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[2017年3月15日]振興環境委員会(環境)議案質疑 下奥議員

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

ダイコーにより放置された食品廃棄物撤去について、排出者責任の厳格化を問う

 

 【下奥奈歩 委員】

 私からは2点質問したいと思います。

 まず1点目は廃棄物監視指導事業費について伺います。

 先ほどから話題になっている壱番屋等の廃棄食品をダイコーが放置している問題で、県内4施設の放置した食品廃棄物の、県主導による撤去作業が完了したと宣言しました。

 撤去は本当に大変な作業であったとのことだが、職員の方々や協力していただいた関連の業界の方々の苦労は相当なものだったと思。まず、この場を借りて心から感謝を申し上げたいと思います。

 その上で、質問に入っていきたいと思います。

 私もこの問題については以前から何度も議会、委員会で質問させていただいていおります。

 以前、再発防止、強化をするようにということを求め質問をしました。県の方から「立入検査方法の見直し、担当職員への研修などにより監視指導体制の強化を図っていく。二度とこのようなことが起こらないよう再発防止に向け、しっかりと取り組んでいく。」という旨の答弁がありました。

 先ほど、再発防止、強化を行っていくという説明があったが、もう少し詳しく伺いたいと思います。排出者責任を徹底していくということで、そこについてもう少し詳細な説明を求めます。

 

【廃棄物監視指導室長】

 排出者責任の徹底については、「排出者責任」をしっかり認識させるように、排出事業者用の手引書を作成し、周知を図るとともに、今回、処理状況の確認がしっかり行われていなかったと認識しているので、専門家を招いて、監視のポイントなどを排出事業者の方に説明する研修会を開催する予定である。

 

【下奥奈歩 委員】

 監視ポイントを説明していくということだったので、是非、排出者責任と県としての再発防止にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 中日新聞の報道で、知事が記者会見で「県費投入が苦渋の決断である」と述べたとのことだが、それはなぜでしょうか。詳しく説明をお願いします。

 

【廃棄物監視指導室長】

 昨年6月、夏季が間近に迫る時期に、大量の食品廃棄物が腐敗し始めていた。そのことにより、地域の環境や生活されている方々に対して大変な悪影響が発生するおそれがあったので、やむにやまれず行ったもので、知事としては「苦渋の決断」という表現になったものと理解している。

 

【下奥奈歩 委員】

 すでに報道されているように、県は強制的に撤去する「行政代執行」も検討したが、手続きだけで3か月もかかるので、当事者に代わって処理を行う、民法上の「事務管理」の規定に基づき、撤去することにしたということでした。

 要するに、撤去するのに廃棄物処理法の措置命令で行うと時間がかかるから、民事上の、民法697条に基づく「事務管理」として撤去するということです。

 しかし、そうすると廃棄物処理法の発生者責任を問うことや費用請求をすることができないということに法律上なるのではないか。答弁を求める。

 

【廃棄物監視指導室長】

 排出者責任を問えるかどうかということであるが、今回、私どもは排出事業者の自主回収を強く指導したところである。その根拠としては、廃棄物処理法の排出者責任に基づいての指導である。

 費用の請求についてであるが、今後、民法702条の規定に基づき請求していく。

 

【下奥奈歩 委員】

 県は様々な関係機関にも協力していただきながら、食品ごみを撤去した。その中で、排出元が確認できた排出物については、排出事業者に処分を要請して、約2千トンを撤去したということだと思います。

 また、大村知事は記者に対して、「撤去予算額4千万円近くはダイコーに請求すると語った」という報道がありましたが、この4千万円近くというのは、排出者不明分の撤去費用ということでしょうか。答弁を求めます。

 

【廃棄物監視指導室長】

 現場で廃棄物の分別を行い、排出事業者が確認できるかどうかがひとつのポイントであった。排出事業者が確認できた廃棄物については、すべて、排出者の負担、責任で撤去させたものである。

 4千万円近くの費用については、私どもが事務管理で行った部分の経費にあたる。

 

