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[2017年3月14日]健康福祉委員会 議案質疑 わしの議員

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

新しい総合事業への移行について

【わしの 恵子 委員】

 一般会計予算の介護保険ですけれども介護保険費の中の地域支援事業費交付金に関連して質問したいと思います。

 いよいよ新年度から介護保険事業では新しい総合事業が各市町村で導入されることになりました。名古屋市では既に昨年6月から新総合事業が導入されておりまして、様々な問題があることが浮き彫りになってまいりました。それを少し紹介したいと思います。

 名古屋市の新総合事業の実施方法は軽度の生活支援、家事援助程度ですけれども、介護福祉士や介護ヘルパーなどの資格のない人が3日間の研修を受けて修了してその人達によってサービスの提供が可能となりました。そのために報酬はこれまでの専門職サービスの7割としました。そして、ミニデイ型の通所介護サービスですけれども原則6か月でサービスを修了として、人員基準が緩和されました。報酬は介護予防専門サービスの8割となりました。

 こういう中で名古屋市が6月から実施をして8月までの3か月間の検証を行いました。その中身ですけれども、「高齢者の日常生活支援研修の修了者ですけれども有効に活用できていますか」という質問に対して、研修修了者7百数名のうち雇用につながったのはたった13%の96名ということでした。「サービスの利用実績は計画通りの見込み量と比べてどうでしたか」という質問に対して専門型訪問サービス、これまでのサービスですけれども、これは見込み量に達しているけれども生活支援訪問型サービスは710人に対して200人。ミニデイ型の通所サービスは520人に対してわずか60人にしかいませんでした。

 「基準緩和サービスの事業所の参入は進んでいるか」に対して、「ミニデイ型の通所介護に参入しない」と答えた通所介護事業所は66.2%もありました。

 こういう結果をまとめてみますと、市は生活支援型サービスを担える職員の研修を進めているのですけれども、人材確保につながっていない。そのため、単価の低い生活支援サービスを有資格者のヘルパーが担っている実態があります。

 もうひとつ、ヘルパーの給与を維持するには、低い単価の生活支援は受けたくない。若しくは事業所が赤字をつくることになって、その結果、軽度者のサービス依頼は受けたくない、若しくは制限するとの声が上がっています。

 共産党市議団もアンケートを実施しました。それによりますと、ミニデイ型の通所サービスの参入意向は「ない」若しくは「検討中」は69%、訪問介護については、「参入予定はない」若しくは「検討中」が43%でした。そして、意見として多いのは、報酬削減により、受ければ受けるほど赤字になるということです。既に「廃業する予定」「廃業を考えている」という意見の事業所も見られました。

 専門職でない人が研修を受けてその修了者がサービスを担うことについては、事業所に「軽度者への生活支援を通じて重要と思うことは何ですか」と質問したところ、「生活全般の把握」が32%、「対象者・家族の状況把握」が24%、「緊急的な身体介護」が13%となりました。名古屋市の日常生活支援研修では、直接身体介護はできないことになっています。しかし、軽度者だとしても、1割を超える事業者が、「身体介護が必要・発生する」という認識でいることは、深刻かつ重要な指摘だと思います。

 そこで伺いたいのですが、このような名古屋市で行った新総合事業を市町村がやっていくことになりますが、名古屋市の結果について、どのように認識をして今後の進め方をどのように考えているのかを伺いたいと思います。

【高齢福祉課主幹(高齢者福祉)】

 この4月から全市町村において実施することになりました新しい総合事業につきましては、従来からの既存の介護事業所による既存の介護予防事業に加えて、介護職員等の人員配置等を緩和した基準緩和型サービスのほか、住民ボランティアによる買い物代行や掃除といった生活支援サービスの提供や体操・運動などの通いの場の提供など、地域の実情に応じた、様々な主体によるきめ細やかなサービスを提供していくこととなっております。

 県は、市町村がこの新しい総合事業を実施するにあたりまして、どのような課題を抱えているかを把握するために、昨年11月に、「総合事業に関する実態調査」を実施いたしました。

 その結果、委員お示しの人員等の基準を緩和した基準緩和型のサービスを実施することとしている、あるいは予定している、と回答があった市町村は、訪問介護型、これは自宅に伺って買物や掃除をするといったサービスですが、この訪問介護型は47市町村、また、デイサービスなどの通所型は50市町村と、大部分の市町村が基準緩和型サービスを実施するとしております。

また、基準緩和型によるサービスを実施するにあたりまして、「参入意向事業所が少ない」、「介護福祉士などの有資格者以外の人員の確保が困難」など、様々な課題が県の方に寄せられて、課題があるということが明らかになりました。

わしの委員お尋ねの名古屋市が実施した検証結果でございますが、名古屋市は委員がおっしゃるように昨年6月から新しい総合事業を開始しておりまして、その開始後から3か月程度、半年も経過していない状況での検証結果でございますし、また、制度の過渡期でもございますので、十分準備が整っていないということも考えられますので、県内の他市町村と同様な課題があるということを、県としても認識しているところでございます。

 そこで、このような課題に対応していくためには、新しい総合事業に係わる市町村職員の役割が大変重要であると考えておりますので、市町村職員を対象とする「新しい総合事業対応研修」を平成29年度からは県内4ブロックに分けまして、きめ細やかに研修内容を充実して実施してまいりたいと考えております。

例えば「成功事例のノウハウ」だとか「地域の実情に応じたサービスの創出やコーディネート」など、これらの研修内容を講義だとかグループワークを取り入れ、研修終了後すぐに活用いただけるよう、より実践的な研修を行ってまいりたいと考えております。

 県といたしましては、こうした取組を着実に実施することにより、新しい総合事業がより一層充実するよう市町村を支援してまいたいと考えております。

【わしの 恵子 委員】

 新しい総合事業を県としては見守りながら進めていくという答弁だったと思います。

 私のところに名古屋市以外に昨年度から総合事業を実施している弥富市の党議員からも実態について意見が寄せられました。弥富市ですけれども、事業の発足時に指導者の連絡会を作って報酬を80%に緩和する方向を決めたそうです。

 国は力のある事業者への集約を考えているのではないかとか、ただでさえ人手不足で心の通う介護が難しくなっていく中で、国が必要な予算を削ることは事業者にとってもとてもたまらない。介護の土台を壊さないでくださいと事業者の声を伝えてくれました。軽度者の支援というのは専門職でなくてもいいとの話もありました。

 けれども、だから安い報酬でいいとか多くの自治体がそういう方向に進んでしまえば、軽度者のサービスを担う事業者が経営難と人材確保困難に直面することは明らかではないかと危惧します。要支援者への介護サービスを担う総合事業の報酬問題が事業所を窮地に追い込んで、介護難民を生み出すことになってしまう、そういうおそれもあると思います。私は、報酬は原則、今のままで専門職によるサービスを確保して軽度者を重度化させないということが介護難民を抑えるためにも必要だと考えています。

 ですから、国の意向だといいますけれども、介護の総合支援事業、その費用というのは賛成できない、よって29年度の一般会計予算もその点では賛同できないということを表明して終わりたいと思います。

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