議会報告

「生理用品をすべての高校トイレに」 
2024年6月  教育・スポーツ委員会一般質問 

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【しもおく奈歩議員】 生理用品をすべての高校トイレに設置することについて伺います。

 昨年、生理用品をすべての高校トイレに設置を求め質問させていただきました。

 今回は、まずその後の状況について伺います。昨年の委員会での答弁で「生理用品のトイレへの設置状況について、今年度の各学校の状況を調査する予定です。来年度に向けて、その結果を踏まえて取り組んでまいります」という答弁をいただきました。

 そこで、伺います。前回の委員会の後に、高校のトイレへの生理用品の設置状況をすべて調査したと事前に伺いました。調査結果を、すべてのトイレに設置・一部トイレに設置・未設置、それぞれお示しください。

【県教委・担当課長】 今年度の4月に実施した調査によりますと、生理用品の設置状況は、県立高校150校のうち、全てのトイレに備え付けている学校が、18.7%に当たる28校、一部のトイレに備え付けている学校が、29.3%に当たる44校、トイレには置かず、保健室等で手渡しをしている学校が、52.0%に当たる78校でありました。

 【しもおく奈歩議員】一部の トイレに設置されている学校もあるものの、すべてのトイレに設置している数だけみると18.7%とまだまだ進んでいない状況です。取り組みを加速させていくことが必要です。

 続いて、予算についてです。昨年、委員会の答弁の際、生理の貧困に対応する予算額について確認させていただきました。昨年度は、215万1千円でした。事前に、今年度の予算額も確認させていただき、203万5千円ということでした。

 そこで、伺います。この積算根拠をお示しください。また、昨年より今年度のほうが、予算が減っている理由はなんでしょう、答弁を求めます。

【県教委・担当課長】 まず積算根拠についてお答えします。この事業は、生理の貧困の取組として行っているため、奨学給付金受給者数をベースとして、全ての女子生徒の8%にあたる人数に、必要枚数と、長期休業期間を除いた所要月数を乗じて積算しています。

 また、前年度より減額になっている理由は、女子生徒全体の人数が減少したことと、生理用品の単価を、実績ベースで見積もったことにより、前年度よりも下がったことによるものでございます。 

【しもおく奈歩議員】  積算根拠は、現在奨学給付金を受けている女子生徒を対象にしたものということです。それだけでは大変不十分です。 

「人権の観点からも、必要な時に生理用品を入手できるようにすることは大切」

 昨年の委員会答弁では、「人権の観点からも、必要な時に生理用品を入手できるようにすることは大切」と、重要な答弁もいただきました。ぜひ、この観点で取り組んでいただけることを期待したいと思います。

 すでに、学校のトイレに生理用品が設置された他の自治体では「緊急時やナプキンを忘れたときに助かった」「保健室に取りに行くのは恥ずかしかったけど、安心につながった」という声があったそうです。また、愛知県内でも、小中学校のトイレに生理用品が置かれることになった話を聞いた高校生から「高校にもあるといいなぁ」と声が寄せられたと聞きました。子どもたちから、求められています。

 岡山県の公立高校のトイレに生理用品を置くことを目指している高校生たちが、ニーズを把握するための実証実験を行ったという報道がありました。実験とともに、行ったアンケートでは、生徒965人のうち7割以上が「トイレに置かれた生理用品を使った」と回答。また急に生理になった時などに安心できるといった肯定的な意見も寄せられたそうです。

 そこで、伺います。生理用品は、全ての子どもたちが心身の健康を維持し、安心して学校生活を送ることができる環境整備の一環として必要なものです。今回の調査を踏まえて、トイレットペーパーと同様に、女性にとっては日常的に使う生理用品も、社会的インフラとして位置付けて、すべての高校トイレに設置へと予算を増額し積極的に取り組めるよう後押しすべきと考えますがいかがでしょうか。答弁を求めます。また、全ての高校トイレに設置する場合の試算を、1人が一日に必要な生理用品の枚数を基に、お示しください。

【県教委・担当課長】生理用品に関しましては、種類やメーカーが多様で使い慣れた製品を自分で持つというのが、今のところ社会の一般的な感覚だと考えており、学校には経済的理由や急な生理、生理用品を切らした場合などに備えて、生徒が安心して学校生活を送るために必要な環境整備が求められているものと考えております。

そのため、トイレに置いたり、保健室等で配付したりすることにより、必要な生徒の手に確実に届くようにしてまいります。

全ての高校トイレに設置する試算ではありませんが、女子生徒が学校以外で使う分も含めて、1回の生理で20枚程度使用するとし、所要月数を10か月として計算すると、おおよそ2億400万円程度となります。

【しもおく奈歩議員】 生理が始まったばかりの数年は、周期が不安定だと言われています。生理が始まる時期も個人差があります。トイレに入って気づいて生理用品が必要になったときに、手に届くトイレの個室においてあることは安心につながります。短い休み時間に保健室まで取りに行ってまたトイレに行ってというのは、苦痛ですしその間に下着を汚し制服についてしまう不安もあります。

 前回の委員会で、生理用品の配布について「コミュニケーションを伴う保健室での配付や、対面によらないトイレへの備え付けなど、学校の実情に応じて、生徒の手に届きやすい方法で配付するよう指導してまいります」と、述べられていました。また、生理用品を取りに来た生徒と養護教諭がコミュニケーションを行うことが、貧困やネグレクトなどを早期に発見する機会にもなっていると聞いております。・・とも、伺いました。

 そこで、伺います。貧困やネグレクトなど深刻な悩みや自分の体に関すること、学校生活で悩みを持っているのは、生理のある生徒だけではありません。スクールカウンセラーやソーシャルワーカーの増員、教員不足の解消をすすめ、生理用品をもらいにいったときではなく、いつでも気兼ねなく相談できる体制をつくることこそ必要ではありませんか?答弁を求めます。

【県教委・担当課長】 議員お示しのとおり、生徒のもつ悩みは様々であります。また、誰にも相談できずに一人で悩みを抱えてしまう生徒もおります。そのため、日頃から教員が生徒一人一人に寄り添い、小さな変化に気づき声掛けをするとともに、専門的知識をもつスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携して対応することが大切であると考えております。今後も引き続き、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの拡充に努め、生徒が悩みを相談しやすい環境づくりをすすめてまいります。

【しもおく奈歩議員】 ⽣理⽤品へのアクセスのサポートは、⼥性の⽣涯を通じた健康を守るための重要な取り組みです。ぜひ、生理用品をすべての高校トイレに設置されるよう、積極的に進めていただきたいと思います。

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