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[2016年6月24日]振興環境委員会 アジア競技大会

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〔未定稿 文責:日本共産党愛知県議会議員団〕

【下奥議員】

 同じく補正予算で、アジア競技大会招致推進費120万円が計上されています。招致金は、OCA(アジアオリンピック評議会の略称)憲章の第44条アジア競技大会の開催申請に、招致の場合、申請と共に、払い戻し不可の招致金を支払うことが書かれています。ですが、何に使われるのということが掲載されていません。

そこで、2点お聞きします。一点目、今回のこの招致金の具体的な中身、いったい何に使われるものなのか、お示しください。二点目、また何に使われたかがわかる領収書は出るのでしょうか?答弁を求めます。

 

【アジア競技大会招致推進室長】

・アジアオリンピック評議会OCAの憲章第44条第3項で、招致金は招致の申請とともに支払うこととされているため、立候補都市について開催都市としての適正を評価するための経費の一部に使われるのではないかと考えている。しかし、OCA憲章には使い道についての記載はなく、日本オリンピック委員会JOCに確認したが、 OCAから具体的に示されていないとのことである。

また、JOCからは、何に使われたかがわかる領収書は、OCAからもらえないと聞いている。

 

【下奥議員】

 県民の大事な税金を何に使用されるのかも明確でないのに、120万ものお金を、憲章にかいてあるからとう理由だけでそんな不透明なお金を簡単に払ってしまうことに大変疑問を感じます。

何につかうかきちんと、県民に明らかにするべきです。県民の税金は、アジア競技大会を呼びたいという、知事の意向で自由に使っていいお金ではありません。

 5月の臨時議会でも、申し上げましたとおり、アジア競技大会はオリンピックに次ぐ規模の大きな大会です。大会に向けた整備や、何百億といわれる運営費を負担すること、などお金もかなりかかる重要な問題です。

 それなのに、県民の声も聴かずに、行政が日程ありきで勝手に決めるのは、あってはならないことです。5月の臨時議会で「十分に県民の声を聴くべき」と質問をした時に県は、「今後の招致・開催の取組を推進するにあたっては、県民の理解を得て活動を盛り上げていく必要があると考えているので、大会開催の意義や効果についてわかりやすく説明して、県民の皆様にご理解・ご賛同いただき、私どもの活動にもご参加いただけるよう取り組んでまいりたい。」という答弁をしました。

 そこで、おききします。招致金の中身すらわからないのに、大会開催の効果や、意義について、県民と議会に対して、どうわかりやすく説明していくのでしょうか?答弁を求めます。

 

【アジア競技大会招致推進室長】

 アジア競技大会の開催意義については、今議会の代表答弁において、知事は「アジアのスポーツの発展や友好と平和の促進に寄与する」、また「2020年の東京オリンピック・パラリンピックの次の目標となる」、「交流人口の拡大や国際競争力の強化など、愛知・名古屋はもとより、日本全体の成長への貢献にもつながる」と述べている。また、5月30日に公表した開催構想バージョン1においても、その意義を記載しており、県民の皆様が入手しやすいよう県のHPで公開している。

 今後、開催構想については、内容を充実させとりまとめることとしているので、そうした検討に合わせて、開催意義についても県民の皆様にわかりやすく説明できるよう工夫してまいりたい。

 

【下奥議員】

わかりやすくといいますが招致金の中身がわからないのにわかりやすくどう説明するのでしょうか。 

 

【アジア競技大会招致推進室長】

・開催意義については、先ほど知事の答弁を述べさせていただいたが、直接招致金の使い道とはかかわりがないものと考えている。

 

【下奥議員】

 本来、このような大規模プロジェクトは事業計画や財政負担計画、招致推進活動費の内訳など県民と議会に明確にする必要があるのは当然です。今回の進め方はあまりにもずさんでトップダウンのやり方であり認められません。