【下奥奈歩 委員】

 こういう中で、壱番屋、その他大手食品メーカーや流通企業とか、大量の食品廃棄物を排出した排出者は、法的に責任を問われなくても、社会的道義的責任は極めて重大だと思います。

 この撤去作業の中で、どのような責任を果たしたのか、果たしていないのか、詳しく明らかにしていただきたいと思います。

 

【廃棄物監視指導室長】

 排出者が確認できた廃棄物については、量の多少にかかわらず、すべて排出者に撤去させた。その排出者の撤去はすべて、排出者の負担・責任で行った。

 

【下奥奈歩 委員】

 排出者責任を法的にもきちんとすることが極めて重要だと思います。そこで伺います。

食品廃棄物の不正転売に関連して、環境省は、1月26日、「食品リサイクル法の判断基準省令」等を改正し、同時に、「転売防止の取り組み強化のためのガイドライン」を公表しました。

 この中で、排出事業者の責任強化はどのようにされているのか、ご説明をお願いします。

 

【廃棄物監視指導室長】

 食品リサイクル法については、国が直接所管している法律ということをまず申し上げさせていただく。

 「食品リサイクル法の判断基準省令の改正」については何点かあり、まず、食品循環資源の再生利用等の実施の原則として、「食品関連事業者が食品循環資源の再生利用を実施する際には、不適正な転売を含む不適正処理がなされないよう適切な措置を講ずる旨、またその際に当該措置が再生利用の阻害につながらないようにすべき旨」が新たに追加された。

 また、食品廃棄物の収集・運搬の基準及びその委託の基準については、「食品廃棄物の性状又は発生の状況を勘案し、転売防止措置が必要と認められる場合には、その食品廃棄物が食用と誤認されないよう適切な措置を講ずる旨、また委託先において委託の内容どおり収集・運搬されるよう確認する措置をとる旨」が新たに追加された。

 それから、再生利用に係る特定肥飼料の製造の基準及びその委託の基準については、「委託先における特定肥料・飼料の製造状況、利用状況の確認を行う旨」、それから、「食品廃棄物の性状又は発生の状況を勘案し、転売防止措置が必要と認められる場合には、食用と誤認されないよう適切な措置を講ずる旨、また委託先において委託の内容どおり再生利用されるよう確認する措置をとる旨」、それから、「委託する場合には、再生利用の実態や、周辺地域における当該再生利用に係る公示された料金等を踏まえ、適正な料金で再生利用を行っている委託先を選定する旨」、この3点が追加されている。

 なお、食品リサイクル法では、取組が不十分な食品廃棄物の排出事業者に対しては、指導、勧告、公表、命令を経て罰則が適用される。

 もう1点の「転売防止の取り組み強化のためのガイドライン」については、今説明した判断基準省令の新たな規定に基づき、食品関連事業者が食品廃棄物の不適正な転売防止のための取組を適切に行えるように、実例も交えてその指針を示したものであり、20ページにおよぶ冊子になっている。

 

【下奥奈歩 委員】

 私も資料を読みましたが、排出者責任のところに「排出者責任を改めて重く再認識する」という記載だけあり、これは排出者が頑張ることを強調されているように思いますが、県としての見解を伺います。

 

【廃棄物監視指導室長】

 食品リサイクル法については、廃棄物処理法の下での適正処理の確保のための規制を基礎としつつ、食品関連事業者による食品循環資源の再生利用を促進するための制度となっている。

 このことを踏まえると、改正された食品リサイクル法の判断基準省令の新たな基準に加え、食品関連事業者における取組が適確に実施されることに加え、廃棄物処理法の下での排出事業者の責務の適確な履行が必要であると考えている。

 このようなことから、県としては食品リサイクル法を所管する国と連携して食品廃棄物の不適正処理の防止に努めていく。

【下奥奈歩 委員】

 国と連携していくということなので、情報交換をしっかりして、進めてもらいたいと思います。

 今回の改正をおこなう議論の中では、再三、闇のブローカー、第三者の介在も取り沙汰されている。排出者責任を明確にするため、法的にも制度的にも一層の改善が必要ではないかと指摘をします。

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