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国民健康保険について質問  わしの議員(健康福祉委員会)

12月11日、12月議会・健康福祉委員会で、わしの議員は「国民健康保険について」質問しました。 全文を紹介します。

コチラからダウンロードできます

〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

【わしの恵子委員】
 今年度2018年度から都道府県が財政運営の責任主体となるなど国保の都道府県化が実施され、国民健康保険証も市町村名国民健康保険証から都道府県名の国民健康保険証に移行しています。
1961年の国民皆保険制度発足以来、初めての大改革です。
「持続可能な社会保障制度を目指して」ということで、新たな制度や計画が定められてきましたが、どのように改革されたのかという観点で質問します。
2018年1月に県が各市町村の納付金と標準保険料を決定し、各市町村はそれを受けて、必要な条例改定を含め、保険料率などを決定しました。
 各市町村では保険料が算定され、被保険者への通知が行われています。保険料がどのように変化したのか、保険料が増加した自治体と、逆に低くなった自治体があると思いますが、一人当たりの保険料についてどのようになったのか伺います。

【国民健康保険課主幹(国民健康保険)】
 平成30年度の国民健康保険料の状況についてでございますが、一人当たり保険料額は、県内平均で100,108円と、昨年度と比べて100.9%となっております。
 この伸び率は、平成28年度から29年度にかけての伸び率である101.6%を下回っております。
 市町村毎では、昨年度より増加した市町村は37、減少した市町村は17でございます。

【わしの恵子委員】
 都道府県化にあたり、県は保険料負担の急増を回避するために、一人当たりの納付金額について激変緩和措置を実施されましたが、どのように実施をし、その効果はどうだったのか伺います。

【国民健康保険課主幹(国民健康保険)】
 新制度においては、市町村が医療機関に支払う保険給付費を、県が市町村に対し全額交付する一方、そのために必要な納付金を市町村から集めることとなりました。
 この納付金は、加入者数と所得状況をもとに医療費水準を加味して市町村に按分いたしますが、費用負担の仕組みが変わったことにより、市町村によっては負担が増加し、保険料の上昇の要因となることが危惧されました。
 このため、平成30年度の納付金算定に当たりましては、市町村とも協議の上、平成28年度と比べた一人当たり納付金額の増加率を医療給付費等の自然増までに抑える激変緩和措置を講じました。具体的には市町村ごとの納付金が、最大でも1年当たり101.95%の増加に収まるよう、納付金額を調整いたしております。
 この激変緩和措置の対象となったのは31市町村となりますが、これにより、市町村における負担の急増が避けられ、ひいては保険料負担の急激な上昇を抑制する効果が得られたのではないかと考えております。

【わしの恵子委員】
 激変緩和を行っても、保険料が上がった市町村についてですが、県が納付金の増加率の上限とした単年度で101.95%を超える市町村はいくつあり、その原因はどこにあるのでしょうか。

【国民健康保険課主幹(国民健康保険)】
 保険料の増加があった市町村ですが、県が激変緩和措置として定めた101.95%を超える市町村は、23となっております。
 その原因については各市町村の様々な事情があり一概には言えませんが、市町村にお聞きしたところ、しばらく据え置いていた保険料を県が示す標準保険料率に合わせていくこと、あるいは、決算補填等の一般会計繰入の解消を図ることなどを理由に挙げております。
 しかしながら、被保険者に対して急激な保険料の増額は求められないことから、市町村におきましては、被保険者に対する説明を丁寧に行って理解を得るとともに、保険料の改定については段階的に実施し、その変化を緩やかにするなどの配慮を行っていただいたため、大きな混乱もなかったとのことであります。

【わしの恵子委員】
 2018年度の納付金算定に当たっての「激変緩和」措置として国からは愛知県分として22億円が投入されたと聞きますが、これでは上限を抑える財源として不十分ではないですか。

【国民健康保険課主幹(国民健康保険)】
 国は全国での激変緩和財源として当初300億円を用意しておりましたが、十分な激変緩和措置を行うため、さらに100億円を用意し、本県分としては合計で約22億円が交付されております。
 本県ではこの財源を投入し、そのほかに激変緩和財源として使用可能な県繰入金の一部も活用することにより、必要な財源を確保することができております。

【わしの恵子委員】
 先ほどの答弁であったように、各市町村では、保険料の上昇率を抑えるために、一般会計から投入をしたところもあるということですが、国は一般会計繰入金のうち決算補てん等目的の額については、6年以内の削減・解消計画を策定するとしましたが、そうなれば更に国保料が高くなってしまうことは明らかです。どのようにお考えか伺います。

【国民健康保険課主幹(国民健康保険)】
 昨年12月に県と市町村との協議のうえ策定いたしました「愛知県国民健康保険運営方針」において定めた手順に基づきまして、市町村は「赤字削減・解消計画」を策定し、取組を進めることとしております。
 現在の計画は、国の通知を基に、平成28年度の決算補填等目的の一般会計繰入などの赤字が平成30年度も解消が見込まれない場合に、医療費水準、収納率など、赤字の要因分析や必要な対策の検討を行い、昨年度末に策定をいたしております。
 今後、市町村は、収納率の向上、健康づくりや重症化予防などの医療費適正化の取組、適正な保険料の設定等により、計画的に赤字の削減・解消を進めていくことになります。
 なお、保険料につきましては、短期間で著しく増加しないよう配慮し、関係者の納得と理解が得られる範囲で現実的な赤字の削減・解消を進めていくものとしまして、運営方針において定めております。

