トピックス

[2017年3月14日]振興環境委員会(振興)下奥議員

カテゴリー:

〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

需要のない中部国際空港第二滑走路

【下奥奈歩 委員】

 中部国際空港対策事業費について質問します。

 議案説明の中に、中部国際空港の二本目滑走路をはじめとする機能強化の早期実現ということが書かれています。そして、県が「中部国際空港2本目滑走路建設促進期成同盟会」の活動を推進するとしています。

 まず、需要動向について伺います。この10年間の中部国際空港の旅客数はどうなっていますか?また、現在の旅客数は2005年の開港当時と比べて増えているのでしょうか?答弁を求めます

 

【航空対策課主幹】

 平成20年に発生したリーマンショックの影響や、平成22年の日本航空の経営破綻、平成23年の東日本大震災など、航空需要にとってマイナスとなる要因が重なったこと等から、全国の他空港と同様に伸び悩み、平成21年度から24年度までの航空旅客数は、900万人前後で推移していた。しかし、平成24年度以降、訪日外国人の増加や相次ぐ格安航空会社LCCの新規就航等を背景に、航空旅客数は増加に転じ、昨年度は、7年度ぶりに1,000万人の大台を回復し、約1,042万人となった。

 今年度においても、昨年4月から本年1月までの実績で前年度同期比5.4パーセント増となっており、昨年度を上回るペースで推移している。なお、昨年度、航空路線数が過去最高を記録し、徐々にではあるが航空旅客数も開港時の1,235万人に迫る勢いとなっている。今後、新たなLCCが拠点化し就航すると、大きく増加するものと期待している。

 

【下奥奈歩 委員】

 言うまでもなく中部国際空港の2本目滑走路は建設費1700億円以上と言われるような巨大公共事業そのものです。しかし、このような巨大事業を必要だといって促進する根本的な根拠はまったくありません。

 中部国際空港の需要は答弁でははっきり言われませんでしたが、2005年の開港当時にも至っていない状況ではありませんか。

 例えば、需要があって足りないからつくるという話ならまだ分かります。しかし、いまでも需要があるわけでもなくむしろ増えてもない。なのに、総旅客数を2019年度までに1500万人と空想のように過大な目標をたて、その数字になるように「努力」をしています。これは、需要予測ではなく単なる「努力目標」にすぎません。「需要があるから空港をつくる」 ではなく、 「2本目滑走路をつくりたいから需要をつくる」という本末転倒のものだと思います。

 そこで、伺います。なぜ、県が率先して「中部国際空港2本目滑走路建設促進期成同盟会」の活動を推進するのでしょうか?県が推進するだけの根拠・大義はどこにあるのでしょうか?根拠となる需要予測の数字はあるのでしょうか、答弁を求めます。

 

【航空対策課主幹】

 中部空港会社では、平成27年3月策定の、セントレアグループ中期経営戦略(2015~2019年度)において、平成31年度までに、航空旅客数は訪日外国人数400万人を含む1,500万人に、国際航空貨物取扱量24万トンの達成を目指し、航空ネットワークの拡大等、様々な取組を進めている。この地域としても、平成39年度のリニア中央新幹線名古屋開業に伴う5,000万人リニア大交流圏の誕生を見据え、エアポートセールスを始め、更なる需要拡大に向けた取組を進めるのはもちろんのこと、東海3県1市の自治体、経済界及び中部国際空港株式会社が一丸となって、中部国際空港の二本目滑走路の早期実現に向け、国への働きかけ等、国際拠点空港としてのスタンダードである複数滑走路を目指し、積極的に取組を進めているところである。

 

【下奥奈歩 委員】

 全く根拠のない説明で、2本目滑走路が必要だという理由はどこにもありません。

 県が答弁でいわれた事と同様のことを、セントレアも、中期経営戦略の中で「航空需要が基調回復に転じた中、メンテナンスによる滑走路閉鎖や近い将来の大規模改修時における運用制約、ピーク時間帯の受け入れ制約を解決するために」というように同じようなことを言っています。

 もともと中部財界の総本山である中経連が同じことを「中部国際空港二本目滑走路実現に向けて」という基本文書の中で述べています。

 しかし、こういうメンテナンスや大規模改修で、代替の滑走路や鉄道が必要だという理由付けは、リニア新幹線をはじめ、第二東名など各種の巨大公共事業のいつでも使っている理由付けであって、実際には、従来のやり方でメンテナンスや改修は可能であるし、例えば現に、東海道新幹線では走らせながら立派にメンテナンスしているではありませんか。

 こういう、根拠も目的もあいまいな巨大公共事業を、中部財界いいなりに進めることは許されません。

 このように、開発ありきという無駄な大型開発を県が推進することはおかしいと思います。県民へのさらなる負担の押し付けです。中部国際空港2本目滑走路の推進は、中止すべきことを申し上げ質疑を終わります

▲ このページの先頭にもどる

© 2015 - 2024 日本共産党 愛知県委員会