日本共産党愛知県委員会は11月2日、大村秀章県知事に対し、来年度予算編成に関する要望書を提出し、「国の悪政の下請け機関から脱皮し、県民の命と暮らしを守る防波堤としての県政へ転換を」と強調しました。すやま初美党県副委員長(衆院愛知7区候補)、鷲野恵子、下奥奈歩両前県議が参加しました。
要望内容は、新型コロナ感染拡大防止や少人数学級拡大、ジェンダー平等、文化・芸術への支援など16テーマ185項目です。新型コロナ感染対策と「ケアに手厚い社会をつくる」を柱にするとともに、「コロナ不況をのりこえる県の財源を確保する」新たな項目を加え、「地方交付税の総額の大幅な増額」「富裕層や大企業に適用されているさまざまな優遇税制(不公平税制)の是正」「高額な株式や不動産などの資産を保有する富裕層に対する「富裕税」創設」「設楽ダムや西知多道路など、不要不急の事業への支出は中止」「現行3%の超過課税を他の実施都府県のように5%に引き上げ」を求めました。
鷲野氏は、新型コロナ感染拡大防止に県は全力を尽くしてほしいと強調し、「PCR検査の拡大とともにエピセンター(感染震源地)を特定することが大事。1回だけでなく、何度も検査できる体制が必要」と話しました。
下奥氏は、党に寄せられた「狭い教室に40人もいるのは不安」「一人ひとりに目が行き届かず変化に気づけない」などの声を紹介。「子どもたち一人ひとりを大切にする教育の実現へ、少人数学級の拡大と教員増員を」と求めました。
応対した県財政課予算担当課長は「要請内容は知事と関係部局に伝える。少人数学級は文科省に動きがあるので注視したい」と答えました。
16のテーマ(要望事項の柱)は以下の通り
(1)新型コロナ感染症の拡大をくいとめるために県のもつ力を集中する
(2)「国保税(料)の大幅引き下げ」「介護保険料と後期高齢者保険料の引き下げ」「特養ホームなど介護施設の大幅増」「福祉医療制度の拡充」など、全国最低水準の福祉から高水準の福祉施策へ転換する
(3)「認可保育所の大幅増設」「保育料を大幅に引き下げる」「第3子保育料無料の所得制限の廃止」など、豊かな成長を保障する保育を拡充する
(4)少人数学級の拡大など、教育条件の整備・充実をはかる
(5)8時間働けば普通に暮らせる社会をつくるため、ブラックな職場をなくし、若者の支援の強化、最低賃金どこでも1500円をめざす
(6)障害者権利条約、「基本合意」「骨格提言」にもとづいた障害者施策を実現して障害者(児)の負担を軽減し、生活と権利を守る
(7)差別や分断をなくし、誰もが尊厳をもって自分らしく生きられる社会をつくり、女性が生きいき力を発揮できるジェンダー平等社会にする
(8)大企業・高度先端産業優先、企業誘致型の産業政策から転換し、中小企業・地場産業、農林漁業を元気にして、雇用と消費を増やし、内発型・循環型で地域経済を活性化する
(9)医師・看護師不足を解決し、安心して医療が受けられるように医療体制を充実する
(10)暮しやすいように住環境等を整備する
(11)南海トラフ巨大地震、津波や巨大台風などの風水害に備える防災・減災対策を強化する
(12)原発ゼロの宣言を/再生可能エネルギーに転換し、温室効果ガス実質ゼロを実現し、気候変動から人々の未来を守る
(13)コロナ禍のもと、不要不急の最たる事業であるリニア中央新幹線、中部空港第二滑走路など、浪費型の大型事業をやめる
(14)文化・芸術へ手厚い支援を行う/スポーツ施策を充実する
(15)憲法と地方自治を行政に生かし、国際交流を広げる平和施策をすすめる
(16)「コロナ不況」をのりこえて有効な施策が展開できるよう、県の財源を確保する