て家庭アンケート」結果でも、「物価高騰の影響は深刻。3~4割の家庭では1人・1か月あたり1万円未満の食費で生活しており、約6割の家庭で、子どもの成長に必要な肉・魚や野菜、保護者の食事を減らしている。」「子どもが健康診断で栄養不良等の指摘を受けたとの回答も13%あった。」と、結果報告の中で述べられています。アンケートの回答には、「学校の諸費用の値上がりもあり、更に生活が苦しくなるのが目に見えています。」「物価だけ上がって収入あがらず、おまけに小学校に上がったため出費だけ増えほんときつい。」という、悲鳴の声で溢れています。物価高騰対策、子育て支援が求められています。

 今回の補正予算は、学校給食等の保護者負担軽減へ、学校給食等の食材費上昇分の支援としています。一人あたり、一食100円。これは、消費者物価指数をもとにしたものだと伺っています。対象期間は、夏季休業期間を除き、6月から9月で実質3ヶ月ということです。2月の補正のときは、1食につき、110円でした。食品の価格がその時より下がったという実感を知事や教育長はお持ちでしょうか?生鮮食品は、若干キャベツやレタスが値下がりしたことで、消費者物価指数は下がっています。しかし、全体的には春より下がったという実感にはなっていないと思います。

 そこで、以下3点伺います。

  • 学校給食は、日常的に出費が大きな負担になっているものです。短期間の支援では不十分です。なぜ、長期的に支援を継続する形にしなかったのでしょうか。県のお考えを伺います。あわせて、実質3ヶ月とした理由について、お示しください。
  • 今回、一食100円と前回から10円減となった理由について、生鮮食品の消費者物価指数をもとに計算されたということです。しかし、米の値上がりもあり、実感としては苦しい状況は変わっていません。例えば、消費者物価指数で数字を出した際に、切り上げて110円にするということもできたのではないでしょうか。そうしたことは、検討されなかったのか伺います。
  • 物価は上がり続けているのに賃金は上がらず、実質賃金は下がる一方です。家計においてあらゆるものが値上がりしている中で、給食費の負担を減らすということが必要だと思います。

  この補正予算の財源は、国の交付金22億円に加えて一般財源から12億円充てられています。物価高騰対策、保護者の負担軽減というのであれば、国の少ない交付金を補う意味でも、県民のための物価高騰対策にもっと県費を投入すべきではないでしょうか。県費の投入額が、あまりにも少なすぎると思います。

そこで伺います。保護者負担軽減のため、思い切って県の財源を上乗せして、給食費の支援を拡充すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

【教育長】 はじめに、長期的な支援を継続する形にしなかった理由及び実質3か月とした理由について、お答えいたします。本県では、食材費等の物価高騰が顕著になった2022年以降、物価高対策として給食費の支援を行ってまいりました。今回、国が本年5月に示した物価高対策では、電気料金、ガス料金の支援期間を2025年7月から9月までの3か月間としていることから、給食費の支援についても、対象期間を2025年6月から9月までの夏季休業期間を除いた実質3か月としております。

 次に、1食あたりの支援額を100円としたことについて、お答えいたします。給食費の1食あたりの支援額は、総務省が公表している生鮮食品の消費者物価指数をもとに算出しております。今回は、直近の2025年4月と物価高騰前の2021年3月の指数を比較して算出したところ、食材費の上昇分が100円に限りなく近い額となったことから、1食あたりの支援額を100円としたところでございます。

 最後に、給食費の支援拡充について、お答えいたします。今回の給食費の支援は、学校給食に使用する食材費等が高止まりする中、国の物価高対策を踏まえ、給食費の保護者負担の軽減を図るために、実施するものでございます。今後も物価の動向を注視しながら、国と連動した対応を行ってまいります。

【しもおく奈歩議員】 物価高騰は、暮らしと健康、命に関わる問題です。国の交付金頼みの小間切れ支援ではなく、愛知県が率先して、学校給食費の負担軽減を恒常的な支援へとさらに踏み込んで行うべきであるということを要望し、質疑を終わります。

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