2018年6月議会 振興環境委員会
議案質疑「アジア競技大会」
質問と答弁を掲載します〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕
【下奥奈歩委員】
第98号議案 第20回アジア競技大会 開催都市契約締結に伴う負担金について質問します。
今回、アジア競技大会の開催に向けた取り組みを進めるとして負担金が補正予算で計上されています。
アジア競技大会について、私たち日本共産党県議団は、アジア競技大会の愛知・名古屋での開催が決まった以上、OCA憲章にあるように、スポーツ振興におおいに寄与し、国際平和と友好に貢献する大会になるよう務めるべきであり、大会の準備から開催に至るまで、安全で、愛知県民・名古屋市民の生活や環境と調和のとれた無理のない取り組みと、開催の進め方について、密室でなく、原則公開で、透明性を確保し、民主的運営ですすめていくことが大切であると考えています。
そして、この立場から繰り返し、情報が不透明であることを指摘し途中の段階であっても議会や県民に知らせるよう求めてきました。しかし、また今回も新聞報道が先行し、議会や県民には何の説明もありませんでした。
こちらから、アジア競技大会推進課に電話をしたら「開催都市契約の現状について」という資料をもってきました。
まず、なぜ、新聞報道されるまでOCAとの協議の経過や原案、原案に対する修正内容について示さなかったのでしょうか?答弁を求めます。
【アジア競技大会推進課主幹】
開催都市契約につきましては、OCAから主要な事項で合意が得られてきたことから、本年8月19日にインドネシアのジャカルタで開催されるOCA総会で契約を締結することを目標に契約書の最終調整をしているところであります。この契約を締結する前に、開催都市契約の協議状況を議会や県民の皆様にお示しすることが大切と考え、協議状況を議員の方々に説明することについてOCAの了解を得たうえで、6月4日に行った県の「第20回アジア競技大会推進本部」の会議で報告いたしました。
また、同日開催された愛知県議会と名古屋市会の第20回アジア競技大会推進議員連盟役員合同勉強会においてもご説明させていただきました。推進本部の会議、また、議員連盟役員合同勉強会も、記者の方々に公開されていますことから、多くのマスメディアに取材していただき、報道を通じて県民の皆様にも協議状況をお伝えできたのではないかと考えております。また、この報道内容をより詳しく知りたい方々のために、この資料は県のWebサイトでも公開しております。
【下奥奈歩委員】
次に伺います。この、協議の現状についての資料に開催都市契約の原案に対する修正がいくつか掲載されておりますが、これはほんの一部分だと思います。一部分開示するのなら、全文示すことも可能ではないでしょうか?なぜ、示せるところと隠されている部分があるのでしょうか?
今年、8月を契約締結候補としていますが。契約を結んでしまえば何か県民に不利なことがあっても変更できなくなってしまいます。
そこで伺います。県民・議会が歓迎できる大会にするために一緒になって作り上げていくことが大会を盛り上げることにもなります。開催都市契約は原則非公開とされていますが、県は公開のために努力すると、度々表明しています。県民や議会の声を反映し歓迎できる大会にするためにも、契約を結んでしまう前に、全文開示すべきと考えますが、いかがでしょうか?
【アジア競技大会推進課主幹】
県としても、議会や県民の皆様のご理解が得られるよう、契約内容をできる限り開示していきたいと考えております。開催都市契約の内容には、秘密保持条項が含まれており、開示にあたってはOCAの理解が不可欠でありますが、契約前、あるいは契約後の各段階において、できる限り詳しい内容をお示しできるようOCAと引き続き協議を進めてまいりたいと思います。
【下奥奈歩委員】
県は、「アジア競技大会の成功に向けては、議会や県民の皆様の意見を無視することはない」と、以前私が質問したときに答弁しました。しかし、現状は県民も議会も軽視されているように感じます。情報原則公開の立場に立って、県からOCAに情報公開を求めていくべきです。そして、アンケートやパブリックコメント等で意見を求め、県民が主人公で進めることが大会への県民参加につながります。
次に伺います。私は、以前、「県民が歓迎できる大会になるように愛知県が不利にならないことや財政負担が大きくならないようにしっかりと協議を進めていくことが重要である」と質問しました。その時に県から「負担軽減を図るための条項の修正」については、例えば、セキュリティはあらゆる措置を講ずるとされている。これは、OCAの要求により経費が増大する恐れがございますので、開催都市側の裁量で具体的な取組内容を決められるように協議を行っている」と、答弁がありました。
そこで、伺います。今回、示された資料の中にもいろいろ書いてありますが、県民負担が増えるようにならないといえるのか、具体的にどういった点で負担増大にならないように徹底されるのかお示しください。
【アジア競技大会推進課主幹】
OCAとの協議にあたっては、行政負担が増えることのないよう、「数量や期間、水準など開催都市の負担軽減を図るための条項の修正」を基本的な観点のひとつとして取り組んでまいりました。例えば、選手村にはホテルも活用できるようにし、宿泊施設の提供数については、最低限15,000人分とされていたものを、最大限15,000人分となるように修正しています。また、安全、防火および医療サービスにおいて、開催都市が自ら費用を負担して行うものとして規定する条項については、「提供するサービスの手段や水準は、開催都市の単独の裁量によって定めることができる」よう修正しています。開催都市契約の締結後は、こうした前提のもとで、選手村や安全、防災、医療サービスなどの運営計画を策定していくことになるので、計画策定の中で行政負担が増大しないよう努めてまいりたいと思います。
【下奥奈歩委員】
最後に要望です。
アジア競技大会は、まだまだ不透明な点が多いと思います。県民が主人公・県民参加で取り組んでいくべきです。財務についても不透明で、振興部の「主要事業の進捗状況等について」の資料の中で掲載されている大会主催者負担経費 850億円となっていますが、以前質問でも指摘しましたが積算根拠がはっきりしていませんしほとんど議論されていません。850億円の積算根拠も含めた財政内容、開催都市契約の内容等、県民に情報は原則公開を貫き、県民とともに、アジア競技大会の計画を練り上げ、県民が歓迎できる大会にしていくことを求めて、私の質問を終わります。