営業時間を夜9時までに短縮する「種類を提供する飲食店・カラオケ店・バー等」に対し「感染防止対策協力金」(1日4万円・最大100万円)を交付する制度が12月18日から始まりました。医療供給体制が「逼迫している」第3波の感染の広がりをどう抑え込むか、年末年始の県民の暮らしと命をどう守りか、今、大きな正念場を迎えています。
全国商工団体連合会が行った小規模な自営商工業者アンケート(実施7月・回答1002人)では、「前年同期より売り上げ減=7割」、「国の持続化、家賃支援制度の対象外=4割」、「国・自治体の支援策が「足りない」=過半数」となっており、中小零細業者の深刻な悲痛が聞こえてきます。
また、「秋の医療介護労働110番」(実施11月・愛知県医労連・東三河労連・愛労連)では、「濃厚接触等での休業時の補償」「介護施設の人員不足」「PCR検査の実施」「退職勧奨やハラスメントの悩み」「業務命令での休業なのに休業補償がない」など、エッセンシャルワーカーといわれる方々が無権利な状態におかれていることが浮き彫りとなっています。
県は今こそ、経済効率を最優先する行政から、人間のケア、雇用、教育、食料、エネルギー、文化・芸術など、県民が生きていくために必要不可欠なものを最優先する行政に切り替えていくことが求められています。
県の新型コロナ対策費はほとんどが国費
基金など県費を投入し、県民の暮らしと命を支える施策を
愛知県の新型コロナ感染症対策予算額は、今年の2月議会での20億円の補正予算を皮切りに、11月議会までに総額3,118億円となっています(別表)。
その内訳は、政府が決めた医療機関支援や医療介護などの従事者支援などの「感染症包括支援交付金」、国総額4兆5千億円の「地方創生臨時交付金(県民生活や経済活動への支援)」などの国庫補助金が約9割を占め、県費の投入はわずか約1割に留まっています。
県は、政府に対して施策や財政の拡充をさらに求めることはもちろんですが、同時に県民の要望に積極的に応えた愛知県独自の施策実施や財政投入が求められています。知事は4月臨時議会で、「県民のいのちとくらしを守るため、ありとあらゆる施策を展開する。未曾有の難局を乗り越えるため、県民の皆様、医療従事者、市町村、団体、事業者などオール愛知で克服したい」と決意を表明しました。強い財政力を持つ愛知県は、積立基金1400億円(うち、財政調整基金 490億円)を貯めています。いまこそ、この活用を図る時です。
「 医療機関、介護・福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、集団感染によるリスクが高い施設での定期的なPCR検査」「保健所・市町村保健センターの体制の強化」「医療機関や医師会との協力体制の強化と財政援助」「体力の弱い中小零細事業者やフリーランスの支援」「社会的弱者の抜本支援」「県営水道料金の引き下げ」「少人数学級の早期の実施」など、多くの要望が県民諸団体から届けられています。愛知県は、総合的、俯瞰的な事業の展開が求められています。