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税投入で、「県営水道の値上げ」は避けよ

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 愛知県の多くの市町村(54市町村のうち49市町村)は、愛知県営水道から水道水の供給(卸売り水)を受けています。(名古屋市上下水道局のエリア及び北設楽エリアの設楽町・東栄町・豊根村は自前で供給している)。

  愛知県企業庁の水道会計は、年間で約290億円の水道料金を市町村から就役し、約20億円前後の収益を上げています。100億円超の剰余金をもって健全な経営を行っています。

 県の水道料金は、「基本料金」(各市町村の人口をベースに計算する定額料金。実使用量がそれを下回っても減額はしない(責任受水制度))と「使用料金」(水の供給量の増減によって変動する従量料金。現在、26円/㎥)で構成されています。

県企業庁が「値上げの検討」を表明

 愛知県企業庁は6月、「燃料価格の高騰に伴う電気料金の増額などにより、収益は悪化する、このままでは累積欠損(赤字)になるので、料金改定(値上げ)を検討する」と表明しました。

 右図は、企業庁が示した収支の見通しです。「電気代など動力費の高騰(2年間で41%増 ? )となるので、2023年度は赤字に転落する」ことを予想しています。

 

           単位:億円

 

2021年度

 

2022年度

2023年度

決算 

決算見込み     

当初予算

収益 A

324

323

323

      (内、料金収入)

287

286

287

費用(支出) B

298

320

348

     (内、電気代など維持費)

112

132

158

    (内、減価償却費など資本費)

186

187

190

損益 A — B

26

3

▲25

 ところで、水道会計はここ10数年、最高50億円を超える収益を上げる健全な会計運営を行ってきました。2014年度には未稼働資産(ダムなど建設負担はしたが、使用できない水利権。徳山ダム建設負担金257億円、長良川河口堰関連施設)に係る過年度分の減価償却費186億円を特別損失で処理する財政力がありました。現在も100億円を超える資金残(剰余金)を有しています。

 また、一般会計からの繰入金は、補助金と出資金を合わせて、1990年代は毎年約100億円程度、2000年代は約50億円程度ですが、その内訳は支払利子の一部の補助や建設負担金の企業債の償還金の一部の補填であり、建設当時の県との協定に基づく資金です。国や水資源機構との協議など水源などの水政策は、県(知事部局)が仕切っています。その政策を受けて水道供給の実働組織である企業庁が実施します。県の見通しの乖離から生ずる未稼働資産の対処(減価償却費186億円を特別損失)には、一般会計からの支援はなく、水道会計の負担で処理されています。

これらの施策などの改善で、県民のいのちの源である県営水道の料金値上げは避けなくてはなりません。

共産党県議団、市町議員とともに「水道料金の引下げ」を申し入れ

 共産党県議団と市町議員は8月28日、県知事と県企業庁長に対し、「水道料金の引下げ」を申し入れました。県水の値上げで、市町村の水道料金は値上げとなり、「物価の急騰に苦しむ県民の生活を直撃する。命に直結する水道料金の値上げを何としても避けなければなりません。

 共産党議員は、「県民の生存を守るのは政治の責務、愛知県の重要な役割」と指摘し、「一般会計からの繰り入れ」「国への支援要請」「市町村への料金減免」「責任受水制度の改善」を求めました。県は、「申し入れは受け取った」と述べるにとどまりました。

 

      兵庫県は「水道料金の値下げ」を発表 

8月23日 知事会見

   兵庫県は、「物価の高騰が県民生活に大きな影響を及ぼすなか、水道用水供給事業の経営健全化やアセット マネジメントの推進により、安定して黒字が計上できる見込みとなったことから、令和6年度から 9年度の4年間、県営水道料金の値下げ(-2円/㎥)を行う」と発表しました。

 知事は記者会見で「大きな方向性として、物価が上昇している中での値上げに圧力が高い局面にあると思いますが、まずは県の水道料金の値下げをすることによって、できるだけ市町の水道料金の値上げを抑えていくことや、市町の水道事業の経営安定化につなげていきたい。将来にわたって県民生活に、物価の高騰による不安感が出てきていますが、この県営水道料金の値下げにより、水道料金を含めた県民の将来的な負担の軽減に繋がっていき、少しでもその不安を解消できれば、と期待している」と語りました。

 

 

 

 

 

 

 

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