尾張旭市のお母さんが2016年、市役所を訪ね、子供の補聴器の購入補助を求めました。「当市には、その補助制度はありなせん」と冷たい返事でした。障がい者手帳が交付される難度の難聴児には補聴器購入への補助制度はありますが、軽度・中等度難聴児への購入補助制度は愛知県にも尾張旭市にもありませんでした。
「言語能力・知的能力の発達に欠かせない」お母さんが議会で陳情
その思いが県議団に届き共同の運動となりました。そのお母さんは県議会で、「軽い難聴児が早期に装用することは、言語能力・知的能力の発達に欠かせない。1日も早い助成を」と訴えました。共産党県議団は議会健康福祉委員会で取り上げるとともに、県議団が県民に発行する「議会報告」で「全国で実施していないのは愛知県・大阪府・神奈川県の3府県」「子どもや福祉に冷たい愛知県政の姿が鮮明」と大きく取り上げました。
これらの経過を経て愛知県は、2017年度に国の補助のない県単独の事業として制度化、「市町村の実施する補助額の半分を県が補助する制度」(事業主体は市町村)とし、当初予算4、779千円(216人分)を計上しました。開始当初に実施していた市町村は20市町でしたが、県の補助制度実施が市町村の促進を促し、2020年3月現在、52市町村が実施しています。昨年度までの受給者は3年間で831人、2020年度は253人分が予算計上されています。