議会報告

アジア競技基金積立は、2月補正ではなく当初予算で
2024年3月11日本会議

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ただいま議題となっております第69号議案、令和5年度愛知県一般会計補正予算(第7号)について反対の立場から討論します。

この補正予算では、アジア・アジアパラ競技大会基金へ104億7099万8千円を積み立てることとなっています。2026年開催予定のアジア競技大会・アジアパラ競技大会については東京五輪の苦い経験も踏まえて、できるだけ簡素な大会にするとのことですが、それでも愛知県としてアジア競技大会の負担額400億円に加えて、アジアパラ競技大会の負担額が必要とされています。その負担を大会開催の年の予算で全てまかなうことは難しいので、アジア競技大会の開催に必要な財源を確保するのを目的に、2022年2月議会でアジア・アジアパラ競技大会基金設置条例が制定されました。

一般会計から基金に積み立てるのは2021年度が100億円、2022年度が103億円、今回が104億円と、毎年度約100億円が確保されています。

問題は、この基金への積立が毎年の2月補正予算で組まれていることです。補正予算とは年度途中でおきた災害などへの対応や国の新たな補正予算への対応、税収や支出の予想以上の増減に対応するために編成されるべきものです。ところがこのアジア・アジアパラ競技大会基金への積み立ては、計画的な予算の執行そのものではないでしょうか。予算が余ったから積み立てるという性格のものではありません。いつも厳しいと言われる財政状況の中です。毎年、100億円もの余剰金が出るのなら、物価高騰対策など県民のくらしにこそ充てるべきではないでしょうか。

この基金へ計画的に積み立てることは当初予算には全く計上されていません。補正予算で100億円を積み立てることを見越した予算編成をしているということになります。ということは、当初予算を議決しながら、あらかじめ100億円は使わずに残しておくことが暗黙の了解になっていると言わざるを得ません。これで予算編成の審議ができるのでしょうか。予算への県民の信頼が損なわれるのではないでしょうか。

予算の執行状況が刻々と変化することはあり得ますが、大会経費にはいくらかかるか、秘密にしておくような予算ではありません。基金条例まで設置して毎年約100億円ずつ積み立てているのですから、堂々と当初予算で組むべきではありませんか。

100億円もの積み立てを計画的に行っているのに当初予算には1円も計上せず、補正予算で対応するというのは、県民にとって愛知県予算の全体像がわかりにくいものになり、透明性の確保という点でも問題です。

アジア・アジアパラ競技大会の必要経費を積み立てるという趣旨は理解しますが、補正予算での一般会計から基金への積み立てという手法は大きな問題です。当初予算の審議を前にして再検討すべきです。問題提起の意味もこめて、反対であると申し上げて討論とします。

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