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【2018.6.26 健康福祉委員会】放課後等デイサービスについて質問 わしの議員 

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

2018年6月26日 6月議会健康福祉委員会一般質問
放課後等デイサービスについてわしの議員が質問しました

【わしの恵子委員】
 放課後等デイサービス事業は、障害のある子どもに対して、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力向上のための訓練や、社会との交流の促進等必要な支援を実施し、障害児の自立を促進する事業です。
 6月10日付けの中日新聞では、「放課後等デイサービス」をめぐり、多くの施設で事業者の経営が悪化する見通しである。その理由は、4月の報酬の改定の影響で減収が予想され、事業者団体の調査では2割が「廃止の危機にある」と回答。実際に閉鎖する動きも出ており、利用する子どもが影響を受ける恐れがあるというのです。厚労省は、制度の運用に一部問題があったことが原因とみて実態調査を開始。今月中にも結果をまとめ、自治体に適切な対応を求める考えということです。
 放課後等デイサービスを巡っては、障害の軽い子どもばかりを集めて十分な支援を提供しないといった利益優先の事業者の増加が以前に問題視されていました。そのため厚労省は対策として、障害が中度・重度の児童の利用が50%以上の事業所とそれ以外の事業所で、報酬額を2つに区分。ところが、市町村が障害の程度を実際よりも軽く判定した例があり、報酬を削減される施設が相次いでいる。「障害のある子どもの放課後保障全国連絡会」が4~5月に実施したアンケートでは、今後考えられる影響(複数回答)として19.5%が「施設の廃止」と回答。「人員削減」は36.2%、「活動内容の変更」が32.9%など深刻です。
80%超の施設が低い報酬区分に分類され、大半が減収を見込んでおり、減収見込み幅は平均で12・4%だった。さらに、市町村による障害の判定に対し「調査もないまま判定され、低い報酬区分にされた。利益追求と関係ない施設まで影響を受けている」といった声が続出した。と掲載がありました。
 そこで私は、6月18日、(港福祉会の)放課後等デイサービスに伺い、子どもたちが支援や訓練を受けて過ごしている状況を見させていただき、施設の運営など、苦労されていることなどもお聞きしてきました。
 最初に、愛知県内の放課後等デイサービス事業所の数についてどうなっているのか、県所管と名古屋市所管についてお聞きします。

【障害福祉課 立花主幹】
 事業所数ですが、平成30年4月1日現在、県内の放課後等デイサービス事業所は865か所です。うち、県所管の事業所が561、名古屋市所管の事業所が304か所となっております。

【わしの恵子委員】
放課後等デイサービスはここ数年増えているのですか。その割合はどうなっていますか。

【障害福祉課 立花主幹】
 事業所数の増加について、平成24年度から児童福祉法の改正によりこの放課後等デイサービス事業が創設されましたが、平成30年度は865か所、前年の29年度は769か所、28年度が618か所、27年度が463か所と、毎年100か所ないしは200か所程度の増加となっております。

【わしの恵子委員】
 県内の事業所数について毎年100か所以上が増えているとの回答をいただきましたが、今回の全国放課後連のアンケート結果にあるように、放課後等デイサービス事業所の80%超が低い報酬区分に分類されているような事態に置かれていることに対し、県は把握されているのかどうかお聞きします。

【障害福祉課 立花主幹】
 今年度の障害福祉サービス等報酬改定に伴う放課後等デイサービス事業所への影響について調べるため、国から5月14日付けの事務連絡で各都道府県、指定都市あてに、報酬区分ごとの事業所数の照会がありました。
 このため、本県が所管する事業所から提出された報酬区分の届出を確認したところ、92.5%の事業所が低い報酬区分となっていることを把握しております。

【わしの恵子委員】
 県が92.5%の事業所が低い報酬区分で、先ほどの全国放課後連のアンケートより多いということで、大変深刻な状況と改めて思います。
 今回の報酬区分の導入に係る市町村の判定に対し、私が、放課後等デイサービスを運営されている方からお聞きしたのは、「市町村は、一人ひとりの子どもに合わずに、書類だけで中重度、軽度に判定している」ということでしたが、どのように把握しているのか伺います。

