議会報告

2023年9月議会 教育スポーツ委員会 「教員採用試験の改善について」

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【しもおく奈歩議員】

 愛知県の教員採用試験の来年度の日程が突然6月15日に変更になったと伺いました。まず、日程を変更した経過について教えてください。

【教職員課】

 令和5年5月31日、文部科学省から全都道府県に対し、来年度の教員採用選考試験について、第一次試験の実施を、6月16日を一つの目安として前倒しをすることや、試験の複数回実施についても取組を進めるようにとの方向性の提示がありました。これを受けまして、県教育委員会で検討し、第一次試験の実施時期を、来年度については、従来の7月から6月15日に前倒すことや、大学3年生等に第一次試験の受験機会を与え、学生の受験機会を増やすことについて決定し、7月31日に記者発表をしました。

【しもおく奈歩議員】

日程が変更された件について、現場からは戸惑いの声が寄せられています。学生からは、教育実習の日程との関係で余裕がない。実習直後の試験では、実習と採用試験どちらも集中してできないのでは、という声があります。そこで伺います。学生に新たな負担が発生しないように、ゆとりをもった日程調整が必要です。教育実習から採用試験の日程について、どのような検討が行われているのか伺います。

【教職員課】

 文部科学省が5月31日に全都道府県に発出した「公立学校教員採用選考試験の早期化・複数回実施等について」の中で、教育実習については、学生が適切な時期に教育実習等を行うことができるよう、管下の市町村教育委員会や学校に柔軟な実習受入れの理解を求めるとともに、協力を依頼することが必要であると述べています。 令和6年度実施の教育実習については、開始時期を現在よりも前倒しするなど、教育実習終了日から採用試験日までに時間的余裕ができるように配慮するよう、県内各大学及び各学校に対し、依頼し、調整を進めているところです。

【しもおく奈歩議員】

 臨時教員からも、不安の声が寄せられています。教育現場で働きながらでは、この日程は無理があるという声です。「6月は、子どもたちと向き合う大事な時期です。行事に、部活動に、定期試験と立て込んでいます。採用試験の勉強をしながら行えるものではありません」「6月は、テスト作成、授業準備で忙しい。そんな中、試験勉強の追い込みは大変」「現場で既に働いている人にとっては、つらい日程です」などの声とともに、今まで通り夏季休暇に試験をやってほしい、というのが現場の声です。現場を経験した、臨時教員は大事な即戦力です。そこで伺います。文部科学省は、教員採用試験の早期化にあたって「臨時講師をしながら受験するものへの配慮」を自治体に求めていかす。臨時教員の方は別の日程で行えるようにするなど、配慮すべきではないでしょうか。

【教職員課】

 文部科学省が5月31日に全都道府県に発出した「公立学校教員採用選考試験の早期化・複数回実施等について」の中で、臨時講師等をしながら受験する者への配慮について、教員採用選考試験の1次試験合格者等については、翌年度の当該試験を免除したり、教職経験者を対象とした現職教員としての経験を適切に評価する特別選考を導入・活用したりする等の例を示しています。

本県では既に、前年度の選考試験を受験し、選考結果が「補欠」であった方については、第1次試験の「教職・教養」を免除しておりますし、講師経験者については、条件により、第1次試験の「教職・教養」又は第1次試験のすべてを免除するといった負担軽減もしているところでございます。なお、臨時教員の試験を別の日程で行うことについては、一般の受験者との公平性の観点から、実施は困難であると考えています。

【しもおく奈歩議員】

来年度の教員採用試験の早期化にあたり、教育実習や学校の教育活動や受験する臨時教員へ大きな負担とならないように、現場の声を聞いたうえで検討を行うべきです。

臨時教員の1次試験免除の基準について

【しもおく奈歩議員】

 愛知県は、「ある一定の教員経験があるものについて、一次試験を全て免除する」という制度変更を行いました。この制度について、「教員としての職務経験を適切に評価してほしい」という臨時教員の声にこたえたもので、歓迎の声があります。

 しかし、その一次試験免除の基準が明らかにされていません。ある臨時教員の方は「校長に推薦書の記入をお願いしたところ『この4月に新しく着任したあなたの推薦は書けない』と断られた。理由がわからず納得できない」「一次試験免除の基準を教えてほしい」「講師経験者特別選考を受験する人が、全員1次免除としてほしい。私は、1次免除にならず不満です」という声が寄せられています。教員不足解消へ、正規教員を大幅に増やすことが今現場から求められています。学校現場で既に勤務実績がある臨時教員の正規採用化も必要です。

 そこで伺います。当事者の声を受け止め、1次試験免除の基準を明らかにすべきではないでしょうか?また、即戦力である臨時教員の正規教員採用の促進へ、特別選考の資格要件を有する全ての教職員経験者の一次試験を免除すべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。

【教職員課】

 元教諭・講師経験者特別選考の一次試験免除については、元教諭としての勤務実績又は、講師経験者としての勤務実績が3年以上あり、令和5年4月1日以降に、名古屋市立学校を除く愛知県内の公立学校の職員として勤務している方で、所属長及び市町村教育委員会教育長が人物、能力ともに採用試験の受験案内に記載のある「愛知が求める教師像」にふさわしい方として推薦を得られた方としております。

 特別選考については様々な種類があり、その中身によっては、一次試験の受験科目である「教科専門」や「小論文」を、受験者を正規教員として採用するにあたり、重要な判断材料としておりますので、「教職・教養」に加えてそれらの科目も免除をするか否かは慎重に判断する必要があると考えています。

【しもおく奈歩議員】

 教員不足は、深刻な事態です。現場は、常に悲鳴をあげて子どもたちの学ぶ権利も侵害されています。現場で経験を積んだ臨時教員の方の正規採用を積極的に推進することを求めます。

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