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岩手県が最賃の大幅引上げと事業者支援   しもおく県議が岩手県視察

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 下奥奈歩議員は1月8・9日、岩手県庁を訪問し、県庁各課から「賃金引き上げと小規模事業者支援」「岩手県いわての子どもを健やかに育む条例」「全国一多い県立病院と地域医療」について、聞き取り調査を行いました。

 いちばんの目的は、岩手県独自の賃上げ支援策についてです。この取り組みを学び、愛知県にも要望していきたいと思い岩手県に向かいました。

 岩手県では令和5年12月補正で、「物価高騰対策賃上げ支援金」を設置、従業員1人当たり50円以上(1時間あたり)の賃上げ(1年間継続)を行った中小企業等を対象に従業員1人あたり5万円(最大20人分・100万円限度)を支給しています。そのために、21億円を計上しています。支給実績(最終)は、見込みを上回る2889件(個人事業主359件・法人2530件)、20313人で、7割が20人以下の事業者でした。

 さらに令和6年12月には事業規模を拡充し、「従業員1人あたり6万円、最大50人300万円限度」となりました。予算額は、19億4千万円です。令和7年2月から募集を始めます。日本共産党岩手県議団は、物価高騰対策の重要な施策として、評価しています。

 聞き取り調査の後、斉藤信日本共産党岩手県議と懇談しました。斉藤県議は、「賃上げ支援金の実現には、岩手県がコロナ禍時からエネルギー価格・物価高騰時まで四半期ごとに中小企業経営実態調査(県商工会議所・商工会に委託)を続け、中小事業者の深刻な経営状況を把握し続けてきたことが大きく貢献した。個人事業主の家族従業員も対象、給料払っている実態があれば認めており、民商からもありがたいと評価された」「一方で、支援金は大きな前進だが、一社あたり人数や金額の上限が厳しい。中堅企業には恩恵が少ないとの意見がある。」と、お話しをされました。令和6年8月の中小企業経営実態調査(456事業者)では、エネルギー価格・物価高騰により、92%が「経営に影響している」、62%が「利益率が低下している」、68%が「人件費引き上げ分を転嫁できない」、79%が「価格転嫁率は30%未満に留まっている」、43%が「賃金の引上げが経営課題になっている」など、深刻な中小・零細企業の実態が浮き彫りになっています。

斎藤県議は「課題もあるものの、今回の事業は賃上げ促進への効果があり、政策が歓迎された」「必要な収入が得られていると実感できるようにしたい。働く人が県内に定着してほしい」という思いを語られました。

 岩手県最賃、国の目安50円を9円上乗せさせる

 岩手県の達増知事は令和6年年5月の岩手労働局最賃審議会に自ら出席し(前年までは部長が対処)、「全国最下位の岩手県の最賃は、都市部のみならず隣県との格差が生じている。人材が安心して県内に定着し、やりがいと生活を支える所得が得られる仕事につくことができるよう、地域別最賃の改正に向け充分な御議論を」と要望もしていました。その結果、岩手労働局最賃審議会は、国の目安引き上げ額50円を9円上乗せさせ、952円を答申しました。(※ 令和6年度の都道府県の最賃は、徳島県をはじめ27県が国の目安額を上回る額で答申した。「定額のままに置かれる地域の労働者の怒りと、地域経済の格差、人手不足がもたらす弊害から地方を守るための反乱とも言える」(学習の友社「2025年国民春闘白書データブック」より)。

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