県政の窓

「愛・地球博記念公園のジブリパーク建設について考える」 日本共産党愛知県委員会

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ジブリパーク建設に至る主な経過について

    ジブリパーク建設に至る主な経過について  ジブリパーク建設構想は2017年5月、スタジオジブリと愛知県が愛・地球博記念公園に「ジブリパーク(仮称)」を造るということで合意をしたことから始まりました。17年6月議会にはジブリパーク(仮称)構想検討調査費2千万円が補正予算として提案・可決され、11月には「ジブリパーク構想推進室」が建設部公園緑地課内に10人の体制で設置されました。

 18年3月にスタジオジブリとの間で開業時期を2022年度中とすることなどの確認書が締結され、4月には「基本デザインの概要」、12月には「整備構想の概要」が発表されました。  19年5月には、ジブリパークの整備についての基本合意書を愛知県、スタジオジブリ、中日新聞社の3者で締結しました。この合意により、愛知県が事業主体としてジブリパークに必要な整備(建設)を行い、スタジオジブリはジブリパークの整備(建設)に必要なデザイン等を作成するとともに事業全体の企画監修を行うことに、中日新聞社はジブリパークの管理運営を行うことを目的とする新たな会社をスタジオジブリと共同して設立することになりました。

 19年7月には、実施設計の段階から建設業者が参加する「ECI方式」を県として初めて採用することを発表しました。  19年10月には、詳細設計に技術協力する建設業者を鹿島建設㈱として契約を結びました。  19年12月には、愛知県、愛・地球博記念公園周辺の自治体および鉄道事業者を構成とする「ジブリパーク構想地域連携協議会」が設立されました。

 20年2月には、「ジブリパーク整備の概要」が発表され、全体の事業費、想定来場者数等試算が示されました。  20年7月には、ジブリパーク全体の5エリアの内3エリアの工事について鹿島建設㈱と工事請負契約が締結されて起工式も行われました。  

※愛・地球博記念公園には「サツキとメイの家」があり、08年に「ジブリ展」、15年には「ジブリの大博覧会」なども行われています。

ジブリパーク整備(建設)の概要について

 18年4月公表の「基本デザインの概要」及び同12月公表の「整備構想の概要」では、5つのエリアを設定して3つのエリアについては22年度中の開業を目指し、残りの2つのエリアについては23年度中の開業を目指すとしています。先行する3つのエリアは「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「どんどこ森エリア」、あとの2つは 「もののけの里エリア」「魔女の谷エリア」です。ジブリ作品の保管・保存、展示を行う「ジブリの大倉庫エリア」は、東京の三鷹の森ジブリ美術館の4倍もの面積を持つ施設になる予定です。

 20年2月公表の「ジブリパーク整備の概要」によれば、ジブリパークの5エリアの総事業費は340億円、想定来場者数は180万人、経済波及効果は建設投資で840億円、新たな消費波及効果として年480憶円と試算されています。

ジブリパーク整備(建設)についての5つの疑問

 ジブリの作品は、日本国民はもちろん世界的にも多くの共感を持って鑑賞されています。愛知県民の方もジブリ作品を観て、その世界がジブリパークという形で実現されることに期待を持っていることと思います。  しかし、自治体である愛知県が主体となってジブリパークを建設することについては慎重な検討が求められていると思います。以下、5点にわたった疑問点を提起し、多くの県民の方に考えていただきたいと思います。

 第1の疑問は県の財政負担がどうなるかということです。  ジブリパークの5エリアの総事業費は340億円です。これをすべて事業主体である愛知県が負担することになります。  憂慮しなくてはいけないことは、ジブリパークは5つのエリアの建設だけでは終わらないということです。大村知事は、「コンテンツはいっぱいあるので何年経っても完成しない。造り続ける。(5つのエリアは)第1期としてつくる」と発言しており、このままでは、第2期、第3期と造り続けることになり、今後どれくらいの費用がかかるのか全く不明な事業になる可能性があります。  また、管理運営は新しくつくられた「株式会社ジブリパーク」が担いますが、赤字になった場合の負担をどうするのかという不安があります。昨年オープンした国際展示場「アイチ・スカイ・エキスポ」は一定の条件のもとで県が赤字を負担する枠組みになっていますが、そうした枠組みがジブリパークの場合でもつくられる可能性があります。

 第2の疑問は、こうしたテーマパークを行政が事業主体となって建設することが良いことなのかどうかということです。  地方自治体がやらなくてはいけないことは住民福祉の向上を目指すことです。愛知県の1人あたりの公園面積は7.79㎡で全国で42位(18年度)という公園の少ない県となっています。住民の身近なところに公園を建設していくことこそ求められているのではないでしょうか。ジブリパークのような、公園の中に巨大な経費を使ってテーマパークを建設していくことは行政が行うべきことではないのではないでしょうか。

 第3の疑問は、ジブリパーク構想が出てきた経過についてです。  スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーによると大村知事が東京・恵比寿の事務所を7、8回にわたって訪ねて来て「大村さんに口説かれた」とのことです。大村知事からの積極的な働きかけがあってジブリパークの建設が進められようとしているということです。  こうした巨大事業を県民に十分な情報提供もせずにトップダウンで進めることは県政運営上大きな問題があるのではないでしょうか。

 第4の疑問は、「自然の叡智」をテーマとした愛知万博の理念と成果を継承していくというコンセプトについてです。  ジブリ作品には、人、いきもの、地球に対する「愛」が表現されています。  しかし、ジブリパーク建設により、年間180万人(月15万人)の人が愛・地球博記念公園に来ることが自然の叡智をいかすことにつながるでしょうか。来場者による交通渋滞の問題もあります。ジブリの世界観を伝えることは、ジブリパークの建設でなくても他の方法で可能だと思います。  自然の叡智を考え、未来につなげていくことを県政の重要課題として進めていくことこそ求められているのではないでしょうか。

 第5の疑問は、ジブリパーク建設の位置づけです。  新型コロナウイルスによる感染の収束が見通せないもとで、ジブリパーク建設のような巨大事業ではなく、PCR検査体制の充実、保健所体制の拡充、逼迫する病院への支援、雇用や営業など経済活動への支援に重点を置くべきではないでしょうか。  新型コロナによる経済の後退が「継続・長期化すれば、地方税収はかつてない大幅な減収となるおそれ」(「令和3年度国の施策・取組に対する愛知県からの要請」)があります。少ない税収で県財政が逼迫する中でも県民生活を優先とした事業に集中して財政を支出すべきだと思います。  大村知事は、ジブリパーク整備(建設)を「最重要」な行政課題と位置付けていますが、最重要な行政課題とは、県民のいのちと健康、生活を守り、安心して住み続けられるまちをつくっていくことではないでしょうか。

ジブリパークの整備(建設)はいったん中止し、県民への情報提供を進めて県民による慎重な検討を

   以上の5つの疑問は、ジブリパークの建設に賛成の方でも「どうなんだろう」と思われる疑問だと思います。ジブリパークの建設を予定通りに進めるのではなく、いったん立ち止まって慎重な検討を進めることが必要ではないでしょうか。  多くの県民の方々にぜひ考えていただきたいと思います。

※この提案について、質問・意見等がある場合は、日本共産党愛知県委員会・県政対策室充てにご連絡ください。 メールken.dan@jcp-aichi.jp

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