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[2017年3月15日]振興環境委員会(環境)下奥議員

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

鳥獣保護管理事業費について

 

【下奧奈歩 委員】

 歳出第5款 2項自然環境費 1目自然環境保全費 鳥獣保護管理事業費について伺います。

 かつて愛知県のうずら農家で初めて鳥インフルエンザウイルスが発見されました。豊橋市のうずら農家において弱毒タイプの高病原性鳥インフルエンザの発生が確認され、最終的にウイルスもしくは抗体が確認された7戸のうずら農家の約160万羽を殺処分することとなりました。

 また、2010年には豊橋市と新城市でも発生が確認されて、豊橋市ではニワトリ約14万羽、新城市でもニワトリ約2万羽を殺処分することとなりました。

 そして、国と一体となって対処した結果、収束を見ましたが、その取り組みによって、多くの教訓が得られたと思います。

 野鳥の監視等の役割を担う環境部としての教訓をあらためてお伺いします

 

【自然環境課主幹】

 平成20年度と平成22年度の県内での家きんでの発生は、高病原性鳥インフルエンザの伝染力の強さ、家きんに対する高い致死性から、いったん家きんで発生すると甚大な被害を及ぼすことを強く思い知らされた事例と考えている。

 この教訓として、鳥インフルエンザの感染源の一つと考えられる野烏の監視を行う環境部の役割の重要性を改めて認識したところである。

 このことを踏まえ、平成23年12月に「野鳥における鳥インフルエンザに関する危機管理マニュアル」を改正した。

 この主な内容は、3つである。1つ目として、野鳥の感染情報について速やかに情報共有を図るため、「環境部鳥インフルエンザ対策本部」の構成員に農林水産部と健康福祉部を追加したこと、2つ目として、効果的な検査を行うため、環境省の「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」に準拠し、検査を実施する死亡野鳥については、感染リスクの高い種を通常時から1羽でも検査対象とするなど基準を見直したこと、3つ目として、早い段階から的確に情報提供を行い、県民の皆様方に適切な対応をとってもらうため、「確定検査」の段階のみならず「簡易検査」や「遺伝子検査」の段階で陽性と判明した場合にも公表することとした。

 

【下奧奈歩 委員】

 鳥インフルエンザは、2013年に中国で鳥インフルエンザが猛威をふるい人への感染も確認されました。当時の報道によりますと、17人の方が亡くなったそうです。上海の感染地域で市場で売られていた鳥や、南京市で野生のハトからウイルスが検出されました。野生の鳥がウイルスを運びニワトリはとなどを通じて感染が拡大したようです。

 最近でも、隣の韓国や中国での大量発生や、マレーシアやアメリカなどで発見されているように、昨年11月以来、約40カ国で感染が確認され今日、世界的に流行の兆しがみられるなかで、かつての教訓を生かした予防体制、防疫体制がきわめて重要です。また、渡り鳥の感染の可能性もあります。野鳥など含め鳥類への監視や検査体制を強化することも重要です。

 今日の野鳥に関する鳥インフルエンザの監視や検査体制について環境部はどのように対応しているかお伺いします。

 

【自然環境課主幹】

 野鳥の監視や検査については、本県の「野鳥における鳥インフルエンザに関する危機管理マニュアル」に従い、環境省、本県農林水産部及び市町村等と連携して行っている。

 具体的には、県民等から死亡野鳥に関する連絡を受けた場合は、県民事務所等がすみやかに回収し、農林水産部の家畜保健衛生所に持ち込み「簡易検査」を行う。

 この個体が陽性の場合は、環境省が大学等の専門機関で実施する「確定検査」へ、陰性の場合は、同省が実施する国立研究開発法人「国立環境研究所」での「遺伝子検査」へ、死亡野鳥の個体から採取した検体を送付することとしている。

 いずれの検査でも、陽性があった場合は、家きん農家を所管する農林水産部への情報提供を行うとともに、県民への注意喚起のため、速やかに記者発表を行っている。

 

【下奧奈歩 委員】

 言うまでもなく、愛知県では、うずらの卵生産は全国シェア70%を占めています。さらに豊橋地域は、県全体の約85%を占めて全国一の産地を形成しています。野生の日本ウズラは希少鳥獣でもあるなど、豊橋のうずら農家は、非常に貴重な産業であることは誰もが認めるところです。

 その貴重な産業を守るためにかつてのような鳥インフルエンザの発生は、なんとしても食い止めなければなりません。

 昨年の12月の朝日新聞の報道で、「環境省は26日、カモ類などで高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6亜型)を確認した件数が今冬で100件を超えたと発表した。すでに2010~11年の62件を上回り、過去最多。」だと伝えられていました。

 国内でも、そして先に述べたような、世界的にもかなりの危機的な情勢のいま、感染に備えた万全の体制を整備することが求められています。環境省は、「今後も増える可能性が高い」と注意をよびかけています。

 とくに野鳥などの監視や検査の体制強化が必要だと考えます。環境省は都道府県への業務連絡で、「今後野鳥等の監視の強化がより一層必要な状況となっています。」と書いてあります。また、科学的な根拠に基づいた正確な情報を、迅速丁寧に県民に提供することが、対策の前提になることは言うまでもありません。これらの点について、どういう対策をとられているか、お伺いします。

【自然環境課主幹】

 環境部では、環境省からの監視強化に係る事務連絡を踏まえ、環境省が設置する周囲の半径10km圏内の「野鳥監視重点区域」において、原則として毎日、「監視パトロール」を行うとともに、死亡野鳥に関する情報提供について、昼夜を問わず広く県民の方々に求めるなど、監視の強化を図ってきたところである。

 また、環境省が定めた「野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアル」に沿った検査を行うとともに、「簡易検査」、「遺伝子検査」、「確定検査」といった検査段階ごとの病性について、その都度、記者発表、記者会見を行い、迅速、丁寧に県民の方へ情報提供してきたところである。

 今後も、環境省や農林水産部、市町村との連携を密にして、野鳥における高病原性鳥インフルエンザの早期発見に努めるとともに、正確で丁寧な情報提供を行い、県民の方の野鳥に関する不安の解消を図っていく。

 

【下奧奈歩 委員】

 蒲郡市や名古屋市の東山動物園、西尾や豊橋でもウイルスが発見されているようです。豊橋のうずら農家のかたは不安でいっぱいです。恐れる必要はありませんが、繰り返しになりますが、万全の体制がほんとうに必要です。農家や産地経営と県民の安全を守るため、関係機関との協力体制、役割分担の確認など予め万が一にも備える必要あります。高病原性鳥インフルエンザの発生抑制と、被害の最小化へあらゆる方策をとられることを要望します。

 

 

 

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