議会報告

2023年6月議会 教育スポーツ委員会 「学校給食の無償化」

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(未定稿  文責:日本共産党愛知県議会議員団事務局)

【下奥奈歩委員】

 今、物価高騰で賃金が上がらない中で学費や教育に関わる負担の軽減が求められています。その中の学校給食は、児童一人あたり年間約5万円で、子育て世代の大きな負担となっています。先の統一地方選挙では、私たち日本共産党は「学校給食の無償化」を政策に掲げました。全国的にも、254自治体が恒久的な学校給食の無償化を行うことを決めています。

 しかし、愛知県内では恒久的な無償化を行っているのは、豊根村、飛島村と今年の9月から無償となる安城市の3つの自治体にとどまっています。それ以外では、20の自治体が恒久的な無償化ではないものの、保護者負担の軽減へと努力が始まっています。小牧市では、第3子から無償となっていますが、9月からは恒久的に第2子の中学校給食を無償化します。犬山市は、第3子以降の給食費無償化に加えて、9月から小学校6年生と中学校3年生の給食費無償となります。

 全国的な学校給食無償化の流れ、愛知県内の各自治体での無償化への努力は、多くの市民の声が反映された結果です。愛知県として、こうした動きをどう受け止めているか伺います。

【保健体育担当課長】

 学校給食法では、給食の食材に係る費用については、保護者の負担とされておりますが、これに自治体が補助することを妨げるものではないことは、国会における政府答弁で明らかとなっておりますので、学校の設置者である各自治体において、地域の実情に応じて判断し、実施されているものと受け止めております。

 家庭の経済状況が厳しい児童生徒の学校給食費については、生活保護による教育扶助や就学援助を通じて支援を実施しております。また、今般の物価高騰に対しては、地方創生臨時交付金の活用を促しており、保護者が負担する学校給食費の値上げが抑制され、保護者の負担の軽減が進んでいると考えております。

【下奥奈歩委員】

 千葉県では、小中学校や特別支援学校の第3子以降の給食費無償化が始まりました。これは市町村と連携して実施するもので事業費については、県と市町村で2分の1ずつを負担し、政令市の千葉市のみ県が4分の1、市が残り4分の3負担する仕組みになっています。

 そこで、伺います。もし、愛知県が千葉県と同じように、市町村と連携する仕組みとようとしたら愛知県ではいくら必要になりますか。いきなり全市町村でなくてもかまいません。例えば、今、努力を始めている市町村分でもかまいません。頑張る市町村を応援する姿勢を示していただきたいと思います。答弁を求めます。

【保健体育担当課長】

  直近の2022 年度の1食当たりの小中学校の給食費の平均は約 273円ですので、これに、給食実施日数186日、小中学校の児童生徒数60万人をかけると、給食費の合計は、およそ300億円となります。なお、千葉県では、第3子以降の給食費無償化を行っていますが、制度の詳細を承知していないため、千薬県と同様の補助を行った場合の県の負担額は算出することができません。

 給食の食材に係る費用への補助については、先ほど申し上げましたとおり、まずは、小中学校の設置者である市町村が、それぞれの実情に応じて判断し、実施されるものと考えております。

【下奥奈歩委員】

 憲法26条には、「義務教育は無償」とされています。学校給食は、教育の一環です。食の大切さを学んだり、心と体を育み発達を支えたりする重要な役割があります。

 先ほど述べてきたように、県内各地で少しずつ無償化の動きがあります。一方で、国のコロナ対策を目的とした交付金を使った期限付きの対応では、津島が本年度に限って無償化にすることや、豊橋市は、今年の9月で小中学校の給食費無償化を打ち切りとしています。自治体によって、予算措置がとれないという財政的な困難が、多くの自治体が給食費無償に踏み切れない理由になっています。学校給食をずっと無償にするには、自治体の裁量・努力だけでは、困難です。県が自治体に財政支援を行うことが必要です。千葉県では、1月から第3子以降の小中学校の給食費無償化が始まりました。

 子どもたちがどこに住んでいても、お金の心配なく、安心して美味しい給食が食べられるように、教育の一栗である学校給食無償化へ、県の補助として、無償化実施の市町村にその費用の半額を県として負担する仕組みを設けてはいかがでしょうか。答弁を求めます。

【保健体育担当課長】

 先ほど申し上げましたとおり、学校給食法では、給食の食材に係る費用については保護者の負担とされておりますが、これに自治体が補助することを妨げるものではないことは、国会における政府答弁で明らかとなっておりますので、まずは、小中学校の設置者である市町村が、それぞれの実情に応じて判断し、実施されるものと考えております。

【下奥奈歩委員】

 学校給食の無償化は、学校現場の負担軽減にもつながります。先生たちは、授業の準備に加え、給食費の実務もやらなければいけません。給食費徴収額を計算し、1円でも合わないと合うまで計算のやり直し、返金がある場合は時間外に自宅まで届けることもあるそうです。また、食数の把握や、給食費を払わない人に家庭訪問し、お金の話をしなきゃいけないのが本当に辛い。先生にとって負担が大きいという声が寄せられています。

 学校給食無償化で教員の負担も軽滅することが、求められています。現場の声をどう受け止めますか。答弁を求めます。

【保健体育担当課長】

 現在、給食費の公会計化を市町村に促しており、これにより、給食費の徴収・管理業務を学校ではなく、自治体の業務とすることで、教員の負担軽減になると考えております。

【下奥奈歩委員】

 憲法26条の「義務教育は無償」の立場に立って、子どもたちに給食を通じた豊かな教育を保障するためにも、市町村任せにせず、県が力を発揮することが必要です。私の地元豊橋市でも、「学校給食費の無償化を求める会」が結成されて、3年目に入りました。その会が行った、毎週土曜日の給食費無償化の賛否を聞くシールアンケートでは、「無償化は助かっている」「ずっと無償にしてほしい」と、圧倒的に賛成の声が多数という結果でした。豊橋市で昨年10月から実施された、給食費の無償化は子育て世代に歓迎されました。給食費の無償化を求める会は、引き続き運動を続けています。こうした、市民の声にこたえ、学校給食無償化に踏み出すことを求め、この質問を終わります。

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