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NHK調査 愛知県知事「保健所の体制は『十分だ』」と回答       保健所から「現場の状況を知ってほしい」の怒り

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  NHKは2月1日「おはよう日本」で、1月に行った知事アンケートを報道しました。愛知県知事は、「保健所の体制は『十分だ』」と回答しました。

 さっそく、愛知県保健所職員の声が届きました。「『愛知県は保健所の体制は十分』」とNHKの調査の回答には目が点になりました。環境衛生の担当者は毎晩残業、土日も交代で業務に当たっています。再任用の保健師も月に2回は土日出勤している状況です。『保健所の体制は十分』と答えた人は現場の状況をよくわかっていないなあと思っています。」「毎日大変です。何よりコロナ業務ばかりで、十分な難病、小児慢性特定疾患の仕事ができないのが何より歯がゆいです。」「保健所全然十分とは言えないです。陽性者が多い時は夜中まで保健師が調査していました」「いろいろな所から応援やかなりの多くの時間外勤務で何とかしているので、十分ではない状況です」・・・皆さん怒ってみえます。

 NHKの報道内容(WebNHKより)と都道府県知事の回答の主なものを紹介します。

6割の知事が保健所の体制は『十分ではない』

  新型コロナウイルス対応についてNHKが2回目の緊急事態宣言が出されたあとの1月、全国の知事に書面によるアンケートを行ったところ、およそ6割の自治体が保健所の体制が「十分ではない」と答え、保健師など専門職の確保が課題となっているという指摘が相次ぎました。

 この中で、保健所の体制が十分だと思うか尋ねたところ、「十分だ」と答えたのは8つの自治体にとどまり、全体のおよそ6割にあたる29の自治体が「十分ではない」と答えました。
 「十分ではない」と答えた知事の多くがこれまでもマンパワーの確保に取り組んできたとしていますが、▽栃木県の福田知事は、「新規感染者の急増により業務量が増え、通常業務を一部制限せざるをえない状況だ」としています。

  岐阜県の古田知事は「保健師など専門職の確保」が課題だと指摘しています。熊本県の蒲島知事も「業務の効率化や拡充を行ってきたが、感染拡大の速度に間に合わず、専門職の人数が不足している」と答えています。沖縄県の玉城知事は、「人員確保のための法的整備や財政的な措置が必要だ」と訴えています。

  鳥取県知事も務めた片山善博・元総務大臣は「都道府県の保健所は行政改革の対象となり、意図的・戦略的に人員を整理し、統合して数を減らしてきていた。そこでこんにちのパンデミックで虚を突かれ、なるべくして不十分な体制が露呈した。冬にまた大きな感染の波が来るかもしれないと予測し、体制の補強はある程度できたはずだが、それをできた都道府県がどれほどあったかということだ」と指摘しています。

三重県

「運転を三重交通に委託、ホンダから輸送車両貸与、採用予定職員の前倒し採用」

埼玉県

「採用要件緩和して保健師38人増員、看護師47人配置、大学教員の応援派遣」

  「十分ではない」と答えた三重県は、具体的な内容を次のように回答しています。【保健所の業務は、「患者搬送や検体輸送」、県民の方からの相談対応、検査対応、接触者調査、医療 機関との調整など多岐に渡っており、保健所の業務負担の軽減が課題となっていました。 保健所の職員でしかできない業務に注力するため、「患者搬送や検体輸送」の外部委託を検討するな かで、県内全域をカバーし、また観光需要の落込みにより運転手に余裕のある(Win-Winの関係)三重 交通(株)に受託していただくことになりました。(※全国的にもほとんど例がありません。)。また、運転手へ の感染を防止するため、本田技研工業(株)より、患者搬送のための専用車両を無償で4台貸与いただくと ともに、県の公用車5台を貸与車両と同様に改造いただくなど、民間企業のリソースもお借りしています。 県としても、保健師や看護師の OB・OG の復帰、新規採用職員の前倒し任用、他の部署からの応援職 員の確保を行っています。さらに本年1月には、市町から保健師を派遣いただく仕組みを整備しました。 しかしながら、患者の発生数には波があり、患者が急増するタイミングでは体制が十分ではない場合が あります。】

   また同じく「十分ではない」と答えた埼玉県は、積極的疫学調査等の専門的業務に当たる保健師について、感染ピーク時を想定した場合に 38 人の増員が必要と見込んでおり、現在、そのための採用選考を実施しているところである。なお、この採用選考では年齢制限を撤廃し、業務経験の豊富なより多くの方に応募いただ けるようにした。また、国よりも早く立ち上げた 24 時間相談窓口の設置、クラスター対策の専門チーム 「COVMAT(コブマット)」の創設や看護協会等との連携による相談窓口の拡充、患者移送の運転業務等における外部委託の積極的活用などにより保健所からの業務の切り離しを進めるとともに、健康観察を実施する看護師 47 人の配置、他部局の職員や市町村の保健師、保健師資格等を持つ大学教員の応援派遣、本庁職員による積極的疫学調査の支援などにより、保健所職員の負担軽減と体制強化に腐心しているところである。 政府は、8 月 28 日付対策本部資料で発表した財政的措置を伴う保健所機能の強化を実行に 移すべきである。】と答えています。

   「十分だ」「十分でない」のどちらも選択せずに、「その他」と回答した京都府は、【新型コロナ対策については、国の通知等に基づき行うとともに、通知によって周知される制度等については十分に活用できるようにしている。 昨年 12 月以降、京都市を中心に京都府内全域における感染者の増加に伴い、地域の保健所で積極的疫学調査等の感染症対策業務を担う専門人材に余裕がない状況が続いているが、退職保健師、潜在保健師や事務職員を追加で配置するとともに、府内保健所、他部署及び府内市町村からも保健師や事務職員を派遣するなどにより、保健所の体制充実による機能強化に努めている ところ】と具体的な施策を報告しています。

県保健所は極限状態、愛知県当局は具体的な対処を

    愛知県の保健所は、26保健所2支所1分室(1994年)でしたが、愛知県の第3次行政「改革」や地域保健法全面施行(1997年)で少なくなりました。また、豊田・豊橋・岡崎の3市が中核市へ移行で保健所を設置したため、12保健所9保健分室(2008年)にとなり現在に至っています。県保健所の保健師も223人(1994年)→124人(2014年)と大幅に削減されています。 そんな中でも県保健所の職員はこの間、文字通り日夜を分かたず休日も返上して必死の思いで新型コロナインフルエンザ感染症に対峙し、県民の命と暮らしを守るため頑張っています。そんな状況を全く無視したような回答をした知事以下幹部職員の認識に、現場の県職員は怒りを禁じえません。現場の声を把握し、他県のような具体的な対処が求められています。

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