〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議議員団〕
認知症患者やその家族が安心して暮らせる地域づくりを
【わしの 恵子 委員】
あいち健康プラザ見直しについてオレンジタウン構想調査費について伺います。昨年の11月29日にあいち健康の森健康科学総合センターのあり方検討会が開かれて、その時の資料、あいち健康プラザの課題と見直しの方向性案を見ました。
それを見ると、省エネ対策や利用率の低い施設の見直しによるコスト削減、利用率の低い施設の廃止の検討例としてリラクセーションルーム、情報ライブラリー等と示されています。その論点のところで、アトリウム、プール、科学館を減築する場合の粗い試算が出ていたがとても分かりにくいものでした。今回の予算の概要、参考資料を見ると健康科学総合センター整備調査費では、あいち健康プラザは、基幹設備が老朽化しており、運営費の一層の増大が見込まれることから施設の減築や改修を含めとあるがこの点について説明をお願いします。
【健康対策課主幹(健康づくり)】
健康プラザについては、基幹的設備等が老朽化し、今後設備の更新等により、運営経費の一層の増大が見込まれている。
平成26年度の包括外部監査においても、行政コストの観点から従来の枠組みにとらわれない新しいあいち健康プラザのあり方について検討すべきであると指摘された。
今年度、有識者や地元関係者の皆様からなる検討会議を設置して、中長期的な観点から、その機能や施設のあり方について、見直しの検討を行っている。
見直しの方向性としては、本県の喫緊の課題である認知症対策に取り組むこととし、また、コストのかかる施設であるので抜本的なコスト削減を行うため、新たな機能も見据え、より効率的な施設となるよう、減築を含めた施設改修についても検討を行っており、来年度この施設の減築・改修について調査を実施していきたいと考えている。
第1回検討会議においては、このプラザの見直しの方向性の案として、根本的なコスト削減のために、プール、科学館を減築・廃止する案を記載させてもらった。
【わしの 恵子 委員】
コスト削減のため、プール、科学館を減築するということは、なくすということに繋がっていくということでしょうか。
【健康対策課主幹(健康づくり)】
コストの観点から、減築・廃止で検討を進めている。
【わしの 恵子 委員】
プールは平成9年開設で、開設してから20年も経っていません。閉鎖することは利用者にとって大変な問題だと思います。このことについて、東浦町議会から愛知県知事・健康福祉部長・県議会議長に対し、「あいち健康の森内プールの存続を求める意見書」が2月議会に提出予定と聞いています。その中身は、「健康開発館には温水プールも整備されており、健康評価、健康づくりを実践するための施設となっている。」「認知症の5割以上を占めるアルツハイマー型認知症においては、軽度の運動がその発症を遅らせることが重要であることが分かってきている。」「温水プールは認知症予防にとって効果が期待できる重要なアイテムの1つである。」以上の理由から、県に対して、あいちの健康の森の温水プールを存続されるよう強く要望するというものです。
また、大府市長と市議会議長からも愛知県知事と県議会議長あてに近々、「あいち健康プラザ事業の存続について」要望がなされる予定と聞いています。その中身は、あいち健康の森とその周辺地区をウェルネスバレーと名付け、この地区が健康長寿の一大拠点に発展することを目指し、ウェルネスバレー推進協議会を設立し、健康づくり、医療、福祉などの分野において、超高齢社会の課題解決に向けた先駆的な取り組みを推進しています。
そして今後、愛知県のオレンジタウン構想においても、認知症予防と治療の面から体にストレスなく行える水中運動を行えるプールを有するあいち健康プラザの存在は大きい。
大府市では、65歳以上を対象に平成18年度からプールの利用料補助制度を開始し、昨年度は2,174人の利用。更に平成26年度からは40歳から64歳を対象に水中運動を始め、各種健康づくり教室に参加する際の受講料補助制度も開始した。こういう実績があり、市民が気軽に水中運動を行うことができるあいち健康プラザ内プールを存続するよう要望するというものです。
今、2つの自治体から寄せられようとしている意見、要望を紹介した。自治体独自の取り組みもあるが、他の地域から来られる多くの利用者の声をも代表していると私は考えている。愛知県としては、そのような県民の切実な要望に、応えられるように努力すべきと考えるがいかがでしょうか。
【健康対策課主幹(健康づくり)】
プールについては、平成9年の開館から20年を迎えるが、プールの設備部分の多くは、20年から25年で耐用年数を迎えることから、今後これを存続させるためには大規模な設備更新等が必要となり、多額の運営コストが見込まれる。
また、プール利用者の増加に向けては、回数券の発行やアスレチックルームとの共通利券の発行などの様々な利用促進策を講じてきたところであるが、利用者の推移としては、平成11年度は、68,000余人であったものが、平成27年度には、38,000余人まで40%程度減少してきている。
11月に実施したプラザの第1回あり方検討会議において、委員からは、プールの存続を望む意見があった一方で、県の拠点施設としては広域的に成果が波及できるものを優先すべきで、地域密着型のプールは見直しの対象としてみていったほうがいいのではないか、との意見もいただいている。
委員からご指摘のあった地元からの要望等については、内容等詳細は県としては承知していないが、その中で言及されていた認知症の予防に関しては、今のところ、効果が検証されているものとして、国立長寿医療研究センターが開発・普及を進めているコグニサイズというものーこれは、単に運動だけでなく、しりとりやジャンケンなどアタマの体操を加えた様々な取組からなっているものーがある。
県では、現在、誰もがいつでも身近な場所で気軽に取り組むことが出来るよう、愛知県版コグニサイズの開発を長寿研にお願いしているところであり、より、直接的に認知症予防に資するものとして、これを全県的に広めていきたいと考えている。
今後、プラザを長く活用していくためにも、抜本的なコスト削減は必要であると考えている。
今月末に開催する検討会議において方向性を取りまとめていきたいと考えているが、県としては、利用者が大幅に減少している現状や今後のランニングコストや多大な設備更新費用が見込まれていること、県の施設であることから全県的な波及効果が求められること、包括外部監査において行政コストの観点から従来の枠組みにとらわれない新しいプラザのあり方を検討すべきであると指摘されていること、などの課題を踏まえると、プールの存続はなかなか難しいと考えている。
健康づくり、認知症予防のための県民全体の施設として、あいち健康プラザの見直しをしっかりと図っていくことで、県民の皆様の声にお応えしていきたいと考えている。
【わしの 恵子 委員】
コストがかかることと、プールについて開設してから20年も経っており、修繕が必要だと答弁であったが、県のほかの施設に比べれば随分新しく、壊してしまうというのは考えられません。68,000余人から38,000余人に減ってきたと言うが、どこの施設も利用は年々減っていくのが世の常であり、地域の人の利用に支えられて運営をしてきました。愛知県の施設であるので、勿論近くの人だけでなく全県的な利用が望ましいと思うが、どんな施設であっても地域の人の利用が多くなります」。県民の切実な願いで受け止めプールをなくすのではなく、存続させるためにどうすればよいのかしっかり検討して欲しい。