県政の窓

リニアも第2滑走路のもSDGs事業?
「あいちSDGsAction」は経済界要求が第一

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 愛知県は3月30日、「2021年度愛知県SDGs政策パッケージ」を発表、合せて、ウェブサイトを開設し、県民に周知を図っています。「政策パッケージ」を見ると、「本ゴール(目標)の達成に向けた主要な取組」として、「リニア中央新幹線の推進」「中部国際空港の第2滑走路の整備促進」「航空宇宙産業振興事業」「次世代自動車の普及促進」「スーパーシティ構想の推進」など、愛知県が「世界に輝く」と標榜する施策をたくさん並びたってています。

 それもそのはず、「政策パッケージ」の「作成の趣旨」が次のように書かれています。「SDGsと同じ 2030 年を目標年度とする長期計画として、「あいちビジョン 2030」を策定し、このビジョンに基づいて、 SDGsの理念を踏まえた各種の施策を推進していきます。 このビジョンでは、「地域づくりの推進に当たっての横断的な視点」の一つとして、SDGsの達成への貢献を掲げ、経済・社会・環境の3側面にわたる重要政策の着実な実施を通じて、SDGsの達成に貢献していくこととしています」。

 「リニアの推進」や「中部国際空港の第2滑走路の整備」の事業は、「目標9-強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションを図る」におかれています。「目標―9」は、8つのターゲットを例示していますが、第1のターゲット「全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靭なインフラを開発する」に類するものとして振り分けられたようです。

 結局のところ、愛知県が掲げる主要な政策を恣意的に「SDGsの17の目標」にふるい分け、あたかもSDGsの理念に沿った施策として、特別の位置づけを持った事業のように装っているのです。

SDGsの理念「このままでは地球が危ない、持続可能な世界を」

 SDGsとは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略称で、2015年9月に国連で採択されました。

 いま人類は地球の再生能力の1・69倍の資源を消費し続けていますが、仮に世界中の人が米国と同じペースで資源を使えば地球4・97個分、日本のペースなら2・76個分も消費する計算です。ところが東ティモールのペースなら、地球0・3個分にとどまります。現状では、極端な資源浪費を続けながら、貧困と格差の解消ができていないのです。SDGs本来の目標は、地球1個分へと「資源消費量を減らす」とともに、世界・地域・国などあらゆるレベルで「貧困と格差を減らす」ことです。

 「愛知県SDGsガイドブック」は、SDGsについて、「みず・食料・機構・エネルギなどを地球規模で見ると、世界は1つにつながっていることがわかります。地球市民のわたしたちが様々な課題を解決し、より良い世界を実現するためには、目指すべき未来の姿やゴール(目標)が必要です。このままでは地球が危ない、誰一人取り残さないための将来目標(SDGs)をつくろう」「17の目標は、「経済」は「社会」に、「社会」は「環境」支えられています」と紹介しています。

社会と経済は「環境を土台」に成立している

「愛知県SDGsガイドブック」より

 SDGsを概念を提唱したヨハン・ロックストローム氏とパヴァン・スクデブ氏は、「環境保護は重要な要素であり、人間社会と経済活動は環境を土台に成立していることを強く訴えています。「2021年度愛知県SDGs政策パッケージ」の20ページに「愛知県SDGs未来都市計画」の抜粋が紹介されています。

 「リニアをインパクトに、「世界の中で存在感を発揮する大都市圏」をつくり、第1に「経済・・世界をリードする日本一の産業の拠点・創造拠点」をうたい、第2に「社会」、最後に「環境」を置いています。提唱者の理念を踏まえるならば、最初にまず「すべての土台である環境」を据えて、そして「人間社会」「経済活動」のあり様を展開すべきではないでしょうか。脱炭素社会を標榜しながら「原発ゼロ」や「火力発電ゼロ」をあくまで排除する経済界の不当な考えに支配されず、発想を180度ひっくり返してアグレッシブで野心的なSDGsパッケージを掲げることがもとめられています。

 

【追記】日本共産党中央委員会発行の「議会と自治体・5月号」は、「SDGsを考える①」を特集しています。その中の稲葉雅紀レポートは、「新型コロナウイルス感染症の現実から考える」を副タイトルに据えて、俯瞰的に世界を捉えれば「生物多様性の喪失」「貧困層の進行が被害を拡大」「急速な経済成長による大気汚染の深刻化」「ケア・保健医療の衰弱の下でのコロナの巨大化」などを背景にして新型コロナが登場していること、SDGsはこれまで人類社会が食いつぶしてきた「地球1個分」をはるかに超える資源・エネルギー消費社会を復元することを視野に置いていること、SDGsは現代資本主義諸制度の具体的な変革なしには実現できないことなどを指定しています。また、SDGsは「権力と資本にとってのアヘン」になりうる危険に警鐘を鳴らし、「SDGsに取り組んでいる」と装飾して、迫りくる世界の破局を無視して企業活動を偽っていく巨大企業などを指摘しています。詳しくは本号をお読みください。

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