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保健所のマンパワー確保が急務 新型コロナウイルス感染症対策

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   保健所は今、新型コロナウイルス感染症対策で逼迫した状況にあります。尾張部のある保健所では、肉体的精神的な疲労でやむなく長期休暇に至った職員も生ずる事態です。

   感染症に対する業務は多岐に渡りますが、特に陽性者が特定されると医療機関への保護・隔離とともに、感染源・感染経路を推定して、クラスターを検出します。また、 次のクラスターの起点となる濃厚接触者を特定し、一定の期間を追跡する「積極的疫学調査」を行います。厚労省は「積極的疫学調査については、専門性の高い業務であり、特に人材の確保が困難であることに鑑み、他の業務体制を見直し、できる限り、本業務に技術系職員が専念できる体制を整備することが重要である。なお、体制整備に当たっては、保健所単位ではなく都道府県で調整し、都道府県内において応援体制をとること」(事務連絡 令和2年6月19 日)と通知しています。

    愛知県の新型コロナウイルス感染者は4,237人(県外・市町村不特定者を除く)です(8月25日現在)。また、感染者に合わせて特定された濃厚接触者は47,890人(感染者1人当り11.3人に相当)が発生しています。日々、今も急増している陽性者や濃厚接触者にたいして行われている「積極的疫学調査」や感染後の健康観察は、保健衛生のスーパーバイザー(現任指導者)である保健師が適任です。

県保健所の職員、特に保健師が圧倒的に不足

増員と市町村保健センターとの協同がどうしても必要

愛知県内の各保健所の新型インフルエンザ感染者と保健師数を一覧(下表)にすると次のことが推定できます。

① 人口割合(10万人当り)の陽性者数は、江南・一宮保健所など名古屋市北部の地域が特別に高いこと。

② 県保健所の保健師(1人当り)の陽性者数は、一宮保健所で22人など名古屋市北部の市町村地域でそれ以外の地域の倍以上もあること。

③ 県保健所の保健師に市町村保健センターの保健師を加えた保健師数で除した陽性者数は、大きく下がり、豊橋市・岡崎市・豊田市と同程度の数値になること(名古屋市はクラスター発生など特異な状況にあるので比較から除外)。

   地域保健法の施行(1994年)で、市町村保健センターが母子保健や老人保健などの対人保健を担うことになったため、県保健所の保健師が大幅に削減されています。感染症業務は、この法律で「保健所の仕事」に決められていますので、市町村保健センターは勝手に手を出すことはできません。

   愛知県保健所では、感染症の担当課は環境食品安全課となっており、健康支援課など他課との連携で対処しています。愛知県は、職員不足を補填するため、退職したOB保健師に支援を呼び掛けているようですが、十分な支援を確保できていません。一方で、大府市は数名の保健師を県保健所に派遣しています。また、瀬戸市、日進市、東郷町、長久手市などは、自宅待機を余儀なくされた感染者や濃厚接触者の日常生活を支援する体制がとられるなど、様々な努力がされています。ところが保健所を持たない市町村には、感染者や濃厚接触者の情報はほとんど届いていないようです(日本共産党地方議員研修会での地方議員の発言)。県保健所と市町村との情報の共有が求められています。

    多くの識者は、これから秋・冬の時期には、再び大きな波が来ると想定しています。県保健所の職員が、日々確認される多くの陽性者やその10倍以上の濃厚接触者を対象に、「積極的疫学調査」や感染後の健康観察を担当するのは大変困難です。県保健所と市町村保健センターは、業務の「領域」を乗り越えて「協同」することが求められています。市町村保健センターは、母子保健・老人保健で多忙でしょうが愛知県内で千人を超える保健師が働いています。日進市の近藤市長は、日本共産党のすやま初美氏(衆院愛知7区候補)との懇談で、「県保健所と市保健センターが仕事を分担して情報を共有したい」と述べています(7月27日)。

    住民との信頼関係を強化し、感染抑制のためには、県保健所の増員と市町村保健センターとの協同など、保健所の体制強化は急務です。

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