〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕
リニアは問題山積 きちんと住民説明を
【下奥奈歩 委員】
リニア中央新幹線建設 発生土調整連絡会議について質問します。
名古屋市中区の名城非常口の工事が、昨年6月に、発生土置き場が決まらないまま、住民説明会の直後に工事が強行され、周辺住民から批判がでています。
そして、愛知県 珪砂鉱業協同組合が、春日井市の坂下非常口から出される、工事の発生土を、通称「瀬戸グランドキャニオン」と呼ばれている陶土採掘跡地の埋め戻しとして受け入れる意向を示し、昨年11月22日、28日と瀬戸市でJR東海、発生土を運搬する前田建設、愛知県 珪砂鉱業協同組合による発生土搬入に関わる住民説明会が行われ、のべ200人を超える住民が参加しています。
この説明会では、坂下非常口から出る発生土10万立方メートルを、17年1月から、19年の中頃まで、1日あたり片道最大100台の運搬車両が通る計画が説明され、参加された住民の方からは「運搬ルートは通学路だから、児童の交通事故が心配」「運搬ルートを変えてほしい」「白紙撤回してほしい」と不安や批判的な意見が多く出されています。発生土についていろんな問題があるわけです。
発生土の問題では、県は、リニア中央新幹線建設発生土等連絡調整会議を設置していますね。その目的と、この間の活動内容についてお示しください。
【リニア事業推進室長】
平成26年度に、愛知県リニア中央新幹線建設発生土等連絡調整会議を設置している。これは、建設工事に伴う建設発生土の有効利用を図り、その運搬車両及びその他工事車両の通行等に係る情報の共有に努め、事業を円滑に実施することを目的としている。その後、平成26年度中に2回会議を開催している。平成26年度に建設発生土の受入可能な公共事業等について、国、県、近隣市町村に対し調査を実施し、この調査結果について会議の場でJR東海へ情報を提供し、また、国やリニア沿線市と情報共有を行っているところである。
【下奥奈歩 委員】
担当の方からは、会議の内容、発生土の置き場の調査結果はともに非公表で、県民に混乱を招く恐れがあるとの理由であると伺いました。しかし、瀬戸市民は、先ほどもお話ししたように、JRからの説明が不十分であったり、工事車両が入ってくることに伴う住環境の悪化への不安などにより、もう混乱しているのです。これ以上の発生土搬入について、危惧をいだいているのです。
そこで伺います。会議の内容、調査結果をきちんと公表し、県民の混乱ではなく、県民の英知を求めていくべきではありませんか。県の考えをお示しください。
【リニア事業推進室長】
この会議の内容や調査の内容については未決定の情報である。こうした未成熟な情報を公表すると、県民に誤解や憶測、不安を生じさせ混乱する恐れがあるということである。また、発生土の受入について、JR東海と受入事業者との間の協議に支障をきたすこともある。受入事業者側は、公共事業等であるから、国、県、他の地方公共団体であるが、事業に必要となる土砂の確保に影響が生じることもある。搬出先については、事業主体であるJR東海が決定していくものである。
そして、受入事業者側と相談のうえ、説明を行っていくものと考えている。したがって、本県としては、JR東海に対し、工事の安全、環境保全に万全を期し、事業や工事内容を県民のみなさまに丁寧に説明して進めてもらうよう引き続き要請していく立場である。
【下奥奈歩 委員】
会議は非公開だということをいわれましたが、発生土について運搬ルート、騒音など、住民にとって大きく関わる問題です。今でも、住民置き去りの状況にあります。県はJR側に立つのではなく県民の立場にたって地元住民にたいして、情報は原則公開するべきです。また、リニアは問題山積みの無駄な大型開発です。住民の暮らしを守るために直ちにリニア工事は中止させるべきことを強く求めます。