安倍自公政権は「成長戦略」の名で、財政浪費・需要無視・環境破壊の大型開発を進めています。同政権の2020年度政府予算案のうち、国土交通省分は一般会計で6兆7363億円。公共事業関係費は5兆9368億円で、19年度と比べて1・14倍です。愛知関連では自動車専用道路や巨大ダム事業などに巨額の税金を投入しています。
-リニア・国際空港・自動車道・ダム-
県民に消費税増税、年金削減押しつけ、大型開発事業に財政バラマキ
リニア中央新幹線
安倍政権は、JR東海が「自己負担でやる」といって始めたリニア中央新幹線建設を「国家プロジェクト」として推進。財政投融資の資金3兆円を貸し付けています。
リニア中央新幹線は品川―名古屋間を40分で結ぶ計画。反対運動が起きています。
新年度予算案では、 「スーパーメガリージョンの形成および効果の広域的拡大の促進」の費用1億200万円が計上されました。スーパーメガリージョンは、東京・名古屋・大阪を中心とする巨大都市圏。新年度予算案は、リニア駅を核とした高速交通ネットワークの形成などを図るもの。
中部国際空港の関連予算は20億円で、航空保安施設更新費用。大村県政、河村名古屋市政、中部財界は需要無視、環境破壊となる同空港の2本目滑走路建設をめざしています。
名古屋環状2号線
「中部国際空港2本目滑走路建設促進期成同盟会」(会長=大村秀章愛知県知事)は昨年11月、関係する国会議員、地方議員とともに、自民党・公明党、国土交通省に空港の機能強化、道路・鉄道のアクセス充実などを求める要望活動をおこなっています。
高速自動車国道など自動車専用の広域道路ネットワーク整備では、名古屋環状2号線西南部(名古屋西―飛島)は20年度開通見込み。県営名古屋空港を中心とする航空宇宙産業の事業所と名古屋港を結ぶ輸送の速達化のねらいがあります。
西知多道路
名古屋駅と中部国際空港を結ぶアクセス道として、「西知多道路」が事業化されています。西知多道路は、東海市新宝町から常滑市多屋までの18・5㌔㍍。
2018年度の中部国際空港利用者数は約1235万人で開港時の2005年度と同水準。18年度の航空機発着回数は10万3310回で、05年度の10万6436回を下回っています。
現在の空港アクセス道路は、知多半島道路と知多横断道路(セントレアライン)で余裕があり、ガラ空きです。
設楽ダム
国土交通省が直轄で事業を進める豊川上流の設楽ダム(設楽町・総事業費2400億円)の事業費230億2000万円が計上されました。
同ダムの本体工事着工の事業費ですが、水需要が減少するもとで無用であり、地域振興に役立たず、一方で絶滅危惧種の生態系を破壊します。
徳山ダム(岐阜県揖斐川町)、長良川河口堰(三重県桑名市)の水を愛知県に引く「木曽川水系連絡導水路」の新年度の事業費は2億2500万円が計上されました。
水余り状態のもと、同導水路計画も「ムダにムダを重ねる」と批判されています。