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[2016年6月24日]振興環境委員会 設楽ダム

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

【下奥議員】

 最後に、第104号議案 設楽ダムの建設に関する基本計画の変更について。質問をします。

 この議案は、5月25日に国から照会がきて、設楽ダムの建設に関する基本計画の変更について意見を求められたものです。

 その内容は、これまで総事業費2070億円としていたものを、物価上昇や、消費税増税を理由に2400億円に引き上げるというものです。同時に県の負担は721億円から809億円と88億円の増額になります。

 そこで、伺います。まず、今回この国から意見を求められていますが、いつまでに返事を下さいという期限はあるのでしょうか。答弁を求めます

 

【土地水資源課主幹】

・設楽ダムの建設事業の基本計画の変更に係る国からの意見照会ですが、5月25日付で公文が発送されておりますが、その公文の中には回答の期限は記されていません。

 

【下奥議員】

 返事の期限は、定められていないということで、国から意見を求められたからと、いますぐ急いで返事をしなくてはいけないものでもないと思います。

 これまで、国は、設楽ダム総事業費は2070億円で絶対変わらない、その範囲で全部やると説明してきました。なのに、今回2400億円に増額されてしまいました。「絶対変わらない」と言ってきたのはいったいなんだったのでしょうか。結果的には、ウソを付いたと言われても仕方がありません。

 国が、事実上、ウソをついたことにたいして、県が、同意するということは、その嘘を容認するということになるのではないでしょうか?ウソを言われたのに、ハイハイと言って同意する県の姿勢も大問題だと思いますが、答弁を求めます。

 

【土地水資源課主幹】

・県といたしましては、国が嘘を言ったという認識はしておりません。ダム事業の主体をなす工事費は、建設作業員などの労務単価や生コンクリートなどの資材単価に基づき積算されておりまして、当初、平成18年度の単価で積算していたものを、今回、平成27年度単価で積算し直した結果、工事費が上昇し、加えて消費税の改定もなされたことから、事業費の変更が生じたものである。なお、変更事業費につきましては、その算定根拠を詳細に確認いたしまして、その結果、県として止むを得ないものと判断し、今回、設楽ダムの計画変更に同意する旨の議案を提出したものである。

 

【下奥議員】

 今回、本体と付け替え道路の部分の2070億円は増額となりますが、残りの分の水源地域対策の費用についての増額も今回は、まだないかもしれませんが、今後増額が懸念されます。

 そこで、伺います。国の今回の増額を突破口に、県も物価上昇や、工期延期を理由に水源地域対策費も増額される可能性があるのではないでしょうか?答弁を求めます。

 

【土地水資源課主幹】

・県が中心となって取り組んでおります水源地域対策事業は、水源地域整備計画に基づく、県道、林道、農道、下水道などの整備の他、公益財団法人豊川水源基金による簡易水道の更新、生活再建資金支援など、ハード、ソフトの多岐に渡っており、全体で98事業となっている。これらの事業は、平成20年度から着実に実施しており、平成27年度までの進捗率は、約4割に達している。これらの各事業の事業費につきましては、物価変動により増加した部分もございますが、当初計画の実施個所の精査等により減少している部分もございますので、現時点では全体として事業費の大幅な変動は生じておりません。

 

【下奥議員】

 設楽ダム建設は、天然記念物のネコギギの生息域の破壊など自然環境の破壊や、建設予定地の岩盤の弱さや断層とのかかわりでの安全性の問題など、数多くの問題があります。

 また、地元の方からも「自然がこわされてしまう」「地盤の不安もある」とダム建設に対しての怒りと不安の声があがっています。

 さらに、利水の問題について、過大な見積もりがされていることを、わが党国会議員本村のぶこ衆議院議員が国会質問で明らかにしました。

 水資源基本計画フルプランの2015年の予測値は、1日平均給水量が26万8千と予測されていましたが、実際は23万3千トンでした。一人一日平均給水量も予測値は363リットルでしたが、実際は、320リットルと、過大な見積もりがされていました。さらに、利用量率92.3%、負荷率79.1%という予測値でしたが、実績は、利用量率99.7% 負荷率88.5%と共に、過大に今後水開発が必要だということを示すための数字になっていたことも明らかになっています。三重の過大な見積もりをして、設楽ダムが必要だということを示す中身になっています。

 この問題について、もとむら伸子衆議院議員が国会で「豊川水系フルプランの見直しの際、実績を踏まえるべき」と質問したのにたいし、国務大臣が「フルプランの計画変更に当たっては、地域における水需要の実績を踏まえることは当然である」と答えていて、国も認めています。

 利水問題については、愛知県が必要だということで、国が検証もせずに、必要だということになっているそうです。要するに、愛知県が、水が必要だと言っているから「需要予測についてきちんと検証しなくても良い」というのが国の態度です。県として過大な需要見積もりを反省し、改めて検証しなおすことが必要だと考えます。

 申し上げてきましたとおり、さまざまな問題が山積しています。国から意見を求められていますが、返事の期限はないので、増額されることと、過大な水需要も含めて、この機会に、しっかりと時間をかけて検証するべきではないでしょうか?答弁を求めます。

 

【土地水資源課主幹】

・設楽ダムの検証につきましては、平成21年から平成26年まで事業主体である国土交通省によりダム事業検証が行われておりまして、事業の妥当性が確認され、平成26年4月に国土交通大臣により事業の継続が決定したところである。また、設楽ダムの必要性につきましては、平成26年5月に最高裁において当県の勝訴が確定した、設楽ダム建設事業の公金支出差し止め訴訟の中でも、当県から治水、利水の両面の必要性を主張しておりまして、妥当である旨の判決を得ているところである。今回の計画変更は、ダム検証の実施に伴う工期の延伸を行うこととしているものであり、県といたしましては、先に申しました事業費の見直しと併せ、いずれも致し方ないと判断されることから、「同意する」旨を提案させていただいているものである。なお、こうしたダムなどの大規模事業につきましては、不断の検証が必要でございますので、県といたしましては、今後も事業が進められていく中で、事務事業の合理化や一層のコスト縮減を国に要請してまいりたいと考えている。

 

【下奥議員】

 国から意見を求められたからといって、県民の負担も増えますがいいですか?という話に、県が国に言われるがまま、の立場ではいけないと思います。県の役割は、県民の立場にたって、県民の負担になることについて、防波堤となることではないでしょうか。

 財源が厳しく、コストを削減したいのであれば、設楽ダム建設を思い切って見直し、白紙にすることこそ、コストの削減になります。今回県の増額分88億円あれば、コミュニティーバス補助することや、特別支援学校の老朽化の修繕、など、暮らしや福祉に使うことができます。税金の使い道を切り替えることを強く要望して、質問を終わります。

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