【下奥奈歩議員】
令和6年度予算案の歳出第9款 教育スポーツ費 第4項高等学校費について、伺います。
今回、来年度予算案に「県立学校体育館等への空調設備の整備」の予算が盛り込まれました。このことは、熱中症対策として求めてきたので歓迎したいと思います。
私は、学校が夏休み期間に豊橋市内の高校を訪問し、懇談・調査を行いました。その実態も踏まえ9月議会の際にこの委員会の場で、「暑さ対策として、県の責任で、体育館へのエアコン設置もすすめてほしい」と、質問させていただきました。その際の答弁では、「県立学校につきましては、老朽化対策として長寿命化改修に毎年100億円を超える事業費で取り組んでいるところです。これらの状況を踏まえますと、県立高校の体育館へのエアコン設置をすぐに進めていくことは難しいと考えております。」と、述べられていました。
Q1そこで伺います。9月議会の時点では、「体育館へのエアコン設置はすぐには難しい」とこたえていたのが、突然態度を変えて来年度予算案に盛り込まれた経緯についてご説明ください。
【県教委・担当課長】
9月の委員会の時点におきまして、今年度から2025年度までの3か年で、特別支援学校の体育館に空調の整備を進めていること、県立学校の老朽化対策として、長寿命化改修に毎年、100億円を超える事業費で取り組んでいること、他県においても公立高校の空調設置率は、スポットクーラーの設置を含めても全国平均で8.1%であること、こういったことから、県立高校の体育館へのエアコン設置をすぐに進めていくことは困難であるとお答えをしております。
しかしながら、昨年の夏は、9月に入っても気温30度以上の「真夏日」が26日となるなど、熱中症のリスクが高い状況となっておりました。こうした中、国においては、昨年11月29日に成立した補正予算において、私立学校等を対象に熱中症対策として体育館等への空調整備を支援する補助制度が創設されております。こうした状況を勘案いたしまして、子どもたちの命と健康を守りながら体育や部活動といった教育活動が継続できるよう、全ての県立高校においても体育館・武道場に空調設備を整備することとしたものでございます。
【下奥奈歩議員】
他の事業を進めているから、財源的に難しいと言われていても、決断すればできるということではないかと思います。お金がないわけではありません。学校教室のエアコン代の保護者負担も無くしていただきたいと思います。
次に伺います。愛知県の県立高校の理科室や音楽室といった特別教室へのエアコンについては、費用は保護者負担となっております。クラス教室についても、当初は保護者負担になっていました。今回、体育館等へのエアコン設置は、熱中症対策として大変重要です。しかし、これまでのように、保護者負担が再び発生してしまわないかと心配しています。
Q2そこで伺います。体育館等へエアコンについて、県が責任をもって全額費用負担するべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
【県教委・担当課長】
今回、整備する高校の体育館・武道場への空調整備の光熱費につきましては、体育の授業、学校行事のほか、部活動等での活用も含め、全額公費で負担いたします。
【下奥奈歩議員】
以前、県内のある高校で、「講堂も体育館もどんなに頼んでも、『お金がかかるから』という理由でエアコンをつけてくれない。エアコンつけずに、みんな部活に勤しんでいる。じっとしていても汗が出る暑さ」と、エアコン設置済みにもかかわらず、節約を理由にエアコンを使わない中、夏休みに部活動をさせられた、という事例がありました。この部活の部員の中には、そのせいで熱中症になり、病院に行った方もいました。
Q3そこで伺います。体育館等へのエアコン設置後、節約を理由にエアコン使用を控えることがないよう、適切な使用がされるように事前に各学校へ徹底していただきたいと思いますがいかがでしょうか?
【県教委・担当課長】
空調機器の使用につきましては、これまでも各県立学校長に対し、熱中症予防の観点から児童生徒及び職員の健康と安全を第一に考え、冷房設備を適切に使用するよう文書を発出しております。
なお、今年度は、5月18日付けで文書を発出しており、この文書には、「電気代等に不足が見込まれる場合には、予算の追加配分を行う」ことも明記しております。今回、整備する体育館等への空調につきましても、これまでと同様の取り扱いとしてまいります。
【下奥奈歩議員】
エアコンの適切な利用をよろしくお願いします。昨年の8月、ゼロエミッションを実現する会が、「断熱改修をするとクーラーの効きもよくなり、コスト削減にもなる」として、断熱改修を国に求めました。
小中学校への体育館へのエアコン設置の国から出る補助金は、断熱化改修が条件になっています。
Q4そこで伺います。体育館等へのエアコン設置と合わせて、断熱化を進めることも必要と考えますが、認識を伺います。
【県教委・担当課長】
今回、入札公告時に示す要求水準書には、室内温度は28度以下としており、空調設備の能力だけでなく、屋根等の断熱により、28度以下とする方法も可能としております。民間業者からの提案により、断熱効果を含めた空調設備の整備に取り組んでいきたいと考えております。
【下奥奈歩議員】
エアコンの設置・使用とともに、学校の断熱化も進めていただきたいと思います。年々気温が上がってくる夏に、子どもたちの命と健康を守るために、ご尽力いただくことを要望し、この議案についてはこれで終わります。