県政の窓

愛知県予算議会閉会
ジブリ、リニアなど大型事業と大企業応援の予算を可決 

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 愛知県2月定例議会は3月25日、ジブリパークの整備と関連事業で45億5685万円、スタートアップの支援7億638万円などの一般会計予算をはじめ85議案すべてを全会一致で可決して閉会しました。

ジブリパークの概要図(愛知県HPから)

 一般会計予算で大村知事が第1に掲げたのがジブリパークの整備です。ジブリパークは愛・地球博記念公園に5つのエリアを整備するものです。このうち「青春の丘」、「ジブリの大倉庫」、「どんどこ森」の3つのエリアの本体工事、残りの2エリア(「もののけの里」、「魔女の谷」)の図面作成などに27億5050万円(次年度以降の負担となる債務負担行為は107億847万円)、関連事業として新たな駐車場の整備など18億635万円(債務負担行為27億1854万円)が予算化されました。ジブリパークは5つのエリアの整備全体の事業費は340億円となります。大村知事は「何年経っても完成しない。作り続ける。第1期として(5つのエリアを)つくる」と発言しており、さらなる大型事業となる可能性があります。
 第2に掲げたのがスタートアップの支援です。スタータアップの拠点施設として「ステーションAi(エーアイ)」の整備に1億8180万円(債務負担行為149憶600万円)、海外のスタートアップ支援機関との連携のための費用3億4685万円などが予算化されました。大村知事は、「スタートアップを起爆剤とした国際イノベーション都市への飛躍」を掲げています。
 その他の事業では、リニア開業を見据えた名古屋駅スーパーターミナル化推進費補助金などに2776万円、中部国際空港の二本目滑走路の実現などに向けた事業費3344万円、国際展示場での展示会産業の推進に3億4783万円、「MICEを核とした国際観光都市」(カジノを含む)の実現に向けて9538万円、航空宇宙産業やロボット、水素ステーションの整備などの次世代産業の育成・振興に24億8855万円、産業空洞化対策を名目とした航空宇宙、次世代自動車などの支援に44億4592万円、最大で10億円の高級ホテル立地補助制度の創設に144万円、PFIでの新体育館建設準備に1億3065万円、最新型FCVの購入など次世代自動車の普及に3億2209万円などが予算化されました。どれも大型、大企業・先端産業優先の予算です。

一方で、県民の要求・運動が県を動かす

 県民の要求が反映したものとしては、私学助成に717億円、子どもの貧困対策に60億9210万円、福祉医療制度の継続に247億8765万円、特別支援学校の新設など特別支援教育の充実に11億9973万円(債務負担行為59億1606万円)、就職氷河期世代の就職支援などに2億5663万円、地震対策の推進に771憶4898万円、ゼロメートル地帯の防災活動拠点の整備に3253万円、地球温暖化防止対策に1億9219万円などです。とりわけ私学助成は年収720万円世帯への補助が大幅に引き上げられて実質無償化を実現しました。
 今回の議会では種子法廃止に代わるものとして種子条例が自民、新生あいち、公明の3会派により議員提案され全会一致で可決されました。これは、コメ、麦、大豆を対象に品種開発と種子の生産、供給について財政的措置をとっていくものです。新生あいちは、「あいちの伝統野菜」も対象にすることを提案しましたが、県が安定供給になじまないと判断して対象から外されました。
 2月議会で可決された意見書は、「新型コロナウイルス感染症対策の強化について」「社会インフラの老朽化対策の推進について」「犯罪人の国外逃亡防止対策の強化について」「中高年のひきこもり対策の強化について」「農林水産業に係る軽油引取税の免税措置の継続について」「離婚に係る養育費の確保の推進について」「薬物乱用防止対策の充実についての意見書」の7件です。いずれも全会一致で可決されました。

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