議会報告

県美術館・陶磁美術館の独法化で「表現の自由」は守れるか
2024年5月臨時議会

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自席から議案質疑する下奥奈歩議員 通告に従い、4議案について順次伺っていきたいと思います。

まず、第93号議案 令和6年度愛知県一般質問補正予算についてです。これは、県文化施設の活性化の名のもとに、愛知県芸術文化センターへの民間活力の導入や県美術館・陶磁美術館の地方独立行政法人化についてそれぞれ可能性や効果を検討していくものです。

 独立行政法人化は、首長が理事長を任命します。その理事長は、大企業も含めての選任ということだと伺っています。そうなると、効率性、採算性といった経営的視点が持ち込まれ、いずれ目先の収益にとらわれていってしまうのでは、と危惧されます。人件費削減も心配されます。

 Q1美術館は本質的に市場原理や効率性、採算性とは相容れることのないものです。広く市民に文化的研究の成果を享受させる文化教育施設としての本来の役割を果たすには、県が直営で行うべきではないでしょうか。認識を伺います。

 次に、展示内容についてです。2019年にあいちトリエンナーレの企画のひとつ、「平和の少女像」など展示された「表現の不自由展・その後」の展示が行われました。「表現の不自由展」とは、2015年に東京のギャラリーで開催された展覧会であり、検閲や忖度によって展示される機会を失った、つまり表現の自由が与えられなかった作品を集めた展示です。その続編として、愛知で開催されました。暴力や脅迫により、一度は中止に追い込まれましたが関係者や市民団体の間で展示再開を求める声がひろがる中で、再開されました。

 Q2そこで、伺います。憲法21条は「表現の自由」を定めたうえに、2項で検閲の禁止を明記しています。独立行政法人化された場合でも、「表現の不自由展~その後」のような展示も、表現の自由が保証されるのか伺います。

続いて、第94号議案~96号議案についてまとめて伺っていきたいと思います。

 この3つの議案は、損害賠償の額の決定及び和解をするものです。医療的ケア児アドバイザー事業、地域アドバイザー事業、障害児等療育支援事業これらはいずれも、県の誤認により消費税額を計上せずに当該委託契約を締結していたため、相手方に非課税取引であると誤信させ、損害を与えたものです。

 障害者総合支援法に基づく「障害者相談支援事業」を民間委託する、委託料を消費税非課税と誤認し、委託先業者の未納分の消費税を負担する事態となりました。

社会福祉サービスとしてなくてはならないものであり、事業継続のための経営上の視点からも社会福祉事業として、非課税の対象にと、国に求めすべきです。県の見解を伺います。

【県民文化局長】

愛知県美術館と陶磁美術館の地方独立行政法人化の検討についてのお尋ねのうち、初めに地方独立行政法人化を対象とした考え方をお答えいたします。

本年4月に作成した 「愛知県文化施設活性化基本計画」では、両美術館の課題として、更なる魅力向上や誘客策が必要であることから、貴重なコレクションや広い空間等のポテンシャルを活用すべきとしております。

さらに、予算執行の単年度主義などの公共特有の制約により、柔軟な経営や運営ができていないことから、中長期を見据えた戦略的な投資や機動的かつ柔軟な予算執行を可能とするとともに、広報などの専門人材を美術館の判断により採用・配置する権限を持つことが必要としおります。

 これらの課題を解消するため、直営、包括委託、指定管理、コンセッション、地方独立行政法人といった各種の運営手法を比較検討いたしました。その結果、両美術館については、持続可能な美術館活動の実現が可能であり、魅力の向上や来館者の増加につながる運営が可能となる地方独立行政法人化が最適であるとして、検討の対象といたしました。

次に、地方独立行政法人化による展示内容への影響についてお答えします。両美術館が地方独立行政法人となった場合でも、公の施設である県立美術館として、美術的、歴史的に貴重な作品を収集し、保存する、また、県民の皆様に優れた作品を幅広く鑑賞する機会を提供するといった役割は変わらないことから、 展示内容に関する基本的なスタンスは引き継がれるものと考えております。

 最後に、地方独立行政法人化による職員の給与についてお答えします。 本県における地方独立行政法人制度の導入につきましては、愛知県公立大学法人の事例があり、職員の給与については、県の給与制度に準じた制度が設計され、県の給与改定に合わせた見直しも、適宜行われております。

 今回の愛知県美術館及び陶磁美術館の地方独立行政法人化に際しても、給与制度の設計にあたりましては、愛知県公立大学法人と同様に、法人の経営状況による給与制度への影響がないよう、県の制度を参考に検討してまいります。

【福祉局長】

 損害賠償の額の決定及び和解に関する質問のうち、まず、対象となる相手方の数等についてお答えいたします。

 賠償につきましては、相手方が修正申告及び追加納税し、額が確定したものから順次実施しているところですが、賠償の対象となりますのは32事業者に対する2018年度から2022年度までの5年間に締結した障害児者の相談支援に関する事業等の委託契約に係る消費税と延滞税でございます。

賠償額の総額は概算で約3千万円を見込んでおりますが、賠償額が確定するのは修正申告等がすべて完了したのちになります。

 次に、県内市町村の実態と対応状況について、お答えいたします。社会福祉法人などに事業を委託する際、本来課税対象であったものを非課税としていた場合については、事業実施主体である各自治体と事業者との協議により対応されるものであります。そのため、県として県内市町村の実態と対応状況について把握する予定はございませんが、これまでも市町村から相談があった場合には、県の取扱いを説明しているところであります。

 次に、県から国への働きかけについて、お答えいたします。今回の件については、昨年10月4日にこども家庭庁及び厚生労働省通知により、自治体が行う障害者相談支援事業等は社会福祉法に基づく社会福祉事業に該当せず消費税の課税対象であることが示されたことを受けて、本県においても確認を行ったところ、本来は課税対象であるにも拘らず非課税として委託していた事業があることが判明したものです。

 県といたしましては、まず、障害児者の相談支援に関する事業を始め、非課税となる事業の範囲を明確化することなどが必要と考え、これまでも国に対し、様々な機会を捉えて働きかけを行っているところであります。

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