議会報告

「学校給食無償化へ、愛知県は市町村へ半額補助の決断を」  
2024年9月議会 教育・スポーツ委員会 一般質問

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【しもおく奈歩議員】 学校給食無償化を求め、質問していきます。学校給食は、生きた教材であり、教育の一環です。子どもの権利保障の点でも役割を果たしています。

 今、愛知県下の市町村のなかでも、学校給食無償化が少しずつ進んできています。しかし、小中学校で完全無償化や半額補助のところ、全く取り組んでいない地域と、バラバラです。平等であるべき教育に、財政力の違いによる地域間格差が生じている実態を県はどのように認識していますか?

【県教委・担当課長】 県内市町村の給食費無償化の取組状況は、全て無償化を行っている市町村が4市2村あり、期間や対象を限定して無償化を行っている市町村が8市3町ございます。

 学校給食法では、給食の食材に係る費用については保護者の負担とされておりますが、これに対して小中学校の設置者である市町村が、それぞれの実情に応じて判断し、補助を行っているものと考えております。

 【しもおく奈歩議員】 命や健康に関わる問題や教育について、格差が生まれない取り組みを県の責任で進めていく必要があると思います。この間、物価高騰というのは本当に深刻で、各自治体にとっては、学校給食費を値上げするか、若しくは給食の食材の質を落としたり量を減らしたりして対応するか迫られるような状況となっています。岡崎市では、今年の4月から小学校 1食あたり240円が 270円(負担増加額30円)に、中学校 1食あたり275円が315円(負担増加額40円)と値上げされました。さらに、日進市でも、学校給食費の値上げが提案されました。また、豊川市では給食の献立から一品減らされたという話も伺いました。子どもたちの成長・発達にとっても、保護者の負担にとっても深刻な状況です。

給食の質・量の確保も、子育て世帯の負担軽減も、どちらも大事ではありませんか。現状をどのように認識していますか。答弁を求めます。

【県教委・担当課長】 学校給食の質や量の確保につきましては、国が定める「学校給食実施基準」に従って、学校設置者である市町村が献立を定め、取り組んでおります。

 子育て世帯の負担軽減につきましては、国が、「骨太の方針2024」において、「学校給食無償化の課題整理等を行う」としておりますので、国全体として学校給食費等の負担の在り方を抜本的に整理した上で、国の責任で財源を含め具体的な施策が示されるものと認識しております。

【しもおく奈歩議員】 各自治体が学校給食費の値上げをしなくても済むようにしていく必要があります。東京都は、今年度より「東京都公立学校給食費負担軽減事業」として、小中学校の給食費無償化へ半額補助を行いました。その後さらに9月議会には補正予算で、すべての市町村が学校給食の無償化を実施できるように、市町村の一般財源を補完するための「市町村総合交付金」を拡充することが提案され、市町村の負担は1/8まで減ることになります。こういった都の後押しを受けて、学校給食無償化や一部無償化の自治体が広がり、未実施は62区市町村中あと2市のみという所まできました。

他にも、和歌山県が小中学校の給食費無償化へ半額補助、沖縄県は中学校のみ半額補助を行っています。また、青森県は、県の責任で公立小中学校と国立、私立、特別支援学校も対象にして給食費の無償化を実施する方針を打ち出しました。都や県段階での支援がはじまり、拡充されています。

 学校給食費の負担は、子育て中の方にとって日々の生活に大きく影響してきます。豊橋市民から「本来喜ぶべき子どもの成長にため息が出ることもあります。3,4か月経つと子どもの靴のサイズは0.5センチくらいすぐに大きくなります。上履き980円、体育館シューズ1890円、日常の靴2900円で5770円かかります。体操服も成長するたびに買い替えが必要ですが、余裕がありません。さらに、痛いのが無償だった豊橋市の給食費は半額補助になってしまい、子ども二人で毎月5000円の出費です」と、悲鳴のような声を聞きました。

 そこで、伺います。県内の地域間格差を解消し学校給食無償化の後押しへ、国への要望はもちろんですが、まずは愛知県自ら市町村へ半額補助を行うことを決断していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

【県教委・担当課長】 県としましては、学校給食費は、国の責任で財源を含め具体的な施策を示すべきと考えており、引き続き、国に対して要請を行ってまいります。

【しもおく奈歩議員】 県の責任として、県が市町村へ補助すべきと考えますが、いかがでしょうか。

【県教委・担当課長】 国の責任で財源を含め具体的な施策を示すべきと考えております。

【しもおく奈歩議員】 東京都は、「本来国が行うこと」と強調した上で、「国が実施するまでの間、学校給食費の負担軽減へ市町村の取り組みをさらに後押ししたい」と、学校給食費への財政支援を拡充すると発表しました。国の動きを待つだけじゃなく、国が実施するまで市町村の取り組みを後押しする、県の役割を果たすべきです。

  学校給食無償化について委員会の答弁の中で、「小中学校の設置者である市町村が、それぞれの実情に応じて判断し、実施されるもの」と繰り返し述べられてきました。県立の学校の設置者は、愛知県ですから、そこへの責任も果たしていただきたいと思います。

 東京都では、特別支援学校など都立学校の給食費については、設置者として都が負担をしています。都立学校給食費負担軽減事業として、今年度は20億円の予算となっています。定時制高校では、「無償化されたことで喫食率がグンとあがり生徒も教員も喜んでいる」というお話を伺いました。また、中高一貫校の中学校も都が無償化を行っているそうです。

 そこで、県立学校の設置者である愛知県として、特別支援学校や定時制高校の学校給食無償化へ踏み出していただきたいと思いますがいかがでしょうか。答弁を求めます。

【県教委・担当課長】 中高一貫校の附属中学校や特別支援学校の給食につきましては、国の責任で財源を含め具体的な施策を示すべきと考えており、引き続き、国に対して要請を行ってまいります。

 夜間定時制高校の給食につきましては、働きながら学ぶ青年に提供することを目的に実施されており、特別法において、食材費については、生徒が負担するものとされております。

【しもおく奈歩議員】 愛知県内どこに住んでいても、質の高い給食を無償で、すべての子供たちに食べさせていく、そして地産・地消の給食で、地域活性化も求めていく、こういうことを愛知県の責任で取り組んでほしいと思います。教育予算しっかり確保して、学校給食の負担軽減と質の確保・充実を要望し質問を終わります。

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