 アジア競技大会は今後予算が膨大になることが予想されます。2020年開催予定の東京五輪の場合では、招致活動が当初55億円でしたが、招致経費が3倍に膨れ上がり、150億円にまでなりました。また、東京五輪仮設開場整備費、既存施設の改修で、招致段階の4倍にもなるのではないかといわれています。

 五輪に次ぐ規模のアジア競技大会も、同様に、財政負担が増えていくのではないでしょうか。瑞穂競技場は単なる老朽化の修繕ではなく、大会規模、国際規格に合わせた改修で、500億費用が必要といわれています。運営費も最初に申し上げたとおり、膨大です。

 福岡県では、アジア競技大会の是非について、検討が行われて、試算もして、会場を仮設にしたり既存施設を使ったりしても、総事業費で600億円上回る可能性があり、財政確保が困難として、断念したと報道にもありました。

 これだけ、財政負担が懸念されるのにもかかわらず、愛知県は、開催構想も出しているのに、財政計画や試算が全く明らかになっていません。財政計画のページには「妥当性のある収支計画を策定します。」「過大な経費をかけないようにします」など、と書いてあるのみ。あまりに酷すぎます。何にどれだけ費用がかかるか、試算をして、県民に情報を開示して、議会にも資料出して、明らかにするべきではないでしょうか答弁を求めます。

 

 

【アジア競技大会招致推進室長】

・5月30日に公表した開催構想バージョン1は、途中経過版という位置づけであり、8月末を目途にとりまとめる開催構想におきましては、可能な限り具体の数字が入った収支計画を盛り込む方向で検討しているところである。

 

【下奥議員】

 福岡県は、財政負担の大きさに地元経済界も賛成しなかったそうです。また、日本オリンピック委員会のホームページでも、「主催者がAGF(アジア競技連盟の略称)からOCAに変わった86年の第10回ソウル大会の時に、実施競技種目数は、前大会の21競技196種目から25競技269種目に急増し、さらに、広島大会では、34競技337種目へとエスカレートした。広島の組織委員会は、次々出てくる希望を抑えられなかった。これから開催するところは財政面での負担が大きくなるばかりだ。」と、指摘をしています。

 財政負担問題は極めて重大な問題です。後回しにはできません。

 アジア競技大会それ自体に加えて、イベントを理由に大型公共事業がさらに進み予算が膨大になることが想定されます。

 実際、開催構想の中にも、アジア競技大会に便乗して、リニアプロジェクトも発信していくことや、中部国際空港二本目滑走路の整備に取り組むことが掲載されています。

 福祉や、教育、医療など、県民の暮らしには大きな負担をかけておいて、アジア大会や関連事業には容赦なく県民の大事な税金を注ぎ込むやりかたは、逆立ちした県政です。さらに、県民施策を圧迫するものであり、格差と貧困、県民生活の困難が広がるもとで県民の理解は得られないのではないでしょうか。暮らしと経済が、教育、福祉が充実して、そのもとで、アジア競技大会招致の声が広がってから検討するのが筋ではないでしょうか、答弁を求めます。

 

【アジア競技大会招致推進室長】

・アジア競技大会は、国際的な友情と平和の促進というOCAの崇高な理念のもと開催される大会であり、県民の健康長寿や青少年の健全発達等につながるスポーツ振興にも大きな役割を果たすと考えている。また、開催構想の検討においては、できるだけ既存の施設を利用する方針としており、今後も経費節減に努めることができるよう検討していく。

 

【下奥議員】

わが党県議団は、純粋なスポーツ振興としてアジア競技大会そのものには賛成です。しかし、アジア競技大会招致にむけて無駄遣いが広がり県民への負担が大きくなることが予想されます。そうなっていけば、被災地や防災対策、社会保障、福祉が置き去りにされてしまうのではないでしょうか。いま、県がやるべきは、熊本地震を教訓にした防災対策の抜本的強化であり、県民の立場にたって福祉、暮らし、最優先の県政を行うことを強く申し上げまして、次の質問に行きたいと思います。

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