【わしの恵子委員】
 国保料が高い原因は、やはり、国保の持つ「構造的問題」だと考えます。改めて国保の構造的問題について伺います。協会けんぽ、健保組合と比較してお答えください。

【国民健康保険課主幹(国民健康保険)】
 国民健康保険の構造的問題の一つ目は、年齢構成の問題でありまして、企業等で働く方が加入する協会けんぽや健康保険組合と比べて、年齢構成が著しく高いことであります。例えば、65歳から74歳までのいわゆる前期高齢者の加入割合でみますと、平成27年度で国保が39.5%であるのに対し、協会けんぽは6.4%、健康保険組合は3.1%となっております。
 そのため、一人当たり医療給付費も国保は35万円と、被用者保険の約2倍程度となっております。
二つ目としましては、所得水準が低いことでございまして、加入者一人当たりの所得は、国保が84万円に対し、協会けんぽは145万円、健康保険組合は211万円となっております。
 これにより、所得に占める保険料の割合は、被用者保険では約6%から8%程度であるのに対しまして、国保は10%となっております。
 
【わしの恵子委員】
 今答弁いただいたように国保は大変な制度であり、国保料の重い負担がのしかかっているということがよくわかりました。さらに国保は事業主負担もありません。国保料が高すぎて払えないという方々がいるのは当然だと思います。そのため、無保険になったり、正規の保険証が取り上げられたり、全国では生活困窮で医療機関の受診が遅れたため死亡した事例が、昨年1年間で63人あると伺っております。
 そこでお聞きしたいのは、県内の滞納世帯、短期保険証とか資格証明書等について、どんな実態かお伺いしたいと思います。

【国民健康保険課主幹(国民健康保険)】
 平成30年、今年の6月1日の状況でございますが、滞納世帯数は、126,304世帯で、国保加入者の世帯総数に占める割合は12.7%となっております。また、短期被保険者証の交付世帯数は23,960世帯、資格証明書の交付世帯数は4,798世帯となっております。

【わしの恵子委員】
 答弁をお聞きして、あらためて胸が痛むわけです。誰もが払える保険料にして安心して医療が受けられるようにすべき、これが本当に大切なことと思います。
日本共産党は11月1日、「国保料引き下げ、住民と医療制度を守ります」という政策提案を発表しました。先ほど質問したように、国保の構造的問題があるからと、国が公費を投入してきた経過がありますが、だんだんと削ってきた。そのため先ほどの答弁にあるように払えない人が多くいるわけです。
そこで協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるために、1兆円の公費を入れるべきと、2014年に全国知事会が言っています。その後、全国市長会など、いわゆる地方6団体が同様のことを言っております。日本共産党もこれを支持しています。
 どのようにして1兆円の公費を入れて国保料を下げるのか、自治体によって仕組みが違いますが、人間の頭数に応じて保険料を決めるやり方は国保だけです。いわゆる人頭税的なやり方で、均等割とか平等割とかです。保険料のうちこの部分が全国で1兆円あるということです。これをやめれば4人世帯で年収400万円世帯だと保険料はほぼ半額近い引き下げができるということです。これは全国知事会・市長会が言っている1兆円の公費を投入すればできることですので実行してほしいと提案したものです。
 ところが、国は、先ほどもお聞きしたように、市町村が国保料を抑えるために一般会計から国保会計に独自に繰入れしてきた、これをやめよということを言っているのですから全く逆ではないでしょうか。
こんなことを許したら、保険料が上がってしまい、ますます払えない保険料になります。だからこそ、全国知事会、地方6団体自身が主張してきた、公費を入れて払える保険料にしようという提案をしたのです。
 愛知県としても高すぎる国保料を引き下げるために、1兆円の公費負担を実現させていただくことについてどのようにお考えか、そして、1兆円の公費負担についても国に求めていただきたいと思いますがお考えを聞かせてください。

【国民健康保険課主幹(国民健康保険)】
 今回の制度改革に関する国と地方の議論に当たりましては、国から、財政上の構造的な問題に責任を持って取り組むとの考え方が示され、知事会としては、国との議論が続いていた平成26年に、協会けんぽ並みの保険料負担率までに引き下げるためには約1兆円が必要との試算を例示するなどして、国の責任による財政基盤強化を求めたところです。
 これに対して国からは毎年3,400億円の公費を投入する財政基盤強化策が示され、平成27年2月に「国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議」において、知事会を始めとする地方側も了承し、今回の制度改革が実施されることとなったものでございます。
 しかしながら、今後も医療費が伸びていく中で国保を持続可能な制度とし、さらには被用者保険との格差を縮小するためには、さらなる財政基盤の強化が必要と考えております。
 このため、国に対しましては、医療費の伸びに耐えうる財政基盤の確立を図ること、そのために必要な財源については、国が責任をもって確保すること、を今後も引き続き求めてまいります。

【わしの恵子委員】
 1兆円を求めているのに対して、3,400億円ということで、あまりにも差が大きすぎると思いますが、国に対しては引き続き求めていただいているということですので、しっかりと1兆円を要望していただいて国保料の引き下げをしていただきたい。
 県としても、独自の補助金について、以前は最高で28億円ありましたが、だんだん少なくして、とうとうゼロにしてしまった。国に1兆円を求める以上、県としても復活をしていただきたい。高すぎる国保料に苦しんでいる県民のことをしっかり考えていただき、そのようにしていただきたいと強く要望して質問を終わります。

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