議会報告

「生理用品をすべての高校トイレに」
2024.3.15教育・スポーツ委員会 一般質問

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【しもおく奈歩議員】

 今、生理用品の無償提供が国際的な流れになっています。生理用品が買えないと、仕事や学校を休んだり、女性の精神面にも影響を与えたりする可能性がある。そこで、この格差を「生理用品の無償化や無料配布」で解消し、女性の社会参加や教育機会を促進する、国や地域が増えています。現在、10か国以上で生理用品の無料配布が行われています。スコットランド、ニュージーランド、アメリカなどです。

 日本では、新型コロナウイルス感染症の影響による経済不況で、生理用品を手にすることができない「生理の貧困」が浮き彫りになりました。

 単なる貧困対策だけはなく、すべての女性にかかわる人権の問題「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ」性と生殖に関する健康と権利として考えることが必要です。生理用品が無いということは、日常生活・学校生活をまともに営むことができないということにつながります。

 Q1そこで伺います。生理用品は、女子生徒にとって、安心して、学校生活を過ごすうえで必要不可欠なものであると、認識されているのか伺います。また、貧困対策としてだけではなく、人権の視点で捉えることが必要と考えますが、認識を伺います。

【県教委・担当課長】 生理用品は、生徒が学校生活を送るうえで必要なものの一つであると認識しております。また、女性にとっては必要不可欠なものでありますので、人権の観点からも、必要な時に生理用品を入手できるようにすることは大切であると考えております。

【しもおく奈歩議員】

 権利を守る視点にたって、考えることが必要です。「みんなの生理」という団体が、【日本の若者の生理に関するアンケート調査】を行いました。その中で、生理用品の入手状況に関する質問がありました。

その結果は、他の物を我慢して代わりに生理用品を購入するなど「生理用品を 買うのに苦労した」と回答したのは約5人に1人の割合だったさらに、金銭的な理由で 「友達などに生理用品をゆずってもらったことがある」、「生理用品を交換する頻度・回数 を減らした」、「生理用品でないものを使った」、「生理用品代を節約するために生理用品 の種類を変えた」についてもそれぞれ約3割の人がその経験をしたという実態が明らかになった、と公表されていました。

健康に関わるものなのに、節約のために不衛生な状態を強いられている人がいる、深刻な実態です。生理用品の入手が困難なとき、生理用品の交換の回数を減らしたり、生理用品でないものを使ったり、あるいは、一日中つけっぱなしにせざるを得なかったりすれば、かぶれやかゆみなど健康トラブルが起こります。

 Q2そこで伺います。生理を経験する子どもたちが、安心して学べて、健康に快適に過ごせる環境づくりを進めていくことが必要だと、考えます。そのためにも、すぐに生理用品にアクセスできるよう、県立高校のトイレに置くことが必要と考えますが、認識を伺います。

【県教委・担当課長】 県立高校では、生理用品をトイレに置いている学校もございますが、女子生徒が多い学校などでは、トイレットペーパーと違い、すぐになくなってしまいがちですので、必要な生徒の手に確実に届くよう、各学校にはトイレにも置きながら、保健室等でも配付できる体制をとるよう依頼しております。また、生理用品を取りに来た生徒と養護教諭がコミュニケーションを行うことが、貧困やネグレクトなどを早期に発見する機会にもなっていると聞いております。

【しもおく奈歩議員】

生理がある生徒にとって、生理用品は必需品です。だからこそ、全てのト イレに当たり前に必需品として置かれているトイレットペーパーと同様、 「自然に」配置するべきものです。

 Q3愛知県内の学校で、トイレに生理用品を設置してある県立高校が、何校あるのか、お示しください。また、実際に利用した子どもたちの声を聞いているのかも合わせて、伺います。

【県教委・担当課長】今年度から「生理の貧困」に対応するための予算を措置し、各学校に配分しておりますので、取り急ぎ一部の学校の配備状況を聞き取ったところ、33校のうち、全てのトイレに備え付けている学校が13校、一部のトイレに備え付けている学校が10校ありました。子どもたちの声については把握しておりません。

今後、今年度の各学校の状況を調査する予定です。来年度に向けて、その結果を踏まえて取り組んでまいります。

【しもおく奈歩議員】

 Q4 今年度の「生理の貧困」に対応するための予算額はいくらですか。

【県教委・担当課長】 今年度の予算額は、約215万円です。

【しもおく奈歩議員】

 東京都では、東京都立学校250校で、生理用品の配布がスタートしました。 公費で生理用ナプキンを購入し、女子トイレに配置されました。学校によって差はあるものの、少ない学校で月70枚、多い学校で月300枚 程が使われているそうです。

以前は生理用品が必要になった生徒は保健室に行き、必要な旨を伝えて受け取るスタイルでした。 実際に生徒が使った生理用品は、年間で10枚ほど。しかし、5月に女子トイレでの配布を初めてからの半年間で、800枚が使われたということです。 利用は単純計算で、160倍にも増えたことになります。

また、神奈川県では、来年度予算案に「県立高校の女子トイレへの生理用品設置」に、約328万円計上しています。また、令和4年に生理用品がトイレに置かれたことへのアンケートをとっていて、「95%が学校のトイレに置かれていることで、安心して在校時間を過ごせる」と回答。「今後もあるとよいが、99%」という結果になったそうです。

さらに、千葉県では、すべての県立高校で生理用品の提供をし、任意で利用状況を把握しています。

Q5そこで伺います。生理用品を県立高校のトイレへ設置することは、不安を抱えながら授業を受けている生徒にとって、気兼ねなく利用でき、不安の解消にも繋がることだと思いますが、この点について県のお考えを伺います。

 【県教委・担当課長】生理用品を学校に持参することができない生徒が、必要な時に気兼ねなく使えるようにすることは大切なことでありますので、引き続き各学校に対して、コミュニケーションを伴う保健室での配付や、対面によらないトイレへの備え付けなど、学校の実情に応じて、生徒の手に届きやすい方法で配付するよう指導してまいります。

【しもおく奈歩議員】  

生理用品の無償化は、経済的な負担を減らし、あらゆる女性が尊厳をもって生理期間を過ごすために重要なことです。生理用品が入手できずに、学ぶ機会が奪われることが起こらないように、すべての高校トイレに生理用品が設置できるよう、よろしくお願いいたします。

今回、生理用品を学校のトイレに設置してほしい、ということで質問させていただきました。それだけにとどまらず、包括的性教育も必要です。生理への無理解、タブー視をなくし、生理を経験する子どもたちの権利を守るために、みんなの問題意識として一緒に考えていってほしい、ということを申し上げ質問を終わります。

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