【障害福祉課 立花主幹】
 本年4月1日から、放課後等デイサービスの基本報酬を改定するに当たり、国から2月13日付けの事務連絡で、放課後等デイサービスを利用する障害児が中重度、軽度のいずれに該当するかを市町村が判断するための16項目からなる指標が示されました。
 しかしながら、4月1日から全ての利用者について、この16項目の指標による判定を行うことが困難な市町村もあることから、同じ国の事務連絡において、市町村が放課後等デイサービスの利用を決定する際に、以前から実施している、食事、排せつ、入浴、移動という4つの日常生活動作における介助の必要度の調査結果を使用することで、新たな16項目の指標に拠らずに判定を行うことも可能とされています。
 このため、今回の報酬区分の導入に際し、改めて16項目の指標による調査を行わず、過去の調査結果を使用して報酬区分を判定している市町村があるものと認識しております。

【わしの恵子委員】
 国が過去の判定結果でよい、という答弁だったと思いますが、国は本当に無責任だと思います。こういう報酬を大幅に変えるのに対して、子どもたちを調査するのは前のままでいいというのは、あり得ない話だと思います。
 県は障害児福祉計画を策定し、児童発達支援センターを地域における障害児支援の提供体制の中核施設として位置付け、必要なサービスが必要な時に利用できるよう、「放課後等デイサービスなどのサービス提供体制の充実や、障害児相談支援体制の整備に努めるとともに、・・・・云々と掲げています。
ですから、今回の報酬区分に係る障害児の状態の市町村の判定は市町村だからという事ではなく、それによって、放課後等デイサービスの存続にも関わる事態となっているなかで、県としてもしっかりと関わっていくべきだと考えますがいかがですか。

【障害福祉課 立花主幹】
 県としての関わりについてですが、国においては、報酬改定の影響調査を実施したところであり、その結果により必要があれば、所要の対応がなされると思われますので、その場合は、県においても、速やかに市町村に対し情報提供等を行い、適切に対応していく所存でございます。

【わしの恵子委員】
 報酬改定に対する保護者・関係者の声ですが、先ほどの全国連絡会が行ったアンケートには、「どこの事業所にも受け入れてもらえず、夏休みに仕事に行けない」、「学習支援の事業所を利用しているが、利用できなくなると塾にも受け入れてもらえず困る」と軽度児の保護者の声。また、「中重度児の利用が優先され、軽度児は利用制限されるのではないか?」と事業者の声もありました。
そして「事業所が利用者を選ぶことにつながり、差別になるので絶対にやめてほしい」という声もあります。
 このように、私は、そもそも子どもを中重度、軽度と区分けすること事態が問題だと考えます。県が事業所に出向き、皆の声をしっかり受け止めて、今回の報酬改定を見直すよう求めるべきだと思います。実態をつかんでいただき、子どもたちにとってどのような放課後等デイサービスがいいのかしっかりとつかんでいただき、声をあげていただきたいと思いますが、どうお考えですか。

【障害福祉課 立花主幹】
 放課後等デイサービスに係る今回の報酬改定は、従前の一律の単価設定となっていた基本報酬では、軽度の障害児のみの受け入れや、重度障害児の受け入れ拒否につながっているとの指摘などを踏まえ、サービスの適切な評価を図るために行われたものと認識しております。
 しかしながら、国の報酬改定は、サービス事業所の運営に大きく影響することから、県においては、国に対し、報酬改定等の効果を検証し、必要に応じて改善を図るよう要望して参りたいと思います。

【わしの恵子委員】
 最後に、私は、実際現場を見させていただき、放課後等デイサービスは、障害を抱えた子どもさんや働く親にとっても大切なところであり、子どもたちはお互いが学び合い、育ち合い、自立に向けて頑張れるところだと思いました。そんな大切な放課後等デイサービスは、サービス体制の充実や、職員の待遇改善、施設整備にこそ県が力を注いでいただき、子どもたちが安心して通えるようにすべきであることを強く要望して質問を終わります。

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